明るい夜

　黒川創さんの「明るい夜」を読みました。書店員さんの推薦本とのことで読んだのですが、はっきりいって面白くもなんともありませんでした。
京都のパン屋で働く若い女性が主人公なんですが、彼女の日常を淡々と描かれても、「そんなものなんだろうな」で終ってしまいます。最後の方で彼女の友達の山奥の田舎へ向かうのですが、それも何というドラマも意味もなく、ただ行って帰ってきておしまい、って感じ。これを読んで何を感じてほしいのか、逆に作者に質問したくなりました。
　ところがこれが三島賞候補になった、というのですから、世の中分かりません。黒川さんは過去に芥川賞候補にもなったとのことで、おそらく私に小説を楽しむ能力が欠けているのでしょう。でも、ここのところずっと、最近出版された日本の小説を読んできていて、こんなにつまんなかったのは初めてだったということは、一応言っておこうと思います。黒川さんのファンの方、いらっしゃったらゴメンナサイ！