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赤目四十八瀧心中未遂

2006-04-25 17:07:56 | ノンジャンル
 WOWOWで荒戸源次郎監督の2003年作品「赤目四十八瀧心中未遂」を見ました。作家志望くずれの青年生島がカマ(鎌ヶ谷)からアマ(尼崎)に流れ着き、飲み屋の女主人かモツの串刺しの仕事をもらいます。彼の住むアパートには、あやと言う、背中の刺青を拝観料の名目で見せる若い女や、刺青師と同居する男の子、セックスする時、山の手線の駅を順に行ってゆく女など、奇怪な人物が住んでいます。そうした人物たちといろんな関わりがあった後、あやと生島は男女の仲になってしまいます。そして、ある日彼の部屋へ飛び込んできたあやは、生島に「一緒に死んでくれ」と頼みます。彼女の兄が彼女を3000万で博多に売り飛ばし、自分は行きたくないので、一緒に逃げてくれ、と言うのです。二人は電車で山の奥へと入って行き、渓流沿いの道をひたすら歩き、心中の誘惑にかられます。が、結局彼女は自分が逃げれば兄が殺されてコンクリート詰めにされるのを考えたからなのか、博多へ行く、と決意し、生島を置いて行ってしまいます。
 と、こういう物語なのですが、私がこれを見たのは、あやを演じた寺島しのぶが多くの主演女優賞をこの映画の演技で取っていたからで、映画を見てる最中も、こんなマイナーなインディペンデント作品がよく受賞できたなあ、と驚きました。しかし、寺島しのぶはきれい! でした。授賞式などで見た寺島しのぶはただのおばさんで、輝きの「か」の字もなかったのに、映画の中では輝きまくりでした。
 それから、荒戸源次郎氏が製作した鈴木清順監督の「ツィゴイネルワイゼン」を連想させる場面がいくつかありました。大楠道代が飲み屋の女主人、麿赤児がちょい役で出ているのに加えて、主人公が自室で一日中ひたすらモツを串に通す様は、大谷直子がひたすらこんにゃくをちぎる姿にダブって見えました。
 2時間40分という長さがもう少し短ければ、もっと楽しめたんじゃないか、と思った映画でした。