gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

塩田明彦監督『この胸いっぱいの愛を』

2006-10-02 16:48:45 | ノンジャンル
 WOWOWで塩田明彦監督の'05年作品「この胸いっぱいの愛を」を見ました。
 2006年、ある飛行機に乗っていた人々が、なぜか20年前の1986年の世界に行ってしまいます。主人公の青年は、始めはそれを知らずに自分の実家が昔と変わりない風情で店を営んでいるのを見て、感傷的になりますが、その家からころがり出てきた子供が20年前の自分なのを見て、驚きます。レストランに入ると、カレンダーがすべて1986年になっていることに気付き、初めて自分が20年前の世界に来たことを知ります。20年前の実家に従業員として入り、20年前の自分と同じ部屋で暮らし、20年後には死んでいる隣のカズミねえちゃんとも会います。主人公と共に飛行機に乗っていたヤクザな青年は、自分を身ごもりながら保育園で働いている母と会い、自分の出生の秘密を知ります。同じく飛行機の同乗者だった宮藤宮九郎演ずる男は、入院中に死んだ盲導犬ともう一度会うことを願う盲目の老婦人の願いをかなえてあげます。そして、物語りは続き、最後には、飛行機の墜落事故で登場人物は皆死んだことが明らかにされます。
 主人公と20年前の自分との交流が主に語られます。「黄泉がえり」でもそうですが、塩田監督の作品には時空を超えたシチュエーションが多いように思います。作品の出来に関しては、何とも言えません。突出したシーンもなかったし、特に強いパッションを感じるところもありませんでした。正直言うと、途中で寝てしまいました。
 以前にも話したことがあったかもしれませんが、私は大学生時代の彼を知っていて、彼と同時期に学生だった私は当時の彼の映画を見たことがありますが、横移動の8ミリのキャメラで撮られた通行人のシーンは活動的で、ゴダールの映画を見ているような興奮を味わいました。それを覚えている私としては、最近の塩田作品は物足りないことこの上無し、といったところです。「昔の」塩田作品の「新作」を見てみたい私なのでした。