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古井由吉『櫛の火』

2009-10-04 15:13:00 | ノンジャンル
 今日はスカパーの無料開放デーなので、山田詠美さんが言及していた「アメリカン・アイドル」という番組を見てみました。単なるオーディション番組かと思っていましたが、歌の演出や演奏形態まで自分で決めるというかなり本格的なもので、歌唱力もプロそこのけでかなり見ごたえがありました。歌好きな方にはオススメです。

 さて、「顰蹙文学カフェ」の中で高橋源一郎さんがエンターテイメントぽくってすごく好きだという古井由吉さんの'74年作品「櫛の火」を読みました。
 広部は盲腸で入院した弥須子の看病をしています。弥須子は先鋭化した学生運動に身を投じ、一時広部とは遠ざかっていましたが、学生運動が当局の実力行使によって潰され、それをきっかけに学生運動から身を引いた弥須子は広部と再会し、その直後盲腸になって広部に看病されることになったのでした‥‥。
 とここまで読んだところで(ものの10ページほど)その先を読むのを断念しました。その原因は文体です。以下一部を引用しますと「羞恥とも嫌悪ともつかないものが、同意を求めるように、彼の目にじわりと粘りついてきた。お互いに求めあっていることを、広部はふいに意識した。そして弥須子のからだのほうから伸びて来るものを探りあてようとしたが、視線が離れてると、もう何も伝わって来なかった。彼のほうからも、やはり訝りのほかは、何も伸びて来なかった。」こうした長々と続く心理描写についていけませんでした。撃沈です。
 しかしこうした心理描写が好きな方には魅力的な作品かもしれません。「文学」がお好きな方にはオススメかも。