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ジャン=ピエール・メルヴィル監督『マンハッタンの二人の男』

2009-10-21 15:44:00 | ノンジャンル
 ジャン=ピエール・メルヴィル監督の'58年作品「マンハッタンの二人の男」をビデオで見ました。
 タイムズ・スクェアの夜景をバックにタイトルロール。12月23日、国連総会にフランス代表のベルチエが欠席します。そのニュースをもらったフランス通信社では編集員のモロー(ジャン=ピエール・メルヴィル)に調査を依頼します。公報局でベルチエの秘書の住所を聞きそこを訪ねますが、彼の情婦に聞くように言われます。そこで情報屋のデルマスを訪ねると、ベルチエと一緒に写真に写っている3人の女性が浮上し、彼らは彼女らに会いに行きますが、彼らを尾行する車があります。舞台女優のネルソンは舞台の最中で話が満足に聞けず、歌手のバージニーもレコーディング中でした。デルマスのアイディアで外交官専門の娼婦に会いに行きますが、これも空振り。最後のバーレスクの踊子からも追い返され、彼らは小さな食堂で夜食を食べていると、ラジオのニュースでネルソンが舞台の幕間に自殺未遂をしたことを知り病院に駆けつけます。彼女は自分の部屋でベルチエが急死していたことをデルマスから無理矢理告白させられ、彼らは彼女の部屋に押し込み、ベルチエの死体をソファの上に発見します。デルマスはスキャンダルにするために死体をベッドの上に移動させて写真を撮りますが、モローは死体を元に戻し、上司に連絡します。駆けつけた上司は母国のスキャンダルを封じるためにデルマスに写真を出させますが、その後訪れたベルチエの家でベルマスは夫人と、彼らを尾行していたベルチエの娘の写真を撮って逃走し、モローは娘と一緒に追いかけます。酒場で酔いつぶれているベルチエを見つけたモローは彼を殴って去りますが、ベルチエは隠し持っていたフィルムを排水口に捨て高笑いして夜明けの鋪道を歩いていくのでした。
 台詞があるのはセットの室内だけで、屋外は風景のみという手法は、誰もが海外を舞台にした映画を撮ることのできることを示した素晴らしい例だと思いました。急に音楽が止まる手法は1年後に公開された「勝手にしやがれ」に直接の影響を及ぼしていることが分かります。夜のマンハッタンを白黒で捕えた画面は美しく、まさに「フィルム・ノワール」でした。まだ見ていない方は必見です。