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上野千鶴子『セクシィ・ギャルの大研究』

2009-10-14 15:36:00 | ノンジャンル
 朝日新聞に取り上げられていた、上野千鶴子さんの'82年作品「セクシィ・ギャルの大研究」を読みました。広告におけて女性が仕草や体を置く位置などによって発しているメッセージを読み解いた本です。
 読んでいて興味深かったことは、女が男より小さいのは、男が小さい女を望んだので小さい女が選択され、遺伝的に小さい女が残ったからだという説、ファッションの流れは一貫してインナーがアウターに、カジュアルがフォーマルに置き換わるという法則に従っているということ、山口百恵の歌は「あなたが欲しいなら、私ナニをさせてもいいわ」と聞き換えることができること、人間のようにかなりの厚みのある唇を持つ動物は他にいないということ、ヒトが直立歩行を始めて女性の性器が見えなくなったため、その代理として唇が発達したという説、思春期の女性が「箸がころげても笑う」というが、それは世間に出るに当たって、見なれない事態に怯えている精神状態を和らげるために行っているからだという説、女性が両手を体の前で交叉させる姿勢は自分を防御する姿勢であるということ、ルイ王朝時代のフランスの貴族女性はトップレスだったが、ブラジャーの登場で胸を隠すようになったこと、一夫一婦制は、どのオスにもメスが一匹ずつ行き渡るという、男にとって大変都合のいい制度であることなどです。
 動物行動学と記号論を駆使した考察は書かれてから20年以上たった今でも説得力があり、実際の写真を挙げながら柔らかい文体で書かれた文章は大変読みやすく面白いものでした。女性の仕草に興味のある方にはオススメです。