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勝目梓『小説家』

2011-01-02 07:23:00 | ノンジャンル
 ジャン=リュック・ゴダール監督の'92年作品『ゴダールの決別』を、スカパーの洋画★シネフィル・イマジカで再見しました。シモン(ジェラール・ドパルデュー)とラシェルのカップルの会話が大部分を占める映画で、いつものゴダール作品と同じく、あらすじを追える種類の映画ではありませんでしたが、一つのショットの中で露出を変えるところがあり、面白く見ました。

 さて、朝日新聞で紹介されていた、勝目梓さんの'06年作品『小説家』を読みました。著者が自分の半生を振り返る初の自伝的小説とのことです。
 まず、彼の幼い頃の光景として頭に浮かぶものとして、雪の光景と石の夢があることが述べられ、特に石の夢について詳細に語られます。次に幼い頃の匂いの思い出として、ガソリンの臭いと母の鏡台の抽き出しの中の匂い、そして後者の話から発展して、最初に恋した娼婦について語られます。そして次に、幼い頃の貧窮した生活、東京から引越した先の鹿児島での孤独な日々などについて語られます。
 と、ここまで読んで、先を読むことを断念しました。全413ページ中、69ページに至ったところです。理由はただ単純に私小説であるという点につきます。一人称こそ使っていないものの、自叙伝であることには変わりなく、読みやすい文体ながら、内容に退屈してしまいました。あいかわらず、私小説と時代小説はどうも生理的に受けつけないようです。ということで、読みやすい私小説をお探しの方にはオススメです。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto)