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エンツィオ・G・カステラーリ監督『地獄のバスターズ』

2011-01-03 06:41:00 | ノンジャンル
 エンツィオ・G・カステラーリ監督の'78年作品『地獄のバスターズ』をWOWOWで見ました。
 「フランス 1944年」の字幕。戦闘機でロンドンの恋人に3回会いに行ったことで選ばれたイェカー中尉は、銃殺されてもおかしくない9人とともに、トラックに積み込まれ運ばれます。トラックがパンクしたところを敵機に襲われ、逃げようとする10人に対し、運んでいたMPは容赦なくマシンガンの弾を浴びせかけますが、イェカーらは逆にMPを倒します。そんな中、生き残った5人はイェカーをリーダーにスイスを目指して出発します。途中ドイツの脱走兵アドルフを捕まえた彼らは、彼を道案内にして国境を目指しますが、あまりのドイツ兵の多さにそこを通過することをあきらめ、自分たちを捕虜に仕立て上げますが、SSに見破られ万事休します。そこへ味方の空軍が爆撃してくれ、全滅したドイツ軍から彼らは車と武器を得、ドイツ軍の制服を身につけ、再び進み始めます。やがてアドルフは裏切り、彼らに殺され、その後、彼らはパルメザンに出会い、パルメザンは、イェカーらが途中で殺したドイツの軍服を来た連合軍のスパイがイェカーらなのだと勘違いし、イェカーらもそのふりをします。彼らは落下傘でやって来たバックナー大佐の指揮下に入り、大佐とイェカーの仲間が捕虜のふりをして、ドイツ軍の制服を来たイェカーらはドイツ軍の本部に乗り込み、叩き潰します。そして次にV2ロケットに付けられる計測器を、それを乗せた列車ごと奪う計画を実行し、大佐は計測器を奪取することに成功しますが、思わぬハプニングが起き、イェカーらは銃弾に倒れ、彼の乗った列車はドイツ軍の待ち受ける駅に突っ込み、ドイツ軍ごと大爆発を起こします。そしてパルメザンのメンバーで身寄りのない娘ニコルと、イェカーの仲間で唯一生き残った現役ギャングのトニーは、二人の未来に向かって歩き去るのでした。
 イタリア人スタッフ・キャストによって作られながらも、本編中では英語が話されている映画で、マカロニ・ウエスタンの戦争映画版といった趣きの映画でした。画面はオーソドックスながら、手持ちカメラを多様し、最後の銃撃戦でのドイツ兵大虐殺シーンでは、スローモーションの使い方が、もろペキンパーの『ワイルドバンチ』でした。一方で市街戦の撮り方などはテレビシリーズの『コンバット』を想起させ、その辺が原題『イングロリアス・バスターズ』であるこの映画がタランティーノの琴線に触れたのでしょう。イェサーの仲間には、グルーチョ・マルクスそっくりのヒゲをたくわえ、何でも自分のコレクションにしていくコメディリリーフのニックや、軍曹殺しの前歴のある黒人兵キャンフィールド、黒人差別主義者のトニーなど、癖のある役を用意し、次々に起こる面白いエピソードも安心して楽しめるなど、娯楽映画の王道を行く映画でした。(逆にせっぱつまったシーンというのは皆無でしたが‥‥。)気軽に見られる映画をお探しの方にはオススメです。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto)