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増村保造監督『好色一代男』

2013-11-01 08:00:00 | ノンジャンル
 増村保造監督の'61年作品『好色一代男』をスカパーの日本映画専門チャンネルで見ました。
 京都の但馬屋(中村雁治郎)は倹約を第一に考えていましたが、息子の与ノ助(市川雷蔵)は女遊びに余念がありません。酒飲みの侍・紅梅は仲間と飲みに出ますが、ケンカとなり、仲間に切り殺されてしまいます。馴染みの女郎(水谷良重)からは見受けを迫られ、言われるがままに血判を押そうとしていた与ノ助は、紅梅の妻と弟に敵討ちで追われていると言う侍が逃げ込んできたのを幸いに、彼の刀で指を切ります。家に帰ると父から金持ちの春日屋の娘との縁談を強いられ、その娘と会って、娘が番頭と結婚の約束をしていると聞くと、その娘のために縁談をわざと壊します。紅梅の夫人が後家になったことを知った与ノ助は、早速口説くと、夫人は裏口から夜に忍んで来るように言います。言うがままに忍んでいった与ノ助は、後ろから夫人に棍棒で頭を殴られます。大怪我をして家に担ぎこまれた与ノ助の許へ、お茶屋からの多額な勘定も一緒に届き、父は与ノ助を勘当し、江戸で丁稚から修行し直すように言います。
 与ノ助は父に付けられたお供を眠り薬で眠らせ、旅の費用を奪い、仲間と江戸に向かいます。渡し船の待ち合いで女郎と寝て、50人目の女の髪をもらう与ノ助。金を使い果たし江戸に着くと、女郎の高尾に会いたいが金がなくて店を追い出されるリサ(船越英二)と出会い、彼のために丁稚に行くことになっていた店に行って、使い込みを黙っていてやると言って脅し、金を巻き上げ、リサのために高尾を見受けしてやります。そこへ知らせを聞いた父がやって来て、再び勘当し、頭を丸めろと命じます。
 仙台の寺で修行していた与ノ助でしたが、女好きが高じてすぐ辞めてしまいます。尼僧がいる寺を見つけ、与ノ助が口説くと、尼僧は金は?と言い出し、こういう格好をしていると珍しがって寄ってくる男がいるのだと言います。やがて漁師の村に着くと、赤ん坊を海に流した女を役人が検分していて、乳が張っている女を牢に入れ、網元はその夫を半殺しにさせます。女を乱暴に扱うことに憤慨する与ノ助。そこにいた京都の武士は侍を捨て妊娠した女と一緒にいましたが、そこへ紅梅の弟と妻が現れ、卑怯と言われると、捨てたと言っていた侍の血が戻り、立ち会いに応じて殺されてしまいます。傷を負った紅梅の妻は破傷風で熱が出ると、与ノ助に抱いてと言い、家の恥だと言う弟に斬り殺されます。網元に反抗的な与ノ助は柱に縛り付けられますが、網元の妾のお町(中村玉緒)を可哀想に思い、一緒に逃げようと言って駆け落ちします。やがて関所で捕えられた二人でしたが、将軍に世継ぎができたことで牢から出ることになります。食べるものがなくなり、食べ物を探しに出た与ノ助が帰ると、お町は何人かの男たちに誘拐された後でした。お町を探す与ノ助は、探した先でお町が首をくくったことを知ります。夜、死んだ女の墓を暴く男たち。与ノ助が尋ねると、女郎が情の印として客に渡す髪の毛のために女の死体から髪を盗むのだと答えられ、与ノ助は怒って男たちを追い返します。そして、その墓はお町の墓でした。一生懸命に話しかける与ノ助に一瞬笑いかけるように見えるお町。
 九州に流れた与ノ助は女郎の用心棒をしていましたが、町の大尽が京都へ行くと言うので、母に会うために道案内をすることにします。馴染みだった女郎は、血判など座興だったと言って笑います。春日屋は大名に借金を返すように言ったことで、番頭の芳蔵とともにさらし首になっていました。春日屋の娘は発狂してしまっています。実家に帰ると、父が危篤になっていて、遺言として、葬式に金を使うな、侍には逆らうなと言いますが、与ノ助がどれも飲めないと言うと、父はそのまま死んでしまい、母も同時に死んでしまいます。与ノ助は京都中の女郎のために金をどんどん使い、貴意の高い女郎・夕霧(若尾文子)の言う通り、彼女を天秤に乗せ、彼女が浮くだけの小判を使い、彼女を買います。私はすぐに年を取って美しくなくなると言う夕霧を慰める与ノ助。お上は与ノ助に上納金を納めるように言いますが、与ノ助はもう蔵は空だと言って断ります。そして与ノ助にはさらし首が命じられますが、与ノ助は夕霧を連れて逃げます。途中で隠れているところを侍に刺され、殺される夕霧。与ノ助は“好色丸”と書いた帆を上げ、“女が島”を目指して日本を離れるのでした。

 市川雷蔵の見事な演技と若尾文子の存在感、それに適格な“ショット”が印象的な映画でした。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto