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アミール・ナデリ監督『CUT』

2014-11-18 18:35:00 | ノンジャンル
 今日の夕刊の一面に高倉健さんの訃報が報じられていました。私にとって高倉さんは、石井輝男監督作品のやんちゃな無国籍的ギャング、そして何といっても、マキノ雅弘監督の『日本侠客伝』シリーズ、『昭和残侠伝』シリーズのいなせな、そして迫力のある侠客として忘れられない存在です。改めてご冥福をお祈り申し上げます。

 さて、山根貞男さんが褒めていた『駆ける少年』を監督したアミール・ナデリが監督・共同原案・脚本・編集・録音を担当した’11年作品『CUT』をWOWOWシネマで見ました。
 映画の自主上映を行い、路上ではメガホンで、シネコンで上映されている映画の批判をし、かつての映画は娯楽と同時に芸術だったと主張する青年シュウジ(西島秀俊)。借金の取り立て屋だった兄が殺され、その兄が残した借金1254万を返すように命じられ、リングに隣接するバーで働く男(笹野高史)と女(常磐貴子)に仲介してもらい、兄が殺されたトイレで、男たちに自分を殴らせることで金を稼ぐ様子を描いた物語で、借金を返す最終日に百発殴られる際、百本の映画の名前と監督と製作年がクレジットされていき、その中には、順不同で、フレデリック・ワイズマン、ロマン・ポランスキー、ヴィクトル・シューストレム、ジョン・ヒューストン、ルキノ・ヴィスコンティ、マイケル・パウエル、小林正樹、北野武、フランシス・フォード・コッポラ、清水宏、チャールズ・ロートン、ジム・ジャームッシュ、ヴィクトル・エリセ、デヴィッド・リンチ、マルセル・カルネ、フランチェスコ・ロージ、アキ・カウリスマキ、ヴィム・ヴェンダース、フェデリコ・フェリーニ、ロバート・アルトマン、ジャン=リュック・ゴダール、ヴェルナー・ヘルツォーク、グラウベル・ローシャ、ジャック・リヴェット、アルフレッド・ヒッチコック、ジガ・ヴェルドフ、サミュエル・フラー、ミロス・フォアマン、寺島修司、大島渚、成瀬巳喜男、R・W・ファスビンダー、オタール・イオセリアーニ、ピエール・パオロ・パゾリーニ、今村昌平、ヴィットリオ・デ・シーカ、ニコラス・レイ、新藤兼人、ジョン・カサヴェテス、ミケランジェロ・アントニオーニ、スタンリー・キューブリック、勅使河原宏、アッバス・キアロスタミ、ビリー・ワイルダー、エルマンノ・オルミ、相米慎二、ジャン=ピエール・メルヴィル、ケン・ローチ、フランソワ・トリュフォー、マーティン・スコセッシ、黒澤明、フリッツ・ラング、イングマール・ベルイマン、ジャン・ルノワール、ルイズ・ブニュエル、キャロル・リード、エドガー・ウルマー、ジャック・タチ、D・W・グリフィス、エリッヒ・フォン・シュトロハイム、ロベルト・ロッセリーニ、小津安二郎、ロバート・フラハティ、アンドレイ・タルコフスキー、チャールズ・チャップリン、ロベール・ブレッソン、バスター・キートンらの映画が見られ、最後の10本となると、映画の1シーンも静止画で示されていき、スタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』、。小津安二郎の『晩春』、ジョン・フォードの『捜索者』、F・W・ムルナウの『サンライズ』、黒澤明の『蜘蛛巣城』、ジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』、ジャン・ヴィゴの『アタラント号』、溝口健二の『雨月物語』、フェデリコ・フェリーニの『8 1/2』,
そして最後の1本としてオーソン・ウェルズの『市民ケーン』の冒頭のシーンの最後が流され、ここはかなり感動的でした。シュウジはボロボロになりながら、期限内に借金を返すことができますが、返した相手に、これから一緒に働かないかと誘われると、新たに3500万の借金をしたいと言い出し、彼が映画の「スタート」と言う声とともに映画は終わります。ほとんどのシーンが主人公が殴られるシーンという、変わった映画でした。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/