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加藤泰監督『緋牡丹博徒・お命戴きます』&是枝裕和監督『そして父になる』&工藤栄一監督『大殺陣』他

2014-11-24 17:56:00 | ノンジャンル
 加藤泰監督・共同脚本の’71年作品『緋牡丹博徒・お命戴きます』をスカパーの東映チャンネルで見ました。あらぬ嫌疑でいかさまとされ、殺されそうになっていた博徒・こぶ安(汐路章)を助け、その後も兵器に使う鉛の鉱毒に苦しむ農民たちを助ける女博徒・矢野竜子を藤純子、農民の側に立って、精錬所と交渉し、結局、精錬所と結託する組長・富岡(河津清三郎)に殺されてしまう組長・結城を鶴田浩二、その代貸ながら、富岡と内通し、結城が殺された後、組を継ごうとするも、最後には藤純子に促されて、富岡の悪事を暴き、富岡の子分に殺される小山貞治(さだじ)を名和広、悪事がばれそうになり、最後には富岡に殺されてしまう、精錬所の所長・大村を内田朝雄、河津清三郎と内田朝雄と結託する陸軍監督官・畑中を大木実、藤純子の直訴を受け入れる陸軍大臣を石山健二郎、その口利きをする、藤純子と旧知の仲の男・熊虎を若山富三郎、藤純子の後ろ楯になる親分・大前田を嵐寛寿郎、農民の常五郎を待田京介、その姉を沢淑子が演じ、極端な縦の構図、極端なローポジション、そしてワンシーンワンカットのシーンも2つ見ることができました。
 また、是枝裕和監督・脚本・編集の’13年作品『そして父になる』もWOWOWプライムで見ました。一流企業で働く佐伯雄大(福山雅治)は、妻と6歳の息子との3人暮らしで、息子も私立の小学校に合格しますが、ある日、その子を妻が出産した病院から連絡があり、出産直後に他の子と取り違えたことを知らされます。病院を仲介として会った相手の親子は、父が電気屋を営み、母は弁当屋でバイトをする、3人の子供を抱えた家族でした。何回か家族ぐるみで会ううちに、週末だけ子供をお互いに預け、やがて完全に子供を交換することにしますが、がさつな家庭で育った実の子は佐伯になじまず、やがて家出をして、電気屋に帰ってしまいます。佐伯も育ての子への会いたさに、電気屋を訪ね、結局育ての子をお互いに育てることになるという物語で、佐伯の妻の母を樹木希林、佐伯の父を夏八木勲、その妻を風吹ジュンが演じ、ゴールドベルク変奏曲が何度か使われていました。
 また、工藤栄一監督の’64年作品『大殺陣』もスカパーの東映チャンネルで見ました。徳川4代将軍家綱の時代、百姓一揆が頻発するなか、大老の坂井(大友柳太朗)と大目付の北条(大木実)の政治を正すため、若年寄を立てて反乱を起こす山形(安部徹)を中心とする侍集団、すなわち、神保(里見浩太郎)他、河原崎長一郎、砂塚秀夫、稲葉義男、加賀邦男、山本麟一らが演ずる侍が、大老の後ろ楯となっている甲府宰相を暗殺する物語で、徹底した縦の構図、ラストの殺陣の泥まみれのすさまじさ、そしてやはりラストの殺陣の手持ちカメラが印象的な映画でした。
 また、マルコ・ベロッキオ監督・原案・共同脚本の’12年作品『眠れる美女』もWOWOWシネマで見ました。“2008年11月13日、17年間植物状態だったエルアーナ・エングラーロの延命治療を停止する許可が司法機関から下りた。一方で政府は、治療を続行させるべく、法案の強行採決を画策していた。尊厳死をめぐる賛否の激しい対立の最中に、3つの物語が展開される”との字幕から始まり、尊厳死に反対する党の方針に同意できず、妻の求めに応じて妻の延命治療を停止する国会議員と、過激に尊厳死に賛成する弟を持つ男性と恋に落ちる、教会とともに尊厳死に反対する運動をする、国会議員の娘、有能な女優の母(イザベル・ユペール)が看護に専念しなければならないため、植物状態の妹の死を願う兄、薬を盗みに病院に侵入して捕えられた自殺志願の女性と、その女性に自殺を思いとどまらせようとする医師たちの話が1週間にわたって描かれ、陰影に富んだ画面と、強い口調で物を言う多くの男女が印象的でした。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/