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西加奈子の文(『本棚2』に収録)

2014-11-29 15:38:00 | ノンジャンル
 三池祟史監督の’02年作品『DEAD OR ALIVE FINAL』をスカパーの東映チャンネルで見ました。西暦2346年の横浜。住民がほとんど中国人になっている中、真実の愛は同性愛だと信じる市長は、人口抑制のため薬の服用を住民に強制し、妊娠を禁止します。それに抵抗するグループは市長のだまし討ちに会い皆殺しにされ、少年と若い女性、そして戦闘用レプリカントのリョウ(哀川翔)だけが生き残ります。例外的に家庭を持たせてもらうことで、市長の下で働いていた男(竹内力)も、自分がレプリカントであることを知らされ、家族を捨て、リョウと戦いますが、リョウもその男ももともと一体型のレプリカントとして開発されたロボットなのでした。一体化した2人が市長に復讐に向かうところで、映画は終わります。イメージショットが多く、黄色を基調とした画面が特徴的でした。

 さて、’08年9月に刊行された『本棚2』に収録されている、「西加奈子」の部分を読みました。
 内容を要約すると、「子供の頃はカイロにいて、仲良しの友達が『シートン動物記』を読むって言うから、私はファーブル、みたいにのっかって、『ファーブル昆虫記』を読みまし たが、でもすっごい面白かった。昆虫記というよりも、ファーブル自体が面白くて、二週間蟻塚を見続けたとか、フンコロガシの跡をつけるとか、このおっさんなんやろ、っていう興味を持ったのを覚えています。
 高校生になって自分で最初に買った本がトニ・モリソンの『青い眼がほしい』。すごい衝撃を受けました。美醜感覚の話で、すごい残酷なんだけど、すごく言葉が美しいんです。それからトニ・モリソンを一気に読み始めました。そこからモリソンと同じ棚にある英米文学のオースターやアーヴィング、ミルハウザーを読むようになりました。
 プロレスの本は小学校のとき、いとこがプロレス好きで、高校のときまでは隠していたんですけど、大学になってカミングアウトしたらけっこう周りの友達も好きな人多くて。一応プロレスの棚はこれ以上増やさないという戒めがあります。
 読むものは、全然文学少女ではなかったので、逆に先入観なく『いいよ』って勧められたらなんでも読むので、あまり偏ってないですね。ミラン・クンデラも友達に勧められたときに何が面白いか教えてって聞いたら『自分のこと書かれている気がする』って。読んだらすごくて、身につまされるってこういうことやなって。
 新しい漫画も買いたいけど、本みたいに一冊で終わらないでしょ。本棚のスペースが限られてくるから、ほんまに面白いやつか、あと漫画の場合は新しいのよりは自分が読んで大好きなものを全巻揃えたいっていう感じですね。リアルタイムで買ってるのは『団地ともお』『闇金ウシジマくん』『へうげもの』と東陽片岡くらいかな。あと、最近『キン肉マン』をまた全巻揃えました。大人買いは嬉しいです。
 今のところは本棚自体は増やさないつもり。本が増えたらもっと頑張って広いところに引っ越すかな。本は捨てたくないし、読む本がいっぱいあるのに、どんどん買っちゃうのが罰当たりな気がして。
 大事な本は『壇流クッキング』。去年一番読んだ本です。これが、ずっと初版が欲しくて、文庫はちょっとオシャレになってるでしょ。ミルハウザーも、白水社で新しい表紙になってるんですよ。これは昔ので、こっちのほうがよくて、古本屋で買いました。手触りがいいんです。レコードと一緒でジャケ買いも多いし。あと、古森和子の『流れるままに、愛』。これは友達に勧められてもらったんですけど、こんな人やったんやって、素晴らしいですよ。妖精です。美しすぎて、憧れの女性です。
 本そのものの佇まいが好きですね。本棚に並んでる感じとか手触りとか、だから絶対なくならないと思うんですよ。携帯とか電子なんたらで小説読むのとかありますけど、ページをめくることで残ると思うんです。それは大切なことですね。」
 本への愛にあふれた文章でした。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/