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加藤泰監督『宮本武蔵』その2

2017-02-15 07:20:00 | ノンジャンル
 昨日、WOWOWライブで放映されたグラミー賞の授賞式を見ました。リベラリストの総決起集会といった感じで、それだけでも素晴らしかったし、ニール・ダイヤモンドを中心に会場中で『スウィート・キャロライン』を合唱したのも涙ものだったし、CDを出さず、無料のストリーム配信だけという形で最優秀新人賞と最優秀ラップアルバムをチャンス・ザ・ラッパーが受賞した場面の盛り上がり方も尋常じゃなかったのですが、実際に演奏される音楽はバラード、ヒップホップ、カントリー、それに少しのブルースとヘビメタといった感じで、私が好きなメロディアスでポップな曲は1曲もありませんでした。あえて言えば、結成40周年ということで行われたビージーズへのトリビュート・コーナーと、昨年一年に亡くなった人を追悼するコーナーでデビー・レイノルズ、レオン・ラッセル、モハメド・アリ(ってボクサーじゃなくて歌手だったんですか? あえて兵役拒否をした勇気ある人として掲揚しただけかもしれないのですが……)の名前が呼ばれたことが私的には価値あるものだったのかもしれません。

 さて、昨日の続きです。
 待ち伏せをする吉岡道場の門弟たち。武蔵が現れると、店主「先ほどから何回も吉岡様の方々がいらっしゃってます。それから一人酒癖の悪い方が」。「おお、武やん」「おお、又やん」「俺たちは竹馬の友じゃけん。今は後家の慰み者だ」「村を出た時の気概で、もう一度やり直せ」「ここに何のために来たと思う? お前を殺すためじゃ。手ぶらでは帰れない」「お通は?」「武やん、お通を返してくれ。あの純な胸に。お前、裏切ったな?」「わしゃ、お通の居所は知らん」「お前の後を追って京にいる。武やん、やっぱお前、お通に惚れとる。顔が赤うなった。明日は果し合い。わしがついてるけえ、骨ぐらいは拾ったる」。
 朱美、清十郎に襲われる。「体はあたしのもの」。抵抗するが、殴られる。両親「ンフフフフ。これでどうやら成仏しそう」。帰ってきた又八「この妖婦め。畜生。ババア」と朱美を助けに行こうとする。朱美の着物をはぎ取る清十郎。又八、朱美の両親に追い出される。犯される朱美。泣く又八。
 ろうそくの灯り。ことが終わり、死んだように横たわる朱美。「許せ。それほどお前に惚れていた。男は大抵こうしたものだ。いずれ分かる」「嫌い。けだもの。たけぞうに殺されてしまえ」「たけぞう?」。
 川で体を清める朱美。「風邪をひくぞ」と止める又八。泣く朱美。「いっそ死んでしまいたい」「あのお甲が鬼なんだ。大阪に逃げよう。汚く稼いで面白おかしく暮らそう」「どこでもついて行く」。抱き合う2人。「俺が出世したら、おふくろだって許してくれるだろう」。
 決戦の場。清十郎、待っている。「試合が始まりました」と野次馬。清十郎、武蔵に肩を打たれて倒れる。立ち去る武蔵。道で立ちふさがる小次郎(田宮二郎)。武蔵「吉岡道場の者か?」。首を振る小次郎。2人すれ違う。
 清十郎「痛い! 右の肩から腋にかけて。片腕を切り落とせ」「肩の骨がぐじゃぐじゃになってる」。そこへ小次郎、現れる。「岩国の住人、佐々木小次郎だ。戸板で帰ったら世間の物笑いだぞ。歩いたらどうだ?」「分かった。おい、腕の付け根から斬れ」たじろぐ門弟に小次郎「私で良ければ」「頼もう」「このままでは肩の血が頭に回ってしまう」。腕の付け根を縛り、片腕を斬り落とす。清十郎、立ち上がり、門弟たちに「放せ」と言い、一人で歩いて行こうとするが、途中で倒れてしまう。
 馬を駆る伝七郎(佐藤充)。
 壬生源左衛門(石山健二郎)に、床についている清十郎「私が思い上がっていたのです。亡き父の名声を自分のことであるかのごとく。家名に傷がつく。なぜ死ななかったんでしょう?」「舎弟様が」。伝七郎、現れる。「どうした、兄上」清十郎「お前もそろそろ屋敷に落ち着き、吉岡の家名を継いでくれ」「汚名は晴らす。居所は?」「思い違いをするな。お前では勝てん」「馬鹿をおっしゃい」「お前までやられたら道場が亡きものとなる」「兄上は線が細い」源左衛門「頼むぞ、伝七郎」。
 伝七郎「今日からこの道場は俺のものだ。ただちに果たし状を届けろ。決闘の場を跡目披露とする。そしてこの道場に軟弱な空気を入れた祇園藤次は破門とする」「そんな」「出ていかぬと斬り殺す」。
 雪の夜。「武蔵が来た!」「一対一の勝負だ。敵をあなどるな。皆下がれ」。武蔵、現れる。「遅いぞ」「木太刀か、真剣か?」「真剣勝負じゃ」。伝七郎、斬り殺される。
 立札をみる町人「三度目の果し合いだってよ。あさっての朝。一条寺のふもとの下り松。名目人は壬生伝次郎。清十郎の叔父、源左衛門のせがれだ。当年とって十三歳。まだ年端もゆかぬ子供ゆえ、門弟たちが助太刀だ。よってたかって」「始めからそうすればよかったんだ」。(また明日へ続きます……