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加藤泰監督『宮本武蔵』その3

2017-02-16 04:35:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 「若先生のお帰りだ」「一介の浪人が。どこに?」「もうおりませぬ」「探し出せ」「伝七郎様にも伝えた方が」「道場主は俺だ。伝七郎になど伝えなくてよい!」。
 決闘を告げる立札。「武蔵さん」とお通。又八、お通を見つける。「お通さん、変わらんのう。おい、怒っとんのか?」「もう忘れてしまったけん」「頼む、またより戻してくれ」「うちが探してるのはあんたじゃない」お杉「お通、覚悟!」と刀を振り回す。逃げ出すお通。「又八、お前も何で斬らんのだ? 武蔵はお通と駆け落ちしたんだ。2人の首を取らにゃ村には帰れん」「武蔵の野郎」と又八。(中略)
 草鞋を履く武蔵。「大層世話になった」「気をつけて」。「武蔵、覚悟!」「おばばか?」「無念じゃ。せがれの仇なのに。わしを殺せ」「又八はどこ?」「勘当した」。つばを吐かれた武蔵は、それがつばでなく針であることを知る。去る武蔵。
 笛の音。「お通さん」「武蔵さん」「国へは帰ってなかったのか?」「武蔵さんの噂を聞いて、~様のお世話になって、どんなに会いたかったか」「許してくれたか」「ううん。一条寺の下り松へ行くんでしょ? 武蔵さんが死んだら、私も生きておらん」「そんなバカな。お通さん、本当のことを言う。そなたが好きだ。一日とも忘れたことはなかった」「死なないで」「行かにゃならん」「今日の名目人は十三歳でしょ?」「でも後へは引けん」「村に帰りましょう」「今帰れば真実勝ったことにならない。剣に生きようと心に決めた男なんだ。恨んでくれ。さらばだ。お通さん、会えて良かった」。武蔵、去る。涙をつたわせるお通。「でもあんたが死んだら私も死ぬ。それは私が決める」。
 「集まったのは六十名ばかり」「まあ少ないがいいだろう。源次郎、心配するな。下り松の下を動くでないぞ。お前たち、鉄砲や弓矢のような飛び道具は卑怯千万。止めなさい」。
 水で体を清める武蔵。あえて願はかけない。
 「遅いな。武蔵」「あっ」。竹林から現れた武蔵は源次郎の首をはねると、すぐにまた竹林に逃げる。追う門弟たち。延々と逃げながら、敵を斬る武蔵。
 音楽。逃げ延びた武蔵。
 “休憩”の字幕。
 “奈良”“宝蔵院流に挑む”の字幕。相手は槍。相手が動き出した瞬間に隙を狙い、打ち勝つ武蔵。
 “秩父 宍戸梅軒と対決”の字幕。梅軒(戸浦六宏)の鎖鎌に雨の中で勝つ武蔵。
 “江戸 柳生流に挑戦”の字幕。(中略)
 「なぜ対戦していただけないんです? 格が違うということですか?」「天下を治める剣です。殺生剣とは違います。将軍家のため、国のため、人のため、死ぬことを心得るのです」。
 「死ぬるための剣? 誰のために?」。
 研ぎ屋(汐路章)で武蔵「刀研ぎを頼む」「拝見しましょう。この刀をどう研げと?」「切れるように」「できません。
よそで頼んで下さい。表の看板をご覧ください。侍の魂はお研ぎしますが、これだけ刃こぼれした人を殺すだけの刀は……。刀は世を鎮めるためのものです。この刀をご覧ください。いかがです?」「斬れる。殺気に満ちている。だが刀こぼれが一切ない。これほどの大きな刀をどうやって?」「肩に背負っているそうです。岩間の佐々木小次郎という方のものです」。
 御前試合。小次郎、相手(沼田曜一)に勝つ。岩間(加藤武)は上機嫌。「長岡が宮本武蔵を推してる」小次郎「武蔵が細川家の仕官など。武蔵などと比べられるものとは」「お光、~」お光(仁科明子)、現れる。小次郎「考え直しましょう」。(中略)
岩間「そちは武蔵をどう見る?」小次郎「武芸者としては一目置かねばなりませんが、人物としては何ほどでもない。頭はいいです」「三人も売名に必要だったのか。武蔵の剣は?」「名人です。世渡りの名人です。驚く奇策を弄します」。武蔵、現れ、「拝顔できて光栄です」岩間「今、そちの噂をしとったところだ。逃げの達人だと」「世評は様々です」「細川家の士官については?」小次郎「天下一の死に場所です」。武蔵、答えず。岩間「天下一が二人じゃ困る」武蔵「実は仕官を望んでいません」岩間「どっちにしてもいつか日時制限して対決してもらおう」武蔵「いずれ」小次郎「立ち合いに時節はあるのか? お主は勝てる相手しか相手にしていない」「やる気ならいつでも」。
又八とお通がいるところへお杉、お通に「頼むから討たせてくれ」。
 “大津 祟徳寺”の字幕。武蔵「沢庵様にお取次ぎ願いたい」又八「一体どうしてここへ?」「沢庵様は?」「江戸に。俺は朱美と大阪で所帯を持ち、スイカ売りなどしていたが、やがて酒びたりになり、朱美に愛想をつかされ、悪い仕事に手を出し、沢庵様に助けられた罪深い男さ」と泣く。「泣くな。ここで心のやすらぎを得れば」「禅寺の修行は厳しい」「くじけるな。わしも苦しみ抜いて」。沢庵、現れ、「とうとう来たか。鼻たれ坊主」。(また明日へ続きます……)