今朝の朝日新聞に、大森一樹さんが書かれた鈴木清順監督の追悼文を掲載されていました。清順監督が日活を解雇され、それに抗議したファンや映画関係者が「鈴木清順問題共闘会議」を発足させたのが、1968年。1968年といえば、フランスで五月革命が起こった年です。この偶然の一致にちょっと驚きました。
大森さんは清順監督と縁があり、多大な影響を受けたと書いていますが、同じく朝日新聞の編集委員の石飛徳樹さんが書いた追悼文でも、映画の作風がクエンティン・タランティーノやジム・ジャームッシュ、先日のアカデミー賞でも名前が挙がっていた『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼルら世界の天才監督(?)に影響を与えたと書かれていて、改めて清順監督のプログラム・ピクチャー時代の作品を見てみたいと思うと同時に、まったく興味のなかった『ラ・ラ・ランド』も見てみようかな、と思い始めているところです。
さて、神奈川県厚木市・愛川町に新聞とともに配られているフリーペーパー「市民かわら版」の出版者である山本耀暉さんが、「風見鶏」というコラムでポピュリズムについて書いてらっしゃいました。全文を引用させていただくと、
「英国のEU離脱、反イスラムなど排外主義の広がり、トランプ大統領の誕生など世界で猛威を振るうポピュリズム。日本でも橋本徹の大阪維新を皮切りに、民族主義や排外主義を掲げる勢力の台頭、最近では小池百合子の都民ファーストなど新たな政治勢力の出現も見られる。
ポピュリズムは『大衆迎合主義』と訳される、民主主義の脅威だといわれる一方で、エリート支配や格差是正、既得権益を崩す原動力であったり、政治の透明化を促す効果も期待されている。こうした人達はテレビやインターネットを通じて視聴者に訴え共感を呼ぶことで支持を集める手法にたけている。
千葉大の水島治郎教授は『ポピュリズムはディナーパーティーの泥酔客のような存在だ』という(『ポピュリズムとは何か』中公新書)。民主主義という品のよいパーティーにポピュリズムという泥酔客が出現した。泥酔客は誰からも歓迎されないが、タブーに踏み込み、欺瞞をたくみに暴いていく。パーティー客は困った表情を浮かべつつ、内心ではその声に密かにうなずいている人が多いというのである。
ポピュリズムはカリスマ的リーダーを生み、いまや泥酔客というお騒がせから、リベラルで持続性を持った存在感を示している。ポピュリズムは衆愚政治に陥る危険がある反面、既成の政治を活性化し改革させる効果もあるのだ。この厄介な珍客、泥酔客をどう遇すべきか。水島教授は世界中で「民主主義の真価が問われている」と指摘する。」
言い得て妙とはこのことだと思いました。衆愚政治からリベラルで持続性を持った政治へ。そんな夢のような世界が、私たちを待っているのかもしれません。単に受動的になるのではなく、能動的に「民主主義の真価」の実現に貢献していきたい、そんな気持ちで一杯です。
大森さんは清順監督と縁があり、多大な影響を受けたと書いていますが、同じく朝日新聞の編集委員の石飛徳樹さんが書いた追悼文でも、映画の作風がクエンティン・タランティーノやジム・ジャームッシュ、先日のアカデミー賞でも名前が挙がっていた『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼルら世界の天才監督(?)に影響を与えたと書かれていて、改めて清順監督のプログラム・ピクチャー時代の作品を見てみたいと思うと同時に、まったく興味のなかった『ラ・ラ・ランド』も見てみようかな、と思い始めているところです。
さて、神奈川県厚木市・愛川町に新聞とともに配られているフリーペーパー「市民かわら版」の出版者である山本耀暉さんが、「風見鶏」というコラムでポピュリズムについて書いてらっしゃいました。全文を引用させていただくと、
「英国のEU離脱、反イスラムなど排外主義の広がり、トランプ大統領の誕生など世界で猛威を振るうポピュリズム。日本でも橋本徹の大阪維新を皮切りに、民族主義や排外主義を掲げる勢力の台頭、最近では小池百合子の都民ファーストなど新たな政治勢力の出現も見られる。
ポピュリズムは『大衆迎合主義』と訳される、民主主義の脅威だといわれる一方で、エリート支配や格差是正、既得権益を崩す原動力であったり、政治の透明化を促す効果も期待されている。こうした人達はテレビやインターネットを通じて視聴者に訴え共感を呼ぶことで支持を集める手法にたけている。
千葉大の水島治郎教授は『ポピュリズムはディナーパーティーの泥酔客のような存在だ』という(『ポピュリズムとは何か』中公新書)。民主主義という品のよいパーティーにポピュリズムという泥酔客が出現した。泥酔客は誰からも歓迎されないが、タブーに踏み込み、欺瞞をたくみに暴いていく。パーティー客は困った表情を浮かべつつ、内心ではその声に密かにうなずいている人が多いというのである。
ポピュリズムはカリスマ的リーダーを生み、いまや泥酔客というお騒がせから、リベラルで持続性を持った存在感を示している。ポピュリズムは衆愚政治に陥る危険がある反面、既成の政治を活性化し改革させる効果もあるのだ。この厄介な珍客、泥酔客をどう遇すべきか。水島教授は世界中で「民主主義の真価が問われている」と指摘する。」
言い得て妙とはこのことだと思いました。衆愚政治からリベラルで持続性を持った政治へ。そんな夢のような世界が、私たちを待っているのかもしれません。単に受動的になるのではなく、能動的に「民主主義の真価」の実現に貢献していきたい、そんな気持ちで一杯です。