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増村保造監督『妻二人』その2

2021-08-05 06:41:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。

 苦しんだ健三は犯行時間に順子といっしょにいたことを警察に話すことにする。道子にはあらかじめ、そのことを話す。嘘が嫌いな道子にふさわしい男であるためと説明する健三だった。
 だが、警察ではかつて順子と恋仲だった健三の証言は信用できないと言う。そして住み込み女中は社長に買収され、あの夜順子を見たことを否定する。それでも健三が利恵のアリバイを否定したことを知った永井は健三をクビにする。
 順子のために健三は真犯人を見つけようとする。利恵から井上の妻が社長の愛人であったことをきき、道子から障害児救済基金の経理が問題ありであることを教わった健三は井上夫妻のアパートへ行く。だが、そこでわかったのは犯行時間には社長と井上夫人の情事を井上が見ていたということだった。
 帰宅した健三に問いただされ、道子はあの日大阪から飛行機で東京にとんぼ返りして小林と会い、小林を殺して深夜の飛行機でまた大阪に行ったことを告白する。「清く明るく美しく」という会社の標語を裏切ってしまった道子は、窓から飛び降りて死のうとするが、健三は彼女を止める。道子は健三にともなわれて警察に自首し順子は解放される。
 健三と順子は警察署の階段で言葉を交わす。自分を愛してくれていて嬉しいと言う順子に、自分は道子と生きていかなければならないと答え、「一生一度の恋の終りだな」と言う健三。警察署を毅然と去って行く順子の背中を見てから健三は階段を再び上っていくのだった。

 若尾文子と岡田茉莉子の二人の女優の存在感が印象的な映画でした。