山田詠美さん推奨のオリヴィア・ゴールドスミス「ザ・ベストセラー」を読みました。文庫本で上下巻、900ページに及ぶ大作です。
ある大手出版社が舞台で、五冊の新作がどのように書かれ、どのように出版されていくかが、描かれて行きます。何としても起死回生のヒット作を飛ばしたい落ち目のロマンス美女作家、孤独を紛らわせるためイタリアでガイドのバイトをしながら初めての小説を書いた若いイギリス女性、人生を文学に捧げ、書いた処女作を26社の出版社から突き返され、絶望して自殺した女性、アイディアを出すだけで実際には妻に書かせ、名誉は一人占めしようと狙っている大学教授、そして社員を抱き込んでデータの改ざんをし、小説を書き続けようとするこの会社の社長。
作家たち(うち1人は娘の遺稿を売り込む母親)と編集者との壮絶な戦いぶりに圧倒されます。今まで編集者というのは、作家が書いた原稿を会社に持ち帰り、誤字脱字を訂正して、作家本人に最終校正をしてもらう程度の仕事だと思っていましたが、現実はさにあらず。原稿によってはほとんど赤の修正ペンだらけにし、付箋だらけにし、何回でも編集者が納得するまで作家に書き直しを強要する仕事だとは知りませんでした。でも、山田詠美さんの本なんかを読んでいると、編集者と一緒に旅行してしまうほど仲がいいので、日本とアメリカ(特にニューヨーク)では事情が違うのかもしれません。
物語は勧善懲悪で、良心的に仕事をした人たちが最終的に幸せになり、何かたくらんだり、悪らつなことを考えながら仕事をした人たちが不幸になる、という、読後感はいい小説でした。現実の作家の名前が次々に出てきて、その辺に詳しい人はより楽しく読めるでしょう。(ちなみに私はスティーヴン・キングしか分かりませんでした。)ちょっと分厚い本ですが、オススメです。
ある大手出版社が舞台で、五冊の新作がどのように書かれ、どのように出版されていくかが、描かれて行きます。何としても起死回生のヒット作を飛ばしたい落ち目のロマンス美女作家、孤独を紛らわせるためイタリアでガイドのバイトをしながら初めての小説を書いた若いイギリス女性、人生を文学に捧げ、書いた処女作を26社の出版社から突き返され、絶望して自殺した女性、アイディアを出すだけで実際には妻に書かせ、名誉は一人占めしようと狙っている大学教授、そして社員を抱き込んでデータの改ざんをし、小説を書き続けようとするこの会社の社長。
作家たち(うち1人は娘の遺稿を売り込む母親)と編集者との壮絶な戦いぶりに圧倒されます。今まで編集者というのは、作家が書いた原稿を会社に持ち帰り、誤字脱字を訂正して、作家本人に最終校正をしてもらう程度の仕事だと思っていましたが、現実はさにあらず。原稿によってはほとんど赤の修正ペンだらけにし、付箋だらけにし、何回でも編集者が納得するまで作家に書き直しを強要する仕事だとは知りませんでした。でも、山田詠美さんの本なんかを読んでいると、編集者と一緒に旅行してしまうほど仲がいいので、日本とアメリカ(特にニューヨーク)では事情が違うのかもしれません。
物語は勧善懲悪で、良心的に仕事をした人たちが最終的に幸せになり、何かたくらんだり、悪らつなことを考えながら仕事をした人たちが不幸になる、という、読後感はいい小説でした。現実の作家の名前が次々に出てきて、その辺に詳しい人はより楽しく読めるでしょう。(ちなみに私はスティーヴン・キングしか分かりませんでした。)ちょっと分厚い本ですが、オススメです。