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ノラ・ジョーンズの新アルバム『ノット・トゥ・レイト』

2007-02-08 16:35:32 | ノンジャンル
 デビューアルバム「Come Away With Me」の「Don't Know Why」で4年前のグラミー賞を席巻したノラ・ジョーンズの3年ぶりのサード・アルバム「ノット・トゥ・レイト」を聞きました。
 曲目は全14曲。1,wish i could 2,sinkin' soon 3,the doesn't like you 4,until the end 5,not my friend 6,thinking about you 7,broken 8,my dear country 9,wake me up 10,be my somebody 11,little room 12,rosie's lullaby 13,not too late 14,2 men(この曲のみ日本版のボーナストラック)
 さて、で内容はどうだったか、というと、ハッキリ言ってつまんなかったです。こんなはずはないと思い、過去の2作品と聞き比べましたが、やっぱり明らかにつまらなくなっている。原因はいくつか考えられます。2作品を作り終え、やっと時間的な余裕ができ、自分達のスタジオを作り、プライベート(趣味)のような形で録音をし、バックのメンバーも近所に住む知り合いのミュージシャンを使うという、いい言葉でいえばリラックスした、悪い言葉でいえばダレた雰囲気の中で作ったアルバムであるということ。過去2作品に環境作りという点で大きな役割を果たしたアリフ・マーディンが亡くなったことで、今回のアルバム作りに参加できなかったこと。全曲ノラ・ジョーンズの自作曲であること、などなどです。
 カントリー色が強まり、メロディーラインが退屈で、曲によってジャズ調になったりA0R(アダルト・コンテンポラリー・ロック)調になったりといった変化に乏しく、何度も言いますが退屈でした。唯一良かったのは、このアルバムが出たおかげで、過去の2作品を久しぶりに聞く機会ができたことぐらいでしょうか? 期待が大きかっただけに、失望も大きく、ボロクソに書いてしまいましたが、ノラ・ファンの皆様、大目に見ていただければ、幸いです。

角田光代『空中庭園』

2007-02-07 16:37:02 | ノンジャンル
 角田光代さんの「空中庭園」を読みました。
 父母と姉弟の4人で暮らす木村家。母の意向で、家族間では一切隠し事をしないことになっていますが、実際は隠し事だらけです。
 1章「ラブリー・ホーム」の語り手は長女で高1のマナで、自分の種が母に仕込まれたラブホテル「野猿」を、好奇心からボーイフレンドの森崎君と訪ね、森崎君は初体験に失敗し、それ以来彼は彼女に口を聞いてくれなくなります。
 2章「チョロQ」の語り手は父で、長年つきあっている愛人・飯塚の執念深さと新たな愛人ミーナが中学生の息子コウの家庭教師になることが語られます。
 3章「空中庭園」の語り手は母で、実家の母を殺す完全犯罪を考え、登校拒否児だった中学時代に母を憎むようになったこと、結婚までの話がすべてウソだったこと、自分の誕生日を家族すべてが忘れていることなどが語られます。
 4章「キルト」の語り手は祖母で、口を開くと嫌われる自分、老人とのデート、台風の日の記憶、つっけんどんな娘、コウとミーナにラブホテルで会ってしまうこと、それに自分の人生の回想が語られます。
 5章「鍵つきドア」の語り手はミーナで、スーパーの安売りの様子、コウと知り合った経緯、コウの父とのばかげた関係、コウとの家庭教師の様子、誕生日を祝われたこと、父の死などが語られます。
 6章「光の、闇の」の語り手はコウで、同級生のミソノと行為での童貞喪失、入院した祖母との口論が語られます。
 章ごとに語り手が変わるという手法で書かれた小説で、語り手が変わる事でものの見方も変わる面白さはあったと思います。特に祖母が語り手の4章が楽しめました。題名の「空中庭園」というのは、母の思いとは反して、何の隠し事もなく、幸せ一杯の家族なんて、空中に浮かんだ庭園のように崩れやすい幻想だ、という意味でしょう。しかし、あまりにも隠し事だらけのために、始めの理想がどっかいってしまって、ただ乱れた関係の家族を描く小説に堕している気がしました。この点、角田さん、どうなんでしょう?
 ちなみにこの小説は2005年に小泉今日子主演で映画化されているようです。そのうちW0W0Wで放映してくれたら、見てみたいと思います。これまたちなみに、解説は最近テレビでの露出の多い石田衣良さんでした。

化学兵器、被害再び!

2007-02-06 16:46:20 | ノンジャンル
 4日付けの朝日新聞の朝刊に「除草剤被害 飛び火」と題する記事が掲載されていました。
 記事の内容は以下の通りです。「麻薬コカインの原料となる植物コカの世界最大の栽培国コロンビアが、コカ撲滅を図り、米軍の援助を受けて高濃度の除草剤を空中散布している。風に乗った除草剤が、隣国エクアドルに降り注ぎ、国境近くに住む農民らが健康や作物への被害を相次いで訴えている。胎児や環境への影響を懸念し『第二のベトナムになる』と警告する医師もいる。」とのことです。
 米軍がベトナムで使った枯れ葉剤は、ベトちゃんドクちゃんのような奇形児を生んだことでもその毒性が広く知られるようになり、具体的には枯れ葉剤の中のダイオキシン類を含む「オレンジ剤」が、がんや胎児の先天異常を引き起こしたのですが、今回使われている除草剤「ラウンドアップ」を開発した米モンサント社は発ガン性を否定し、安全性を強調しています。しかしエクアドルの北部熱帯地域衛生研究所の調査によると、皮膚炎や呼吸器疾患、視覚障害が起きていて、発ガン性や遺伝的な影響を指摘する研究もあるそうです。
 実際、記事には肌がまだら模様になった人の写真が掲載され、頭痛や吐き気などを訴える人も多く、風向きによっては国境から20km離れた市街地でも目の充血、せき、かゆみなどを訴える人がいて、肺炎で4人の児童が死んだ土地もあるそうです。
 なぜ、これほどまでにやっきになって、コカ撲滅を始めたかというと、コカが反政府ゲリラの資金源となっているからで、右翼政権にてこ入れするためにアメリカが行っている、という点ではベトナム戦争の図式と何ら変わるところはありません。
 枯れ葉剤も除草剤も無差別に人に害を及ぼすという点では、化学兵器と言って構わないと思います。化学兵器を撲滅しようというブッシュ大統領、もろダブル・スタンダードじゃないですか。即刻除草剤の散布を止めてほしいと思います。

角田光代『あしたはうんと遠くへいこう』

2007-02-05 17:04:30 | ノンジャンル
 今日も角田光代さんの本「あしたはうんと遠くへいこう」を紹介します。
 この小説は1985年から2000年にかけての15年間、17歳から32歳までの一人の日本人女性の人生を描いたもので、全部で11の章から成り立っています。
1、「How soon is now? 1985」(高3で、オリジナル・テープを片思いの彼に贈
     り、怖がられた事)
2、「Walk on the wildside 1987」(バンドの同好会に入り、ライヴの打ち上げ
     後、意中の人のぶちんと自分の部屋へ行ったこと)
3、「Nothing to be done 1990」(大学卒業後、音楽評を書き、のぶちんとの同
    棲の不和)
4、「I still haven't found what I'm looking for 1991」(のぶちんを失う恐
    怖から逃れるため、アイルランド自転車一周の旅に出るが、なぜか妊娠
    してしまう)
5、「Everything flows 1992」(実家に帰り、アルバイトをして、都内のクラブ
    で知り合った男の家を転々とする)
6、「Calling you 1994」(東京のアパートに住み、中古CD屋で働き、宇宙的法
    則にかぶれる)
7、「Divine intervention 1995(1)」(ジムの水泳コーチとデート、アルバイト
    先での後輩ポチとの同棲生活)
8、「Divine intervention 1995(2)」(7に同じ)
9、「Headache 1996」(ジムのトレーナーがストーカーとなり、仕事は編集プロ
    ダクションに。ポチと別れる)
10、「No control 1998」(ヨーロッパへ行き、ボーイフレンドになった山口と帰
    国すると、親友の町子が愛人の子を誘拐している)
11、「Start again 2000」(山口はスリランカにボランティアで行ってしまい、
    突然訪ねて来た父と語る夢を見て、自分も山口を追ってスリランカへ行
    く)
 という内容です。盛り沢山というか、これが最近の20代の女性の平均的な恋愛像なのでしょうか?随分多くの男性と関係を持っていますね。20代を映画と仕事に捧げていた私としては、うらやましい限りです。主人公はとても自意識の強い人で、私は読んでいて付いて行けないところもままありました。その辺のところはご自分で読んで、確かめることをオススメします。

角田光代・佐内正史『だれかのことを強く思ってみたかった』

2007-02-04 16:31:58 | ノンジャンル
 昨晩の「コンバット」に、新兵役で無名時代のジェフ・ブリッジズがゲスト出演していました。70年代後半に主演の映画を何本か撮った俳優で、なつかしかったです。

 ところで、今日も角田光代さんの本「だれかのことを強く思ってみたかった」を紹介します。これは全部で16の角田さんの3~4ページの短編に、佐内正史さんがその短編をイメージした写真が掲載されているという半分写真集、半分短編集という構成になっています。
 書かれている16の短編は、以下のようなものです。
1、「ファインダー」(双児のような制服姿の二人の写真を撮る話)
2、「まわる季節」(朝と夜に公園で出会う、5、6匹の猫を連れた中年男の話)
3、「プラットフォーム」(中学時代、男の子が昔住んでいた町へ一緒に行った話)
4、「世界の終わり」(男と服のことしか頭にない友人のこと)
5、「夜景」(最後のデートで高層ビルのラウンジからの夜景をグロテスクだと思った話)
6、「父と歩いた日」(小1の時、父に銀座に行くのに付きあわされた話)
7、「おだやかな楽園」(コンビニで働く高校生に恋したこと)
8、「押し入れ」(ぼけた祖母の見張りをする話)
9、「レッスン」(かわったピアノの先生の話)
10、「上等なカーテン」(川ぞいの見捨てられた場所を居場所とする私の話)
11、「スカイマンション403」(階下の行方不明の住人の話)
12、「光りの柱に」(寄るの東京タワーに見とれる男女の話)
13、「ジュテーム」(留学生のフランス人が「東京は世界で一番美しい町だ」と言った話)
14、「金色の道」(駆け落ちの相手が来ず、昔の同級生に会う話)
15、「見なかった記憶」(見た記憶より見なかった記憶の方が強烈なこと)
16、「東京」(同じ産院で同じ日に生まれた3人が上京してからの話)
 何か興味を惹かれるテーマがあったでしょうか? 私は個人的に「これが面白かった!」というものがなかったので、判断は皆さんにお任せしようと思います。一番面白かったのは、脈絡のない短編の題名かなあ?