gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

アンドレイ・コンチャロフスキー監督『デッドフォール』その1

2023-02-22 00:47:45 | 日記
アンドレイ・コンチャロフスキー監督『デッドフォール』その1

 アンドレイ・コンチャロフスキー監督の1989年作品『デッドフォール』をDVDで観ました。
 サイト「映画ウォッチ」の「ネタバレあらすじ」に一部加筆修正させていただくと、
「ロサンゼルス郊外、1台の暴走するタンクローリーを追う1人の知的な風貌の刑事がいました。その男の名はレイモンド・タンゴ(シルベスター・スタローン)、ロス市警の敏腕刑事です。タンゴは暴走して来るその車を前に果敢に立つと、銃でトラックを撃ち止めました。タンゴの連絡を受けた地元警官たちに「何様のつもりだ。ランボーか」と言われたタンゴは、「ランボーは、ひよっこさ」と言いました。
 そこを1台のリムジンが通って行きました。その中に乗っていた犯罪組織のボスのイヴ・ペレ(ジャック・バランス)は、タンゴの姿を見ると「また奴にやられた。…タンゴとキャッシュ、この2人のデカには頭にくる」と部下たちに呟きました。部下たちは「私たちがやります」と言いましたが、ペレは自分に言い考えがあると言い、何やら企んでいました。
 ロス市警にはもう1人敏腕刑事がいました。その男の名はガブリエル・キャッシュ(カート・ラッセル)、フランクで気取らない性格で子供たちから人気があるキャッシュは、新聞でタンゴの活躍を見ると「アルマーニのおっさん、やってるね」と呟きました。そこに1人の中国人の暗殺者が乱入、キャッシュを襲ってきました。キャッシュはその男と格闘し、その男を部屋から放り出しました。逃げる男をキャッシュは追跡、その男を逮捕しました。キャッシュは一般人の人命を何よりも尊重しますが、犯人追跡のためには勝手に他人の車を使うなど、手段を選ばないという男でもありました。
 タンゴには妹がいました。名前はキャサリン・タンゴ、犯罪ばかりの自分の住む町にうんざりしていました。キャサリンはタンゴに「暫く町を出る」と言い、行先も言わずに出ていきました。
 一方、何者かに命を狙われたキャッシュは、中国人の暗殺者を拷問し、依頼主の事は聞き出せなかったものの、ある大きな取引があることを吐かせました。キャッシュはその現場へと向かいました。タンゴもその取引を盗聴で知り、現場へと向かいました。
 互いに同じヤマを追っていると知らないタンゴとキャッシュは、現場で1人の男を追い、偶然、鉢合わせになりました。ライバル心を燃やし、2人はその男を追いました。2人はある部屋に行きつき、1人の男の遺体を見つけました。そこには盗聴器も仕掛けられていました。2人が不思議に思っていると、突如、FBI が踏み込んで来ました。
 FBIはタンゴとキャッシュを有無を言わさず、逮捕しました。タンゴとキャッシュは麻薬摘発中の囮FBI捜査官の殺人犯として逮捕されました。証拠物件として、いつの間にか盗まれていたキャッシュの銃、そして、巧妙に偽造された盗聴テープがありました。
 タンゴとキャッシュは裁判にかけられました。裁判で出てきた証人たちは、口裏を合わせたかのように、2人に不利な証言をしました。2人にとっては根も葉もない事ばかりで、その点での憤りでは2人は意気投合しました。最終法廷でタンゴは冷静に「この判決で警察の威信が落ちない事を祈ります」と言いますが、キャッシュは「こんなデタラメな裁判があるか!」と怒りをぶちまけました。結局、2人は18か月の刑務所暮らしとなりました。その刑務所も当初の刑務所とは違っていました。
 これを聞いたペレは喜びました。すべてはペレの仕組んだ罠でした。これまでタンゴをキャッシュたちに辛酸を舐めさせられていたペレは、2週間後の最大の密輸取引を成功させるために、FBI捜査官たちまで買収し、この罠を仕組んでいたのでした。
 刑務所に入ったタンゴとキャッシュを待っていたのは、以前にタンゴとキャッシュが逮捕し、刑務所送りにした凶悪犯ばかりでした。
 ある夜、タンゴとキャッシュは凶悪犯たちに襲われ、地下のランドリー室へと落とされました。2人に恨みを持つ凶悪犯たちが2人を取り囲みました。その暗闇からペレ(この時はまだタンゴもキャッシュもペレの名も顔も知りません)が出てきました。2人はペレの罠にはまったことを悟りました。襲いかかってくる凶悪犯たちと2人は格闘しますが、奮戦虚しく、リンチに遭いました。
そこへ突然、キャッシュの前の上司・マット副所長が出てきました。マットは2人に脱獄するように勧め、図面を見せて2人に脱獄の手順を説明しました。キャッシュはマットを信じますが、タンゴはマットを信じていませんでした。結局、キャッシュ1人で脱獄を図りましたが、途中でマットが遺体となっていました。そして追っ手が来ました。これも罠でした。

(明日へ続きます……)/

アンドレイ・コンチャロフスキー監督『暴走機関車』

2023-02-21 17:00:49 | 日記


 アンドレイ・コンチャロフスキー監督の1985年作品『暴走機関車』をDVDで観ました。
 サイト「映画ウォッチ」の「ネタバレあらすじ」に一部加筆修正させていただくと、
「舞台は真冬のアラスカ州、ストーンヘイブン刑務所。服役囚マニー(ジョン・ボイト)は懲罰房に3年間閉じ込められたことを人権侵害だと訴え、裁判で勝利を掴みます。マニーと憎み合う刑務所の所長ランケンは、苛立ちながら彼を普通房に移動させました。囚人の多くはランケンを嫌い、マニーをヒーロー扱いしています。少女をレイプした罪で服役中のバックもその1人でした。ランケンは囚人を使ってマニーを襲わせます。マニーは手に怪我を負ったものの大事には至りませんでした。卑怯な手を使うランケンを心底憎むマニーは脱獄を決行。洗濯係だったバックの協力を得てゲートの外に出ます。マニーに憧れるバックは、自分も脱獄すると後を追いかけました。下水道を通って極寒の雪原を歩き、2人は鉄道の操車場にたどり着きます。小屋で衣服を調達した2人は、ちょうど発車しようとしている4両編成の機関車に潜り込みました。これで遠くへ逃げられると思った2人でしたが、出発直後に機関士が心臓発作を起こし、機関車から落ちてしまいます。機関車は操る人間がいないまま暴走を始めますが、マニー達はまだ気付いていませんでした。
 暴走機関車の件はすぐに中央管制室にも伝えられました。管制室に務めるフランク・バーストウは、機関車を本線の1番に乗せ他の列車との衝突を防ごうとします。ブレーキは既に焼き切れていました。最後尾の車両から外を見たマニーは、様子がおかしいと呟きます。退避が遅れた貨物列車と衝突事故を起こし、尚もスピードを上げて走り続ける機関車。マニーは機関士に何かあったのではと考え、1両目に行ってみることにします。行く先には橋がありますが、現在のスピードにはとても耐えられません。マクドナルドは橋に到達する前に機関車を脱線させろと命令します。ところが脱線させる直前になって、無人だと思われた機関車から汽笛が鳴り響きました。現地から連絡を受けたフランク達は慌てて脱線を中止します。
 汽笛に驚いたのはマニーとバックも同じでした。どうやらこの機関車の中に、2人以外の何者かがいるようです。4両目に戻ったマニー達のところへ、先ほど汽笛を鳴らした人物がやって来ました。彼女は乗務員のサラ。サラは機関士がいないため列車が暴走していること、このままでは3人とも死んでしまうことを説明します。機関車を止めるには先頭車両の緊急停止ボタンを押さなければなりません。しかし2両目には古いタイプの車両が使われていて、サイドの通路が無いため先頭まで行けないのだそうです。サラの提案で、機関車同士のエンジンを繋いでいる電気ケーブルを切り、後ろ3両のエンジンを止めてみることにしたマニー達。ケーブルを断ちながら3人は2両目まで進みます。スピードが落ちた機関車は何とか橋を通過しましたが、その先には化学工場がありました。このままのスピードではカーブを曲がりきれずに脱線してしまいます。化学工場に突っ込めば有毒な化学物質が一気に拡散してしまう恐れがありました。
 スピードは落ちたものの止まる気配の無い機関車。そこでバックが車体の僅かな凹凸に掴まって先頭車両に行ってみることにします。しかし車体は凍っていて滑りやすく、無理だと判断したバックは戻って来てしまいました。激怒したマニーは「もう一度行って来い!」とバックに激しい暴力を加えます。止めようとするサラも交え、殺し合いの緊張が高まる3人。しかし虚しさに結局座り込みました。バックは涙を流しながら、結局マニーもランケンと一緒、立ち位置が違うだけで自分のことしか考えていない、と批難し失望します。その時、機関車にヘリコプターが迫っていました。ランケンがフランクから情報を聞き出し、マニー達を捕まえに来たのです。マニーはランケンに向かって「俺の勝ちだ!」と挑発。フランク達は被害を最小限に食い止めるため、機関車を行き止まりの古い支線に移動させ脱線させることにしました。マニーはガラスを破って飛び降り、連結部に指を潰されながらも何とか先頭車両に到達します。
 マニーを追ってランケンもヘリから降りて来ました。隠れていたマニーはランケンを襲い、車内のポールに手錠で拘束します。停止ボタンを押せと命令するランケンに、「俺は自由だ」と呟くマニー。彼は自分自身の最後を決めていました。マニーはバックとサラを助けるため、1両目と2両目の連結を外します。バックは「エンジンを止めろ!」と悲痛な叫びを上げましたが、マニーは従いませんでした。やがて2両目以降は停止。マニーとランケンを乗せた先頭車両が遠ざかっていき、この映画は終わりを迎えます。」

 ハラハラドキドキの映画でした。

ショーン・ペン監督『フラッグ・デイ 父を想う日』

2023-02-18 00:19:00 | 日記
 ショーン・ペン監督・主演の2021年作品『フラッグ・デイ 父を想う日』を「あつぎのえいがかんkiki」で観ました。
 まず、パンレット「STORY」に一部加筆修正させていただくと、(ちなみに完全にネタバレのストーリーに変えています)、
「「これは実際にあった話である」の字幕。
「1992年6月」の字幕。アメリカ最大級の贋札事件の犯人であるジョン・ヴォ―ゲル(ショーン・ペン)が、裁判を前にして逃亡した。2200万ドルもの贋札を印刷し、最長で75年の懲役という彼の罪を初めて知った娘のジェニファー(ショーン・ペンの実の娘、ディラン・ペン)は、それでも「私は父が好き」とつぶやく。
 ジェニファーが子供の頃、父は家族の前に現れては、また消えるという生活を繰り返していた。「1975年 夏」の字幕。突然会いに来た父は農場を購入し、母のパティと弟のニック(これもショーン・ペンの実の息子、ホッパー・ジャック・ペン)の3人暮らしで荒れ果てていた家を修復した。母に笑顔が戻り、幸せな家族のような暮らしが続いた。
だが、それも束の間だった。返せない借金で買った農場の資材が次々と届くにつれて、明るかった父の心は暗闇へと沈み、また姿を消す日が訪れた。借金を押し付けられた母は酒に逃げ、家事も子供たちの世話もできなくなり、ジェニファーとニックは父と暮らすことを選択する。
 父の新しい恋人も巻き込んで、またお祭り騒ぎのような毎日が始まった。ジェニファーの心は浮きたったが、何度くり返してもやはり父との人生は泡のごとく消えていくのが運命だった。再び借金から逃げるために、父の手で母の元へと送り帰されるジェニファーとニック。
「1981年」の字幕。高校生になったジェニファーは、母親の再婚相手にレイプされそうになり、またヤクをやっていることで母から殴られて、ニックを置いて家を出る。行く当ては父のところしかなかった。またしても借金を抱えていた父だったが、自分を頼ってくれたジェニファーのために、普通のセールス社の仕事を見つけ真面目に働き始める。
 ジェニファーは「私たちは似た者同士。どんな道に進もうと、私は永遠に支え続ける」というメッセージを添えて、父に二人の大切な“想い出”をプレゼントする。感激Kする父。
 しかし、しばらくすると父はまたジェニファーの元を去る。次に父がジェニファーと会ったのは、銀行強盗を働き、懲役15年を言い渡された後の拘置所の面会場所だった。
 ジェニファーはヤクのせいで高校を中退するが、ジャーナリズムに目覚め、ミネソタ大の試験に臨む。試験の成績は上々だったが、履歴書に嘘を書いたことがバレ、父も服役中であることを示される。退席しようとしたジェニファーに対し、「この試験は本当に君の書いた文章なんだな」と念を押され、入学を許可されるジェニファー。
ジェニファーは大学のジャーナリズム科で優秀な成績を収め、卒業する。そしてそれは父の知るところにもなる。環境汚染の問題の論文」
を発表し、企業の攻撃にがいそしてある日、ジェニファーが学校を後にしようとした時、目の前に父がいきなり現れる。早めのランチに父に誘われ、応じるフェニファー。父は刑務所の中からジェニファーに多くの手紙を書いていたのだが、居所をジェニファーは隠していて、それは彼女の元には着いていなかった。父は週末をジェニファーとニックが幼い頃に遊んだ湖に行くことを誘う。ジェニファーは迷った末、その申し出を受け入れる。ボートにい乗った父は今はこじんまりとコピーと印刷の仕事をしていると言い、彼女に内装が革張りの高級車をプレゼントをすると言い出すが、ジェニファーは父の無理解さに苛立ち、父が車に払ったと言う頭金の一部を返してもらうという嘘の電話も皆ぶってしまう。
そして大学に帰ったジェニファー。ある日、大学の食堂のテレビで目にしたのは、有名な贋札作りが車で逃げるのをヘリコプターと数多くのパトカーで追うライブの中継でした。やがてジェニファーの父が載った車は激しく横転し、中から血だらけで右手に拳銃を持ったジェニファーの父が現われます。警官が構えた無数の銃で包囲された父は、自分の持った拳銃で自分のこめかみを撃ちます。目を見開いてその姿を見つめるジェニファー。
 ラスト、幼い頃に湖で遊んだ幼いジェニファーとニックと父の姿が見え、映画は終わります。

 ショーン・ペンといえば、なんと言っても「ミスティック・リヴァー」でのイーストウッドの姿がかぶさりますが、照明が平板でコントラストが弱い画面が多い中、それでもイーストウッドの映画が「映画」である意味で、この作品も立派な「映画」であり、傑作だと思いました。ショパンを愛する父という音楽に対しても、イーストウッドと同じよう造詣が深いことがうかがえます。『フラッグ・デイ 父を想う日』をまだ観ていない映画好きの方、必見です!!

アンドレイ・コンチャロフスキー監督『マリアの恋人』

2023-02-17 00:23:55 | 日記
 アンドレイ・コンチャロフスキー監督・共同脚本の1984年作品『マリアの恋人』をDVDで観ました。
 サイト「MOVIE WALKER PRESS」の「ストーリー」に一部加筆修正させていただくと、
「ペンシルヴァニア州ブラウンズヴィル。東欧系移民が大半を占める静かなこの町に、5年の戦場生活を終えたイヴァン・ビビッチ(ジョン・サヴェージ)が帰って来た。彼をやさしく迎えるのは父(ロバート・ミッチャム)だ。しかし、イヴァンが早々に会いに駆けつけたのは幼なじみで、戦場生活の間に一度たりとも忘れたことのないマリア(ナスターシャ・キンスキー)だった。この町で看護婦をしている彼女は昔と変わらぬ大きな緑の瞳が美しい。しかし彼女はボーイフレンドで空軍将校のアル(ヴィンセント・スパーノ)といっしょだった。やりきれない気持ちのイヴァンは、家に帰る途中に、プレイガールで有名な寡婦ウィニック夫人(アニタ・モリス)の家に寄り一夜を明かした。町をあげての帰還兵歓迎パーティで、マリアは不機嫌だった。イヴァンのバイクで送つてもらうことにした彼女は、朝もやの丘の上にイヴァンと共に行った。その丘でイヴァンは土の中からサビついた箱を掘り出し中に入っていたイヤリングをマリアに渡した。彼が兵隊に行く前にマリアにプレゼントしようと思っていたものだ。感激したマリアは、本当に愛していたのはイヴァンなのかもしれないと告白した。2人はロシア正教による結婚式を挙げた。新婚の日、幸せの絶頂であるはずの2人だったが、いざとなると、イヴァンはマリアを抱くことができない。長い捕虜生活の疲れのせいだと、逆にマリアが彼を気遣った。すべては時が消すだろうと…。しかし、夫がウィニック夫人とは関係を持てると知った時、マリアはショックを受けた。そんな時、ハンサムなさすらいのギター弾きクラレンス・バッツ(キース・キャラディン)が現われ、マリアに好意を持った。情熱的な愛の言葉をマリアにささやきかけるクラレンスに、マリアの気持ちは揺れ動くが、その愛は拒んだ。アルが、マリアの友達と結婚することになり、その婚約パーティの日、アルは、実はマリアを忘れることができないのだとマリアに告白し、いっしょにどこかへ行こうと誘う。その様子を見たイヴァンは、マリアに「自由にするがいい」と告げ姿を消した。マリアはしかし、イヴァンの許に帰った。イヴァンは、マリアの気持ちに感謝しながらもどうにもできない自分がもどかしく、ブラウンズヴィルの町から姿を消してしまう。やがて、再びクラレンスがやって来た。夫が留守だと聞いた彼はマリアの家に泊まる。イヴァンを想いながらクラレンスに抱かれるマリア。マリアが処女だったことに驚くクラレンス。翌朝、マリアは、共に旅立とうと誘うクラレンスを家から追い出した。時が過ぎ、製肉工場で働くイヴァンの許に妊娠したマリアが訪ねて来た。彼女を追い帰すイヴァン。やがて、イヴァンの前にクラレンスがやってくる。工員や女たちの前で歌を弾き語る彼は、何げなく、マリアの話をする。「天使のような女に会った…」と。その話を聞いたイヴァンはその場を立ち去る。赤ん坊を生んだばかりのマリアの許にイヴァンが戻った。彼は赤ん坊をやさしくなでた。マリアとイヴァンは、初めて愛を交わした。マリアはイヴァンにささやいた。「いつもあなたがそばにいた」と…。」

 ナスターシャ・キンスキーの熱演ぶりが目立つ映画でした。

アレクセイ・コンチャロフスキー監督『シベリア―ダ』その4

2023-02-16 00:03:15 | 日記
 また昨日の続きです。

 草むらに隠れているアレクセイ。銃で水鳥を狙う、指笛。「何をするの?」「鳥たちの恋の季節さ。突然来て老人は脅すし、門も壊した」「銃を渡して。白鳥を撃つ気?」「ターヤ、文句ある?」「これは法律違反よ」「どうした?」。帽子を枝にひっかけるターヤ。キスして抱き合う。ほほ笑みながら「手が早いわね」「俺が? 俺が誘ったか? 違うぞ。君の方からだ」「ダメよ。家で」「家は後。ここでも」「雨だわ」「コートを広げるさ」「私が自分でするわ」「早くしろよ、どうした?」「痛いわ」「弾倉だ。外すよ」(中略)銃声。「散弾銃ね」「驚いたな」「何事かと思った。私のあなた。アレクセイ」。
 水面に白鳥。
「あんたは私を忘れていたのね」「仕方ないさ。あの頃の君は田舎の小娘で、今とは違った。今は田舎の女には全然見えない」「半年前に戻ったわウエイトレスだったの。船のレストランで働いていたの。豪華なレストランでね。家具も立派」「すごいな!」「そうよ」「なぜ辞めた?」「良過ぎたの。ここではスピリドンの世話。わがままだけど哀れな人」「なぜ君は結婚しなかった?」「知りたい?」「あなたには想像できない?」「できるはずないだろう」「長い話よ」「忘れてたぞ! 宴会がある。村には別々に戻るんだ。噂になるといろいろまずいから」。歌うターヤ。
 白黒画面。橋を壊して進む装甲車。沼へ突っ込み停まる。「じいさん、生きてたのか?」「アレクセイか?」「驚いたな。いつまで生きる気だ」「死ぬのは年を取るからではない。熟すからだ。私はまだ熟してない」「“魔の沼”は?」「正確なことは誰も知らない。行くのは止めとけ」「迷信は信じない。今は20世紀だ」「それなら勝手にするがいい」。ヒヒヒと笑う老人。進む装甲車。無数のアリ。
 装甲車、木をなぎ倒して進み、沼に着く。水面にはあぶく。小屋から煙。「ここで掘ってたのか。ここが昔の現場だ」。アレクセイ、小屋の中に入る。無人。床が抜ける。「父さん! 父さん!」泣く幼いアレクセイ。沼の上を歩き去る父。「アレクセイ!」。
 カラー。油田の鉄塔。「回せ!」「手伝おうか?」「そっちは?」「問題ない」「向こうを!」「了解、いけそうか?」「解らん」「お前の故郷だ、お前が見つけてくれ」「ターヤ!」。握手する二人、「何かようか?」「祖母の葬式なの」「婆さん、死んだか」「寄っただけよ」「サーニャ」「何だ?」「あっちを頼む。この通り、忙しいんだ」「何が」「仕事が」「私を忘れたの?」「ヒマがないんだ」「1カ月も待ったわ」「レーナ、調子はどう?」「問題ないわ。いいお仲間ね」「今日は掘り始めの日だ。解ってくれ。また今度」。握手。
 轟音で会話聞こえない。アレクセイ、走り去る。
 葬式後。「これを持って」「どうしたの?」。スピリドン、鉄塔を眺めている。
 ドリルが下げられる。
 葬式。
 回転するドリル。
 鉄塔を俯瞰。
 小舟の上でギターの弾き語りをする男。小舟に乗り込むターヤ。
 100ルーブルのイヤリングをターヤに買うアレクセイ。
 掘削するボーリングのドリル。アレクセイ「夢を見ただけ」。(中略)
 夕日の中、門を立て直す男。
 「フィリップ 1960年代」の字幕。カラーの画面。ヘリコプターから眼下を眺めるフィリップ。
 ヘリを降りて来たフィリップは、水力発電所を作るため、村が湖底に沈むと言う。
「委員会の委員長、発電所の計画を変えてくれ」と言訴える村人。(中略)
 白黒画面。アレクセイ「ここはエラニだ」。
 カラー画面。雪の湿原。猫。女の歌。アレクセイ、ターヤに「ソチに行って結婚しよう」と言う。ターヤ「6年待ったのよ」「実はソチには行ったことない」「私、妊娠してるの」「構わない。荷作りしろ。父親が必要だ」。それでも拒むターヤに「君は幸せを逃したな」と言って、アレクセイは去る。ターヤ「本当は好きよ」。
「柱が折れたぞ。炎。「アレクセイ、やったな」。塔、倒れる。同僚を助けるアレクセイら。
 冬景色のシベリア。委員会。アレクセイの元に電報が届けられる。「エラニ村で大量の石油が噴出。現在、消火作業を敢行中。ウスチュジャーニン技師が死亡」。白黒画面でウスチュジャーニンとの思い出。アレクセイは檀上に上ると、電報の内容を告げ、ウスチュジャーニンに黙祷を捧げる。
 消火作業を続ける人々。
 墓に押し寄せる炎。フィリップ。消火作業を行うブルドーザー。花束を渡され、キスの嵐を受けるフィリップ。白黒画面でウスチュジャーニンとの思い出が映し出され、映画は終わる。

 3時間19分の大作であり、カンヌではもうひとつの『1900年』と高い評価と受けた作品です。アッという間に観られる作品でした。