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アレクセイ・コンチャロフスキー監督『シベリア―ダ』その3

2023-02-14 23:57:41 | 日記
 また昨日の続きです。

「朝。ベッドで目覚める青年。鹿。「じいさん、あんたを知ってるよ。“長老”だろ?」「食べろ」「エラニ村は?」「なくなってはおらん。誰に会いに行く?」「ソローミン。スピリドン」「奴は刑務所の中だ」「なぜ?」「もう6年。お前の父を殺したから。お前はアレクセイだな。孤児院を逃げたか」「何年の刑?」「15年。シベリアだ」「出所したら殺す」。歌うアレクセイ。「ここで暮らせば、たくましく」「生きてたら、また会おう」。
 森の道を歩くアレクセイ。またたく星。
 “ニコライ・ウスチュジャーニン 1897-1932”“党員としての活動中に人民の敵により殺害”の文字が書かれている墓。「レコードをかけるアレクセイ。女性が現われる。「村の人か? ここに住んでいるの?」。二人、笑う。「5000キロ先から来た。白鳥か」」「ガンよ」。アレクセイの腕を取る女性。
 “エラニ村”の標識。
 レコード。「ソチとかトゥプセ黒海もいい。レストランに音楽。女の子。タンゴ。タンゴは踊れるかい?」「いいえ」「教えようか? 来い。 タンゴなんかじゃない。君は田舎娘」「いいわ。教えて」。
「承知の通り6月22日にナチス・ドイツが侵攻した」「ラジオはないの?」「ここは地の果て。戦争だ」。3週間前から。集まる人々。
 踊る二人。
 アレクセイ「待ってくれ! ベルリンは? 入隊したい」「若すぎる」「登録してくれ」「船に乗れ」。
 断髪パーティー。「アレクセイ!」ターヤ「戻ってきてね」「待っててくれる? ここで待つのかい?」「待ってるわ。ずっと」。泣き崩れるターヤ。敬礼。
「哀れな子供たちよ」。
「第1部 終」の字幕。

「第二部」の字幕。
 沼の男「中佐!」。ボートに死体。「水をくれ」「ここでしたか」「2時間も叫んだが返事がない。ここで死ぬ気か? 敵に囲まれている」「我が軍はどこですかね」。死体をひきずる。銃声。身を隠す二人。「中佐! 生きてますか?」。
 波。次々に着弾。戦車の車列。「助かった。我が軍だ」「助けたのはウスチュジャーニンという若者あ」「アレクセイ君。祖国は君を忘れない」。
 実写フィルム。進軍する戦車と歩兵。飛行機。爆撃ミサイル投下。迫撃砲。爆発。夜景。ベルリン陥落。戦車に手を振る人々。花火。「祖国に勝利をもたらした兵士たちを歓迎しよう」と垂れ幕で飾られた機関車。銃を捨て、キスする若者。歌。再会する家族。
 川に走り寄るターヤ。
「ニコライの息子 アレクセイ 1960年代」。カラー。川を浚渫する重機。「アレクセイ、お前は勲章持ちだな」「俺は少ない方だ」「故郷を何年離れてる?」「2年」「俺は20年ぶりだ。エラニは俺の故郷だ」。
「みんな、起きろ」。ウーニャ、水をかぶされて起こされる。「俺の故郷だ服を着てくれ」。
「エラニ村」。
「諸君、今夜俺の家に招待する。田舎料理をご馳走する」。板を踏み外して川に落ちる。皆、笑う。「ゆっくり水浴びしろよ」。
 トラクターで到着するが錠はない。門を押す。「見事な細工だ。バクーにもない。カスピから来た石油堀りのご挨拶だ。労働者諸君、建設労働者から挨拶する。進歩の波はシベリアにも来た。住むところはあるけれど、女は婆さんばかり。落ち着いて眠れる。婆さん、歓迎のキスは?」「お前らは何しに来た? なぜ壊した?」「これは古臭くないか?」「苦労して作った。職人が。何世紀も経つ」「後で直してやる」。歌う女性。「婆さんしかいないと思ったが」「どうだろうね」「半年後は縁できるかも」「シベリアで一番の美人はソローミン家だろう」「それを確かめに帰ってきた」「あなたはアレクセイを知ってるのか?」「女の間では有名だよ」「君は従軍看護婦だな?」「いいえ」「ムルマンスクのレストランにいた?」「いいえ」「ではどこだ?」。歌う女。「思い出したぞ。ソチで会ったんだ」「違う。納屋でタンゴを教えてくれた」。頭を抱える男。「ラーヤか?」「ターヤよ」「こっちへ来い。ターヤだ。俺の幼馴染を紹介したい」。
「ごらん、尻軽女」「トーフィックを紹介するよ。俺の上司だ。バクーの石油堀り、知らない? 内気で労働勲章も見せない。スポーツマンで家族思いだ。娘が3人、息子が1人。一番上は28歳、一番下は赤ん坊。愛する人物だ」。
「感謝するよ」「こちらこそ」「何してるの?(中略)「この人は俺の伯父スピリドン・ソローミンだ。俺の父を殺した」「そうだ。それでソビエトに罰せられた。戦争中は囚人部隊」「罪は償ったぞ」「そうかい」「後悔もしてない」「そうか」「私をどうする気だ? 喉を切るか? 頭を撃つか?」「アレクセイ、心配ない。俺は何もしない。俺たちの石油を掘り出しに来た。村をアスファルトで覆い、大きなビルを建てる。あんたも俺もそこに住む。(中略)

(また明日へ続きます……」

アンドレイ・コンチャロフスキー監督『シベリア―ダ』その2

2023-02-14 05:25:35 | 日記
 昨日の続きです。

 木を切る男、森の中で「胸が苦しい」と言って、その場に倒れる。
 ソローミン、袋叩きにしたコーリャに「アナスターシャには会わせん」と言い、彼をボートに乗せ、「革命を見つけた町へ行け」と言うと、コーリャは「お前らは死刑だ。俺は彼女と一緒に行く」と言い返す。
 木の間から月。
 夜。ボートの上で倒れたままのコーリャ。
 夕日。
 上半身裸のフィリップ。小屋に逃げ込み、彼から逃れようとするアナスターシャだったが、結局服を引き裂かれ、裸を見せてしまう。仰向けで倒れているアナスターシャをそのままにして、去るフィリップ。
 猟銃を持って森の中を走るアナスターシャ。コーリャのボートに追いつく。
 朝焼けの沼と森林。
 記録フィルム。騎兵隊、泣く女、突撃する歩兵、機関車、レーニンの遺体、革命家たち、レーニンの葬列、機関車の車輪、追いかける子供たち、馬も牛も追いかける、フェイドアウト。
「アファナーシーの息子 ニコライ 1930年代」の字幕。森の道。“神の僕(しもべ)アファナーシー、ここに眠る”と書いてある墓。
 ボート。革命歌を歌う少年。それに青年も加わる。
 青年、少年に「お前の故郷だ。粗末な土地だが、一番大切な場所だ」。歌い出す二人。銃声。二人は岩陰に隠れ、「よそ者だと思ってる」と言って笑い合う。岩陰から姿を現わすと、家主「脅しで撃っただけだ。こういう世の中だからな」青年のコーリャ「アナスターシャは? 俺をここから追い出してくれて感謝している。お蔭で人を知り知識も得た。こっちの少年はあんたの孫のアレクセイ・ウスチュジャーニンだ。党の新計画を持ってきた」「アナスターシャは革命の騒ぎの中で死んだよ」。
 鎌を研ぐフィリップ。
 コーリャ「シベリアは困難な土地だが、貧しくない。豊かな地下資源があるからだ。沼地を掘削し、イギリスから黄金で手に入れた重機を使う。明日から道を作ろう。道ができれば重機が運べる。一日でも急げば国のためだ。では採決を取ろう。賛成の人は?」。誰も手を上げない。コーリャ「今の道の続きを作るだけだ」「そんなことをしたら、“魔の沼”に通じて、気が狂い、記憶も失う」「俺だって行きたくない。それでも必要なら行く」。皆、手を上げる。「よし、明日から開始だ」。
「妹はなぜ死んだ?」「焼かれた。アルグンスクでコサックに捕らえられてアルコールをかけられ」「生きている限りお前のことは許さない」。
 ワラを積むアナスターシャの幻。
 翌朝。コーリャ「スピリドン、仕事は?」「俺は行かない」「スターリンへの背信だぞ」「ソビエトなんかお前にくれてやる」アレクセイ「反革命だ!」と叫び、スピルドンに銃口を向ける。コーリャ「では逮捕しよう。ソビエトの名で。党の名前で。処分は町で行う。エロフェイ、外へ」。アレクセイとスピルドンだけになる。コーリャ「エロクェイ、搾取してるな。毛皮はソビエトのものだ」。
 スピルドン「お前、母の死は?」アレクセイ「殺された」。
 銃声。皆、2階へ。歌うアレクセイ。スピルドン「俺だって追放された」。
 ボート。コーリャ「逃がすなよ」。縛られたスピルドン、ボートに乗る。「3日の度だな」スピリドンのガールフレンド「連れていかないで!」。
 沼地を歩く足。
 アレクセイ「まだ遠いの?」コーリャ「もうすぐだ」「父さん、帰ろう」「皆になんて言う?」「無知な奴を連れて来て働かせる」「嘘はつけない。行って確かめたい」「一人で行って」「一緒に。置いていくぞ」。
 泡立つ沼地。吐くアレクセイ。犬。
 一人で歩くアレクセイ。「父さん! 父さん!」。
 顔の布を取られるアレクセイ。彼はコーリャの膝枕で寝ていた。
 コーリャ「“魔の沼”まで行けそうにない。病院に入るべきだった」「でも大ケガじゃないんだろ?」「大丈夫」「俺たち、できるかな?」「できるさ。信じてる」。マッチの火を捨てると、方々から炎が立ち上がる。
 炎。フェイドアウト。
 朝日。コーリャ「スピリドンの隊は間違いだった。澪値は作らねばならない。引き返せない」コーリャ「父さん、悩まないで」「俺もヤラれる」「逃げようよ、孤児院があるよ」「毎日ジャガイモだぞ」。アレクセイにズームアップ。
 アレクセイ「父さん! 放せよ!」スピリドン「父さんはどこ?」。
 ボート。アレクセイ「父さん!」と言って泣く。スビリドン「うちで暮らせ。いつか殺してやる」。
 スピリドンのボード、アレクセイのボートから離れていく。
 実写フィルム。機関車、パレード、サーカス、労働、人波、土の爆破、軍隊の行進、家の爆破。フェイドアウト。
「ターヤ 1940年代」の字幕。“エラニ村”の標識。“神の僕、エロフェイ・ソローミンここに眠る”と書かれている墓。
 沼。水鳥。裸の女性。男の死体。“長老”は死体をひきずって手当をし、女性はカバンを見つける。

(また明日へ続きます……)

アンドレイ・コンチャロフスキー監督『シベリア―ダ』その1

2023-02-13 05:30:43 | 日記
 アンドレイ・コンチャロフスキー監督の1978年作品『シベリア―ダ』をDVDで観ました。
 「アファナーシー 20世紀初頭」の字幕。吹雪の中を少年が家をめざして歩いている。ソリでやって来たソローミンの3人兄妹が、少年に向かって難癖をつける。ケンカで敗れたソローミン兄妹は復讐を誓って逃げていく。
 室内。少年の父は「奴らは金持ちだ。私は流刑囚。猟師を生業としたウスチュジャーニン家だ」と語る。
 狩人のアファナーシーが少年の父に「ソローミンがテンやリスの毛皮を全部取り上げた。助けてほしい」と言いに来る。猟銃を手にする少年の父。
  ソローミン家を訪ねた少年の父は銃で脅して、毛皮をアファナーシーに返させる。ソローミンは部下のワシーリとロジオンに、少年の父を縛れと命ずる。
 少年は森で木を切って働く男に「父のフェドカを助けて」と言う。そうしないと、父が隠し持っている爆弾が爆発するかもしれないと。木が倒れた後に聞こえて来る物音について少年が聞くと、男は「木の兄弟が泣いているのだ」と答える。
 帰宅したフェドカは熱があると言い、自分のブローチがカンパネラのものだと言う。カンパネラはイタリアの学者で、素晴らしい町の実現に命を捧げたとも語る。そこへ現れた“長老”は、熊と会話することができ、病気も治してくれる。そしてフェドカに「お前の道は“魔の沼”へ続いている」と予言する。
 森。河。雪原。満月。ソローミンの娘のアナスターシャは少年に肉だんごをやる代わりに、裸で井戸を3周しろと命じ、フェドカはそれを実行する。「次は犬よ」とアナスターシャが言うと、フェドカの服を犬が噛んで離さないので、フェドカは裸で犬と格闘する。オーバーラップ。
 凍った沼の上を帆をつけた船で疾走するフェドカと少年。村人たちが集まり、ソローミン一家も乗せろと言うが、少年は「裸で井戸の周りを走れば」と言い、顔をつぶされたソローミンは「覚えてろ」と呪いの言葉を吐く。
 帰宅したフェドカは息子の少年・コーリャに「俺は革命家だ。だから捕まり仲間が逃がしてくれた」と語る。そこへ武装した警察の一隊が現われ、フェドカの頭を壁に叩きつける。血だらけの顔になるフェドカ。フェドカはコーリャに「外へ」と言い、警官には「マルテノビッチ、ここまで大変だったろう」と言うと、警官は「9日間も森の中を追跡してきた」と答える。そこでフェドカは爆弾に火を点け、自分は扉から外へ飛び出す。室内で爆発が起こり、フェドカは雪原を必死になって逃げるが、爆発に備えて無事だった警官たちがそれを追う。
ソローミン家のパーティー。中に入れず、泣くコーリャ。コーリャたちの船も燃やされる。
ソリに乗るフェドカとコーリャ。フェドカは「真実を探すのは大変だ。カンパネラもそうした。俺の仲間も。いつか世界が変わる時が来る」と言い、コーリャにブローチを贈る。フェイドアウト。
 ロシア革命の実写フィルム。逃げる人々。鐘。満員の列車に向けてハンカチを振る人々、爆発、第一次世界大戦の前線、銃を捧げる無数の兵士、旗、逃げる人々、印刷機械の滑車、新聞、レーニン、王宮になだれ込む人々、国王の像を破壊する人々、鐘、フェイドアウト。
「アナスターシャ 1920年代」の字幕。緑に覆われた草原、野鳥のさえずり、道路に現れる熊。
「コーリャ、働く気はあるのか?」と木を切る男。「様子を見ているだけさ」と樹上のコーリャ。
 木を切る男が丸太を斧で切っていると、馬が3頭やって来る。「毛皮は? 酒にしたな」「町では暴動が起き、掠奪や殺人が行なわれている。帰れただけで幸運だ。アナスターシャはどこに?」。
森の道を歌いながら歩くアナスターシャは,“長老”に出会い、甘くておいしい木の実をもらう。笛を吹く“長老”。
 コーリャ「俺が好きか?」アナスターシャ「好きでたまらない。兄が帰って来た」、コーリャ「これから変わる。お前らの時代は。今度は俺たちだ」アナスターシャ「誰が決めたの? だったらフィリップと結婚するわ」コーリャ「二度と来るな!」
 アナスターシャ、遠くから「フィリップ!」フィリップの父「無視しろ」。鎌で雑草を切るフィリップに、ジャンプをして鎌をよけるアナスターシャ。「来てよ」。キスする二人。
 ブランコに乗るアナスターシャ。コーリャ「降りろ! 話がある」「嫌。フィリップ、押して」。ブランコを押すフィリップ。コーリャ「許してくれ。本気か? 俺の言うことを聞かなかったら恥をかかせてやる。門の前に座り込む」。雷の音。
 強い雨。ずぶぬれになってブランコに乗るアナスターシャと、それを押すフィリップ。
 フィリップの父、いろんな贈り物を持って、ソローミンの元を訪ねる。「息子の縁談で来た」ソローミン「立派な結婚式にしよう」。コーリャ、まだ座っていて、アナスターシャの名前を叫び続ける。「人殺し! お前らの時代は終わったんだ!」

(また明日へ続きます……)

ロバート・アルトマン監督『ニューヨーカーの青い鳥』

2023-02-12 21:50:57 | 日記
 ロバート・アルトマン監督・共同脚本の1988年作品『ニューヨーカーの青い鳥』をDVDで観ました。
 サイト「MOVIE WALKER PRESS」の「ストーリー」に一部加筆修正させていただくと、
「ニューヨークのフランス料理店レ・ブーション。ブルース(ジェフ・ゴールドブラム)は、ニューヨーク・マガジンの恋人募集で出会ったプルーダンス(ジュリー・ハガティ)にプロポーズするが、彼の、実はバイセクシャルで現在もボブ(クリストファー・ゲスト)という男の恋人と同棲しているとの告白に仰天した。
 保守的で少々ノイローゼ気味のプルーダンスは、彼の頭はどうかしている、と思いこみ、果てはお互いの顔に水をかけあって別れるといった散々な有様。
 ところがブルースとプルーダンスが治療をうけているセラピストの診療所はたまたま隣同士だった。
 プルーダンスはセラピストのスチュアート(トム・コンティ)と2度の情事をもつが、早漏のために恋人として、患者と性的な関係を持つことのために医師としても彼に幻滅を感じ始めていた。しかしスチュアートの方は彼女とよりを戻すために躍起になっている。
 ブルースのセラピスト、シャーロット(グレンダ・ジャクソン)はいつも単語パズルの混乱に陥っているおかしな医師で、2人は互いに合図をして診療所の間の部屋でつかの間のセックスを楽しんでいた。が、その暗闇の中で2人は1度も相手の顔を確かめたことがない。
 さて、再び違う名前と人相書きでニューヨーク・マガジンに広告を出したブルースがレ・ブーションで出会ったのはまたしてもプルーダンスで彼女も違う名前で広告に応じていたのだった。今度はこのデートでベッドまでこぎつけた2人だが、それを知り嫉妬にかられるのはボブ。プルーダンスを招いた夕食時に、派手で芝居じみた超過保護なボブの母ジジ(ジュヌヴィエーヴ・パージュ)まで割り込んできて、一転ヒステリックな騒動の場と化す。
 ボブをうまくシャーロットの診療所に置きざりにしたブルースとプルーダンスはレ・ブーションに戻るが、2人をスパイしているスチュアー卜を見つけ、またしても痴話喧嘩が始まった。
 そこヘシャーロットに勇気づけられたボブがやって来て、スターター用のピストルを2人にめがけて発射し、レストランは大混乱に…。やがて一応の平生が戻り騒ぎの収まった頃、それぞれの新しい関係が成立していた。
 互いの情事の相手であることを確認するスチュアートとシャーロット、彼女の息子でウエイターのアンドリュー(クリス・カンピオン)にルームメイトの申し込みをするボブ。そしてブルースとプルーダンスは早くもパリヘのハネムーンを夢に描き、プルーダンスが好きな街、パリのレストランから二人が出てくるところでカメラはパンアップして、エッフェル塔を望むカットとなり、映画は終わる。」

 ガーシュインの名曲『Someone To Watch Over Me』がとてもロマンチックに使われていて、この映画ではズームアップよりもズームダウンの方が多く使われていました。恋人同志で観に行くのに最適な、オシャレでステキなコメディだと思いました。

ロバート・アルトマン監督『ストリーマーズ』

2023-02-12 08:53:42 | 日記
 ロバート・アルトマン監督・共同製作の1973年作品『ストリーマーズ』をDVDで観ました。
 サイト「映画ウォッチ」の「ネタバレあらすじ」に一部加筆修正させていただくと、
「舞台はベトナム戦争下のアメリカ。アメリカ陸軍の空挺部隊に所属する3人の若者は、泥沼化する戦争に苛立ちと恐怖を募らせていました。白人で大学出のビリー。黒人で陽気なロジャー。白人で女性的なリッチー。ビリーとロジャーは出来るだけ明るく過ごそうと、上官であるルーニー軍曹の訓練をディズニーアニメの泥棒そっくりだと真似して笑っていました。ビリーはリッチーがホモだと確信していましたが、ホモを嫌悪するロジャーは違うだろうと顔を顰めました。
 そんな折、別部隊に所属している新入りの黒人カーライルが兵舎にやって来ます。同じ黒人であるロジャーに会いに来た彼は、周囲が不抜けていると憤っていました。白人との折り合いを聞かれ、心配無いと答えるロジャー。
 カーライルが出て行った後、肌の手入れをしていたリッチーは体をくねらせながらビリーに擦り寄ります。ビリーは不快感も顕に拒絶しました。しばらくして、泥酔したルーニーとその友人コークスが兵舎にやって来ます。ルーニーはコークスを前線帰りの英雄だと賞賛しました。2人は戦争の体験を生々しく語り、ビリー達に少しずつストレスを与えていきます。コークスは蓋つきのタコつぼに潜んでいた敵兵の話をしました。コークスはタコつぼに手榴弾を投げ込み、閉めた蓋に座って敵兵の悲鳴を聞いたそうです。ルーニーとコークスは、開かずに落ちる落下傘を歌った「ビューティフル・ストリーマーズ」を口ずさみました。すると突然コークスが倒れます。彼は白血病に冒されていましたが、未だにその事実を受け入れられずにいました。
 静かになった兵舎に、今度は大きな音を立ててカーライルが転がり込んで来ました。クラブ帰りのカーライルは酔っているのか、自分は独りだと喚いて泣き崩れてしまいます。
 翌日。ビリーとロジャーが中庭に出ている時、カーライルが兵舎にやって来ました。彼は親しみを感じると言い、リッチーに近付きます。リッチーは怯えたように身を固くしてカーライルから逃れようとしました。
 そこにビリーが戻って来ます。リッチーと関係しているのだろうとカーライルに笑われ、ビリーは怒りに震えました。ビリーとリッチーから厳しい目を向けられたカーライルは兵舎を出ていき、ロジャーを町に誘います。
 夜。それぞれベッドに入ったビリーとロジャーに構うことなく、リッチーとカーライルは恋人同士のような雰囲気を漂わせていました。自分達は家族だと笑うカーライル。精神的な弱点を突くのが上手いカーライルはついにビリーを激怒させてしまい、一触即発の修羅場に突入しました。靴を投げられたカーライルは怒りのまま飛び出しナイフでビリーの手のひらを切ってしまいます。痛みに呻くビリーもナイフを持ち出し、憎しみに燃える目で不潔な奴らは出て行けとリッチーとカーライルを怒鳴りつけました。カーライルは思わず突き出したナイフでビリーを刺殺。その上偶然現れたルーニーまでもメッタ刺しにして殺害しました。カーライルはロジャーを脅し、口止めをして兵舎から飛び出していきます。
 すぐにリッチーが呼んだMPが兵舎に到着しました。ロジャーはたちまち犯人扱いされてしまいます。直後に連れて来られたカーライルは意味不明なことを言ってシラを切ろうとしました。しかし冷静な声を上げたのはリッチーです。ロジャーは無関係であり、カーライルが突然ビリーを刺したと報告。軍を辞めて故郷に戻ると言い出したカーライルを、MPは眉を顰めながら連行します。ロジャーとリッチーはそのまま就寝するよう命令されました。
 そこへ、泥酔して何も知らないコークスがルーニーを探しにやって来ます。陽気にワインを呷りながら、いつものようにルーニーとの思い出を語り始めるコークス。すると泣いているリッチーに気付きます。ロジャーがリッチーのホモを暴露しますが、コークスは責めませんでした。そして世間にはホモより悪いものがたくさんあると、最悪なのは白血病だと語ります。コークスはこれまでの人生で出来なかったことを振り返りました。もし妻子がいたらどうだったか。もしタコつぼの敵兵を助けてやっていたら、何か変わったのか。コークスが口ずさむ「ビューティフル・ストリーマーズ」の悲しい調べが兵舎に響き、この映画は終わりを迎えます。」

 この映画でも窓が印象的に使われ、記憶に残る強烈なズームアップの2箇所で見ることができました。夜から次の日の夜までの兵舎の中だけで展開される映画で、ラストシーンにはショックを受けました。