我々、浜田高校29期は、ほとんどが五黄で、イノシシ年生まれです。そのせいなのか、リーダーシップを取れる人が多く、船頭ばかりの学年です。
幸い、頻繁に同窓会をしていることもあり、喧嘩をすることもなく仲良くやっています。
それを良いことに私などは、やりたいことがあると、企画案だけ提示して、誰にも迷惑をかけないからやらしてくれと押し通し、呆れられている状況です。
先日亡くなった、同期の生徒会長のTくんは、そんなメンバーの一人一人の話をよく聞いてくれました。自分の意見を押し通すということはほとんどありませんでした。
生徒会が発足したばかりの頃、例年学園祭のオープニングの出し物を生徒会が任されていたので、Tくんは例年通りみんなでやろうと提案した時に、メンバーが反発し言い合いになりました。結局彼が折れて、彼一人で開会の挨拶をすることで治りました。
学校側の一存で、学園祭の開催日が3週間早い時期になっていましたが、そういう時には、生徒のことを考えて、学校側に掛け合ってくれ例年通りの日程に決まりました。それは一部の人間しか知っていません。
いつも、みんながやりやすいように見守ってくれる大事な存在だったのです。
影が薄いということは決して悪いことではありません。見えないところで頑張る人は、どうしても影が薄くなります。そして立派な人ほど、影が薄いことなど気にしていません。それが自分の役割としっかり認識しているからです。
今頃はもう灰になって空の上だろうか。
もう一人の生徒副会長の友人がメールして来ました。
本当に寂しいね。
私もメールを返しました。
でも彼の素晴らしさは、いつも我々の心の中にあります。
だから決して影が薄い人ではないのです。