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出前一丁

2008年05月16日 | 日記・エッセイ・コラム
幼い頃はよく兄弟喧嘩をしたものだ。
 
今となっては、何が原因なのか思い出せない。
思い出せないって言うよりも、大した理由なんてなかった。
屁が臭いとか、見たいテレビが見えないとか、
まぁ、兄弟喧嘩なんてのはそんなものだ。
 
時には激しく肉弾戦も繰り広げることもあったが、
僕たち兄弟はもっぱら
 
“口喧嘩”
 
が中心だった。
意地の張り合っていうか、罵りあいって言うか、
罵詈雑言、
己の浅い知恵を振り絞って、
考えうるボキャブラリーをフルに使って、
言葉で相手を叩きのめそうとしたものだ。
 
そしていつも最後にはお決まりの文句で締めくくる。
 
昔の学園ドラマで約束をした時に、
 
「出来なかったらどうする?」
 
の問いかけに、 
 
「逆立ちして校庭を一周してやる!」
 
って感じのがあった。
絶対無理な事じゃないけど、いざやるってなると
大変なんだぞぉ!って言う、いわゆるリスクだ。
 
“ウソついたら針千本飲~ます”
 
これは、まぁ、出来ないことだから。
約束を守れなかった事と引き換えにするには
現実味に欠ける。
それほどの覚悟だということは伝わってきても、
実際に出来ないんじゃ、リスクではない。
 
そこで、僕たちの決まり文句。
喧嘩が最高潮になった時に、お互いに投げかける。
 
「でけへんかったら、何すんねん!」
 
「おぉ!何でも言う事聞いたるわぁ!」
 
 
 
「ほな、ラーメン作れぇ!!!!!!!!!!!」
 
 
 
この、“ラーメン作れ”の言葉で、この喧嘩は終わりって
言う意味も兼ねた決め台詞。
 
僕が小3、弟が幼稚園の頃だったと思う。
あの頃は、インスタントラーメンを作ることすら
出来なかった者としては、
それはとてつもない作業だったんだろう。
 
約束を守れなかったら、インスタントラーメンを作る。
 
不可能な事ではないが、
限りなく不可能に近いからこそ、リスクとなる。
 
昨日、ひさびさにラーメンを作りながら、
昔の決め台詞を思い出した。