一日の仕事を終え、風呂に入り汗を流す。
そして至福のときを迎えるために台所へ向う途中、
お袋と親父のディスカッションが聞こえてきた。
話を要約すると、おかずの大根が余って仕方がないとの事。
年々、この僕でさえも少しずつ食が細りつつある。
確かに食卓に大根の煮付けは確認していたが、
手を出すことはなかった。
しかしそれを
殊更、
食べない奴が悪い!的な論調を展開されていたので、
風呂上り、
しかも一日の中で、一二を争う至福のひととき、
あの、発泡酒ののどごしを前に、くだらない
ディスカッションのせいで、
折角洗い流した身体に、怒りの汗が滲んできた。
僕も大人である。
そんな事でいちいち発狂もしないし、暴れたりしない。
ただ、だまって、
食卓にあった大根を貪った。
テーブルの上の煮つけがなくなったので、
ナベの中の大根まで貪った。
食った。
僕の記憶が確かなら、15mmの厚さで輪切りにされた
大根を、確か
10枚ほど食べた。
まるまる一本とは言えなくても、つなぎ合わせれば、
かなり大根の形に近づくことは容易に想像できる。
買っておいた金麦を呑むこともなく、
そのまま倒れこんだ。
眠れない。
うなされて眠れない。
直径8cmほどの大根を15cm食った。
もう、うなされて、
さっきの怒りの汗とは違う、また新たな汗が噴出してきた。
しかし、そんな事をしても
何も変わらない。
今日も、昨日までとおなじ朝を迎え、
同じように会話し、何事もなかったかのように、
時計は進んでいく。
ひとつだけ昨日までとは違う点を言うならば、
不思議と今日は腹が減らない。
今、午後4時すこし前。
昨日の大根以来、まだ何も食べていない。
そして至福のときを迎えるために台所へ向う途中、
お袋と親父のディスカッションが聞こえてきた。
話を要約すると、おかずの大根が余って仕方がないとの事。
年々、この僕でさえも少しずつ食が細りつつある。
確かに食卓に大根の煮付けは確認していたが、
手を出すことはなかった。
しかしそれを
殊更、
食べない奴が悪い!的な論調を展開されていたので、
風呂上り、
しかも一日の中で、一二を争う至福のひととき、
あの、発泡酒ののどごしを前に、くだらない
ディスカッションのせいで、
折角洗い流した身体に、怒りの汗が滲んできた。
僕も大人である。
そんな事でいちいち発狂もしないし、暴れたりしない。
ただ、だまって、
食卓にあった大根を貪った。
テーブルの上の煮つけがなくなったので、
ナベの中の大根まで貪った。
食った。
僕の記憶が確かなら、15mmの厚さで輪切りにされた
大根を、確か
10枚ほど食べた。
まるまる一本とは言えなくても、つなぎ合わせれば、
かなり大根の形に近づくことは容易に想像できる。
買っておいた金麦を呑むこともなく、
そのまま倒れこんだ。
眠れない。
うなされて眠れない。
直径8cmほどの大根を15cm食った。
もう、うなされて、
さっきの怒りの汗とは違う、また新たな汗が噴出してきた。
しかし、そんな事をしても
何も変わらない。
今日も、昨日までとおなじ朝を迎え、
同じように会話し、何事もなかったかのように、
時計は進んでいく。
ひとつだけ昨日までとは違う点を言うならば、
不思議と今日は腹が減らない。
今、午後4時すこし前。
昨日の大根以来、まだ何も食べていない。