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日々の暮らしのなかで

6+2+1+3

2008年12月16日 | 日記・エッセイ・コラム
我が家の居間には、鳩時計が神々しく光っている
黒光りした趣のある時計だが
歴史は意外と浅く、15年モノである
 
友人の結婚祝いに、仲間で鳩時計を贈った
代表して僕が買いに出掛けたのだが
小さいときから、どこか鳩時計に憧れを抱いていた僕は
早速家族会議の議題にかけ
賛成多数で購入することとなった
 
あれから15年
 
決して豪邸ではない我が家では
夜中だと、大体どこの部屋にいても
時を知らせる鳴き声は聞こえる
  
呑みすぎて、泥酔して帰ったとき
そぉーっと歩いても、その気配とともに
鳴り響く鳩時計の音で
もろくも僕のアリバイが崩れたこともたびたび
 
最初は物珍しく、時間になるたびに
見上げていた時計だったが
最近では気にすることもなくなり
音さえも、なったのかどうか
気に掛けなくなっていた
 
しかし
 
最近、不規則に鳴くようになってきた
真夜中12時
乾いた喉を潤すために、冷蔵庫を開けると
急に時計が鳴り出す
 
「びっくりぃ!」
 
声に出さずに呟くと
 
(アレ?)
 
6回ほどで止めてしまった
どうしたのかと思っていると
思い出したように2回
 
まだ足りないと思いながら
ミネラルウォーターを飲み干すと
邪魔くさそうに、1回
 
(まだ足りない)
 
どうしたのかと思って、灯りをつける
時計を見上げると
鳩は出たまま
 
(お前、寝とんちゃうか?)
 
関西人らしいツッコミを入れたとたん
慌ただしく3回なったあと
怒ったように引っ込んで、強く扉が閉まった
 
ちゃんと動けよぉ!と、一瞬思ったが
思えば、数はあっている
凄いのか、凄くないのか
もうしばらく付き合ってみよう