熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

リモート経済の衝撃

2022-03-13 15:14:51 | 
野口悠紀雄さんが書かれた「リモート経済の衝撃」を読みました。

コロナ感染症の影響でリモートワークやオンライン授業が行われるようになってきましたが、この流れはコロナが終息しても途切れることはないでしょうね。

経済的合理性から考えれば、移動時間と費用の削減、都心のオフィスの賃貸費用の削減など、企業にとっては大きな魅力です。

働く人にとっても自由な時間が増えるし、勤務先に近い住居を選ぶ必要がなく好きな場所に居住できるなど利点が大きいですね。

リモートワークに反対する人たちは、いわゆるお偉方(企業の管理職や政治家)だけですが、これが結構手強い。

リモートが進むと確実に利益が減少するのが、鉄道、航空、都心の不動産業でしょうね。

この本には、「移動の時代から移動しないで済む時代へ」「メタバースに向かって走り出した遠隔技術」「在宅勤務が可能という大転換が起きた」「新しい働き方を実現するには」「世界で爆発的に広がる遠隔医療、なぜ日本でできない?」「オンライン教育の威力と限界」「交通産業とリモート産業の明暗」「こんなオンラインもある」「マネーのリモート化と脱印鑑」「リモート技術の活用で日本再生を」について分かりやすく書かれています。

アフターコロナに備えてリモートビジネスを起業する若者が大勢出てくるといいですね。

企業や官僚のトップ、政治家で年寄りは第一線から退いた方がいい。



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新型コロナ

2021-11-12 16:54:52 | 
新型コロナウイルスに関する本を2冊紹介します。

1冊目は、浦島充佳さんが書かれた「新型コロナデータで迫るその姿(エビデンスに基づき理解する)」です。

この本は、サブタイトルに書かれているように、データに基づいて新型コロナウイルス感染症を理解しようとするものです。
「新型コロナを知る」「感染症数理モデルから考える新型コロナ対策」「なぜ新型コロナ死亡率は国によって数十倍以上違うのか?」「mRNAワクチン」「新型コロナは人類の脅威である」「120年スパンでみるとコロナ禍で死亡率は増えていない」「専門家の知見をどう政治決断に活かすか?」について、データに基づいて分かり易くかかれています。

とても参考になりましたね。
ただ惜しむらくは今年の1月に書かれたので、最近のデータは掲載されていません。
第5波の急激な感染者数の減少の原因を究明してくれることを期待したいですね。


2冊目は、石坂友司さんが書かれた「コロナとオリンピック(日本社会に残る課題)」です。

新型コロナ感染が拡大しているときに開催されたオリンピックは、従来のオリンピックとは大きく異なる風景が見られましたね。
この本には、「東京オリンピックと2020年」「東京オリンピックがもたらす都市空間の変容」「東京オリンピックと震災復興」「オリパラ教育とボラティアの行方」「東京オリンピックとナショナリズム」「東京オリンピックと2021年」について分かりやすく書かれています。

東京大会を振り返えれば、コロナ禍という困難が降りかかったことを差し引いても一部の都市開発が成し遂げられたこと以外は失敗に終わったことは間違いないでしょう。

政権に忖度しない客観的なレビューが望まれます。



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生命科学

2021-10-02 19:38:22 | 
石浦章一さんが書かれた「生命科学講義」を読みました。

この本は、副題に「小説みたいに楽しく読める」と書かれているように、基礎知識がない人でも楽しく読めます。

「生命科学のおはなし」「進化のおはなし」「遺伝のおはなし」「DNA鑑定と歴史の謎」
「データを見るときの注意点」「遺伝子組み換えとiPS細胞。ワクチン」「環境と生物、放射
能」「ゲノム編集の最新事情」について分かり易くかかれています。

新型コロナウイルスのパンデミックで分かったことの一つに、科学技術に対する各国の政府の立場がありますね。

アメリカは国難にもかかわらずここ20年科学研究費の増額を続けています。
これがワクチン開発の成功につながり、世界中の多くの人の命を救いました。

それに比べてワクチン開発で後れを取っている日本の貧しい科学の現状は21世紀に入ってからの研究費の持続的削減から来ていることは明らかです。

科学を国策にする以上、科学に理解のある政治家の存在は不可欠です。

岸田さんには、菅首相が任命を拒否してその理由を語らない愚かな判断を覆して、日本学術会
議の任命拒否された6名の委員を任命してほしいですね。

そして研究予算を増額して、大学の研究者が任期付きというような不安定な状態で研究を続けることのないように待遇を改善してほしいですね。

安倍・麻生支配からのだっきゅくを目指して、森友問題、桜を見る会問題、加計問題に大ナタを振るうことができれば見直すのですが。

無理かな~。



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生物学

2021-09-08 17:17:22 | 
「アメリカ版 大学生物学の教科書」を読んでいます。

この本は、MITを始めとするアメリカの各大学で採用されている世界基準の生物学の教科書です。

第1巻から第5巻まであり、第1巻「細胞生物学」、第2巻「分子遺伝学」、第3巻「分子生物

学」、第4巻「進化生物学」、第5巻「生態学」が収められています。

私は、第1巻から第4巻を読み終えて、現在、第5巻を読んでいます。

大学の教科書なので、少々難しいところもありますが、図を多く用いて説明されているので、難しいところは飛ばし読みしても十分楽しめます。

教養を深めるには良い本です。



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オードリー・タン

2021-08-11 14:13:52 | 
早川友久さんが書かれた「オードリー・タン 日本人のためのデジタル未来学」を読みました。

この本には、オードリー・タン語録が書かれています。

その中で、印象に残った言葉のいくつかを紹介します。

「デジタルの側が、苦手な人に寄り添うことも重要です。パソコンとキーボードが苦手なら、タブレットとペンを使えばいい。テクノロジーはあくまでも人間の手伝いをしてくれるもの。使う側の人間が事由に選ぶようにすればいいんです。」
デジタルが分かる人だけを相手にするようなプログラムは意味がないですね。

「政府がなにかを決定する前に、その決定を下すまでのプロセスを社会にきちんと提示することです。」
その柱となるのが「説明責任」であり、「政府と社会が一緒になって同じ目標に向かって動くこと」であり、それを実現するのが「お互いの信頼を生み出すデジタルなプラットフォームの構築」ですね。

「アプリやプログラムを開発するプログラマーに欠けた想像力を養うために効果的な方法は、自分の設計したプログラム一番使えないだろうと思われる人達のグループに送りこむことです。そうすれば彼らがなにを使えないのか、なぜ使いにくいのかという感覚をプログラマーは明確に理解できるでしょう」
我が国のデジタル庁に聞かせたい言葉です。

「政治参加を促すには自分の一票が非常に大切なんだという意識を持たせることが大事なんです」
ネット抗議で黒川氏の定年延長を阻止した経験が生きてくるといいですね。

「物事を最終的に判断するのは人間であってAIではない」
過剰にAIを恐れる必要はありません。

「最終的に誰もが受け入れられるような、新しい解決策を創造するのが本当の民主主義の意義」
「新しい解決方法を創造するには、古い考え方に対する批判的思考に、現代社会に生きる私たちの多くが受け入れられる共通の価値観を加えた、未来への自由な思考を行うべきです。これが標準的な答えに囚われない標準的な思考です」

「前例や慣習に囚われ、限られた人たちで進めていたら、デジタル革命は間違いなく不可能でしょう」
デジタル庁は、限られた人たちで不透明なやり方をするんだろうな~。

「社会イノベーションとは、皆なの問題は皆で解決することです」

「自分とは異なるさまざまな考え方をする人の話を絶え間なく聞き続けること」

「弱者にも活躍の場を提供することが政治の仕事」

オードリーが日本に来られないのは、日本政府が中国の批判を気にしていることだそうです。

情けない話ですね。

優秀な人材と意見交換するのに、国境や政府の考え方は関係ありません。



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細胞とウイルス

2021-06-15 15:35:37 | 
細胞とウイルスに関係する2冊の本をご紹介します。

1冊目は、Newton大図鑑シリーズ「細胞大図鑑」です。
生命のからくりを知る上で、細胞の理解は不可欠です。
この本は、「細胞の仕組み」「細胞分裂と遺伝」「体を構成する細胞」「肥満・免疫」「ES細胞とiPS細胞」について、図解で分かりやすく説明されています。

2冊目は、村上陽一郎さん、中村桂子さん、西垣 通さんが書かれた「ウイルスとは何か」です。

科学史家、生命研究者、情報学者が「ウイルスとは何か」に迫ります。
「ウイルスと人間の関係の長い歴史」「ウイルスとの闘いの人類史」「ウイルスを観察しているのは誰か」「新型コロナウイルスがあぶり出した社会の問題」「コンピューター社会と人間」「今こそ人間を考える」「若者に伝えたいこと」という興味深いテーマについて解説されています。

新型コロナウイルスは、社会の矛盾、問題点をあぶり出しました。

新型コロナウイルスへの対応で成功した国、失敗した国、各国リーダーの資質、政治家の無責任、無知、専門家の実力等が明らかになりましたね。

2冊とも優れた本です。

ご一読をお勧めします。




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データから真実を読み解く

2021-05-27 20:40:29 | 
松本健太郎さんが書かれた「データから真実を読み解くスキル」を読みました。

データ分析のお作法を学ぶための本です。

この本には、「喧伝される事実は信用できるのか?」「データ再検証で見えたもう一つの事

実」「公的統計がはらむも問題と危機」「この統計はこのままでいいのか」「データジャーナ

リズムのススメ」について分かりやすく書かれています。

データの裏に潜む真実を見抜くためのスキルが獲得できます。

テレビ局や新聞社のジャーナリストと呼ばれる人達に対する著者の苛立ちが伝わってきますね。

日本経済新聞社元社長の圓城寺次郎氏の「重武装の記者になれ!」という言葉が引用されています。

「ジャーナリストに本当に必要なのは、目の前のことをただ報じることではなく、目の前に起きていることの意味をとらえることだ。その意味を読者に説明すること。そうでなければ、新聞記者は、ただの情報のポーター(運び屋)になり下がってしまう。ジャーナリズムの使命とは、解釈にあるのだ。事実の優れた解釈ができる者が優れたジャーナリストたりうる。」

ある政治家がこう言っていた、とか、大きな声で裏付けのない事を大げさに主張するような似非ジャーナリスト達に蔓延るテレビ番組は見る価値がありませんね。

真のジャーナリストの出現を待ち望んでいます。

ご一読をお勧めします。



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良心から科学を考える

2021-05-20 14:02:10 | 
同志社大学良心学研究センター編「良心から科学を考えるーパンデミック時代への視座」を読みました。

国家には、科学の領域に介入してきた歴史があり、現在でも菅政権による学術会議委員への人事介入が問題になっています。

長期的な視点で科学や技術の進展を俯瞰することが必要です。
この重要課題に、宗教・自然科学・科学史などの研究者14名が答えています。

「科学はなぜ誤りをおこすのか」「進化・利他性・共感と良心」「変わりつつある自然・人工物と人間」「現代科学における良心」について14名の研究者が分かりやすく説明しています。

ご一読をお勧めします。




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迷走

2021-05-05 14:12:06 | 
上昌広さんが書かれた「日本のコロな対策はなぜ迷走するのか」を読みました。

上さんは医療ガバナンス研究所の理事で、テレビで政府のコロナ対策に辛口の批判をすることで有名な人です。

政府のコロナ対策を評価する広報官みたいな自称評論家や専門家の意見を聞いても参考にならないので、上さんのような批判的な意見を参考にしています。

この本には、「日本一人負けの深層」「PCR不拡大の闇」「なぜ私は批判するのか」「コロナウイルスの謎を解く」について対談形式で分かりやすく書かれています。

この本によると、コロナ対策一人負けの戦犯は、宮嵜雅則健康局長、鈴木俊彦事務次官、鈴木康祐医務技官、日下英司結核感染症課課長、加藤勝信厚労相(当時の役職)の5人と書かれていますが、この他に、安倍晋三元首相、田村厚労相も戦犯でしょうね。
その他にも、政府のスポークスマンとして国民を惑わせた田崎氏なども戦犯でしょう。

政府の発表ばかり聞いていたのでは惑わされるばかりです。

もっとも日本の新聞も政府の広報誌みたいなものが多く参考にならないので、海外の一般メディアの日本語版(ウォール・ストリート・ジャーナル、CNN、ロイター、ブルームバーグ等)から情報を得たほうが良いでしょうね。

ご一読をお勧めします。



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韓国人作家の本

2021-03-23 21:21:57 | 
キム・チョヨプさんが書かれた「わたしたちが光の速さで進めないなら」を読みました。

韓国人作家の本を読むのは初めてでしたが、文句なく面白かったですね。

タイトル著者は、1993年生まれの女性作家で、今もっとも韓国の女性達の共感を集めている作家だそうです。

この本は、7つのSF短編小説が収録されていますが、どれも興味深いないようで、よく調べられていますね。

SF小説が好きな私にとっても満足する本でした。

ご一読をお勧めします。



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