鹿児島県警の捜査資料漏えい事件に関連し、ニュースサイト「ハンター」が家宅捜索された問題を巡り、「民主主義社会の根幹を脅かす」として、日本ペンクラブは抗議声明を出しました。
ペンクラブ理事で、ジャーナリストの金平茂紀さんのコメントです。
金平さんは「家宅捜索に加え、入手した情報をもとに内部告発者を逮捕した。記者への強制捜査が問題となった過去の例と比べても、明らかに突出した報道機関への弾圧であり、公益通報制度の精神の蹂躙だ。行き過ぎた捜査だと、会員が共通認識を抱いた」と語っています。
パソコンに保存されていた内部告発に関する文書画像は、ハンターで鹿児島県警の不祥事を追及していた札幌市のライターに託されたものだったそうです。
「なぜ、内部告発先が遠く離れた札幌市のライターだったのか。その深刻な意味を考えるべきだ」と金平さんは言っていました。
「この問題に限った話ではなく、地方メディアは地元の警察・行政と、ともすればもたれ合いの関係になりがちだ。地元の新聞やテレビ局に伝えても、無駄だと思われるような状況になっていないか。私もテレビの世界に身を置いてきたので、じくじたる思いがある」と続けました。
今年5月に水俣病の患者・被害者の発言を環境省職員が遮った問題では、先行して反応した地元紙が紙面で大々的に報じ、東京のメディアも追随しました。
地方メディアの役割について「地域に拠点を構え、いつも地元で取材しているからこそ、本来なら『おかしいものはおかしい』と声を上げられるはずだ。これこそが地方紙の存在意義だと再認識してほしい」と言及しています。
ハンターは「調査報道を軸とするニュースサイト」と称しており、新聞・テレビなどとは異なる立ち位置を掲げています。
金平さんは「現状、既存メディアと新興メディアの間には緊張感がある。『既存メディアの機能不全』を新興メディアは指摘しており、両者の関係は共存よりも分断の側面が強い」と解説する一方、「権力の監視という点では補完関係を築くべきだ」と強調していました。
「今回のケースが許されてしまえば、いずれ新聞社に家宅捜索が入ることにもなりかねない。メディア全体の危機だ。こんなときこそ良い意味のメディアスクラムを組み、抗議の輪をつくらなければならない」と危機感を訴えています。
金平さんは「兵庫県の告発文書問題、在沖縄米兵の性的暴行事件も同じだが、あちこちで公務員による隠蔽が起きている。自らの利益のみを考え、他者のために生きるという倫理観がこの国から失われ、公共が溶けてしまっている」と危機感を口にしていました。
その通りですね。
大手メディアの堕落ぶりが酷い。
日本の報道の自由ランキングが低いのが頷けます。
真のジャーナリストの出現を望みたい。
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