企業の研究所に20年、知財部門に15年勤務し、新人教育に携わった経験から言えることは、新人の実力を向上させる方法として一番重要なことは、良い指導者について正しい方法で勉強することです。
これは受験勉強でも同様だと思います。
司法試験の勉強方法を例にして説明します。
先ず、良い指導者を選びます。
私が司法試験の基礎講座を選ぶときに、各受験機関のガイダンスを聞きました。
このガイダンスでは、講座の進め方、講義内容、勉強方法等を説明してくれますので、自分に一番合った講師・講座を選びます。
それから、これが結構大事なことですが、ガイダンスで講師と波長が合うかを確かめます。具体的には、講師の説明方法、話し方、外見、等が自分と波長が合うか、つまり、講座を受講していて講義内容以外に気になることがないかを確かめます。
これは、講座の進め方、講義内容、勉強方法等が自分に合っていても、話し方等が気になると、講義内容が素直に理解できないことがあるからです。
このようにして、講師と講座を選んだら、その講師の言う通りに勉強していきます。つまり、一度講師を決めたら、最後までその講師と運命を共にする(ちょっとオーバーですかね)ことです。これが早く合格する秘訣だと思います。
私は、司法試験基礎講座のガイダンスを聞いて、自分と波長の合った講師を選びました。その講師が薦める勉強方法をご紹介します。
講師が強調したのは以下の2点です。
①予習はしないで、復習をしっかりする⇒知識がない段階で予習すると、誤って理解するので、講師の説明が理解し難い。したがって、予習をしないで白紙の状態で講義を受け、復習をしっかり行い知識を定着させる。
②自分なりの復習方法を確立する⇒単語帳の活用、重要事項をA4の紙に纏める、テキストにマーキングする等の方法を確立する。
基礎講座では、講義の始めに、前回の講義の重要点を10項目程度に纏めた問題を出します。
9項目が、意義、趣旨、要件、効果、論点についての問題で、1項目が小論文形式の事例問題です。
この問題について、受講者の回答を基に簡単な解説を行います。これが復習になります。私は、講義の終了後にA4サイズの紙の表面に10項目程度の問題を記載し、裏面に回答・解説を記載します。
この作業をすることで知識が確実に定着します。また、このA4用紙は本試験直前の勉強にも利用できます。
講座の受講開始後1ヶ月間で、復習方法を確立することに注力し、それ以外に手を広げることは要求されません。
1ヶ月経過して復習方法が確立すると、勉強の範囲を少し広げます。
具体的には、短答試験の枝別問題集を用いて勉強します。つまり、基礎講座で勉強した範囲について枝別問題集を解いて復習するわけです。
これにより、より知識が定着できるとともに、短答試験の勉強にもなります。
以上、現在まで2ヶ月間基礎講座を受講した経験を基に勉強方法をご紹介しました。弁理士試験の勉強にも参考になると思います。
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