私の業務の一つにライセンス交渉があります。
ライセンス交渉は、特許権者側からみると、①両企業が保有する特許権について攻撃防御(侵害の主張、抗弁)を行い、その後、ライセンス契約を締結する、②特許権者が侵害警告を行い、その後、ライセンス許諾契約を締結する、の二通りのケースに大別できます。
今回のライセンス交渉は②のケースです。②のケースは、一般的には、他者が自己の保有する特許権を使用しているかを調査し(製品の分析)、使用していることが判明した場合、自己の保有する特許権の有効性調査(無効資料調査を行い、瑕疵があれば訂正審判で瑕疵を取り除く)、警告書の送付をすることによりライセンス交渉が開始します。
警告書が送付されると、相手企業から反論書が提出されます。通常、反論は、①技術的範囲に属さない、②特許権は無効理由を有する、③先使用権がある、ことの主張がされます。その後、①~③について書面または口頭で技術的な論争がなされ、和解交渉に進みます。
現在、私が担当しているライセンス交渉企業は5社で、先日、その内の1社について交渉を行ってきました。この企業との交渉は、警告書送付から6ヶ月、3回の技術論争を行い、和解交渉に進んでいます。6ヶ月で和解交渉に進むことは、かなり早いケースです。
和解交渉は、特許権者側からライセンス許諾条件を提示し、その後、相手企業から和解条件(ライセンスを望まない場合があるため、このように表現します)が提示され、交渉に入ります。
今回の交渉は、すでにライセンス許諾条件を提示してあり、先日、相手企業の和解条件が提示されることになっていました。ライセンス交渉では、相手企業から和解条件の提示がされるときが一番ドキドキします。なぜなら、ライセンス許諾を望ず、特許無効理由の存在を他者に知らせないことを旨とする和解条件もあるからです。この条件では、特許権者側のメリットはなく、実質的には特許権者の敗北です。
先日の和解交渉で相手企業が提示したのはA4サイズ1枚の書面で、数行の文章です。いやな予感がしたのですが、意を決してその文章を読みました。すると、紛争解決金を支払うこと、その金額が明記されていました。正直、ホットしました。金額が提示されれば、後は、金額の交渉と、契約文言(相手企業の知財部門に不利にならないような表現を考える)の検討です。
ライセンス交渉は、特許権侵害・抗弁等についての技術的論争を担当する者と、ライセンス交渉スケジュール・契約書作成等を担当する者のチームで活動する場合が一般的だと思います。私は、主に技術的論争を担当しています。したがって、相手企業から金額提示がされた時点で、私の役割の大半は終了し、あとは契約文言の内容について法律的観点から問題があるか否かのコメントをすることです。
1社とのライセンス交渉が終結に近づいたので、今後は、残りの4社との交渉に取り組んでいくことになります。
4社との交渉経過については、ある程度進展した段階でお話ししていくことにします。
ライセンス交渉は、特許権者側からみると、①両企業が保有する特許権について攻撃防御(侵害の主張、抗弁)を行い、その後、ライセンス契約を締結する、②特許権者が侵害警告を行い、その後、ライセンス許諾契約を締結する、の二通りのケースに大別できます。
今回のライセンス交渉は②のケースです。②のケースは、一般的には、他者が自己の保有する特許権を使用しているかを調査し(製品の分析)、使用していることが判明した場合、自己の保有する特許権の有効性調査(無効資料調査を行い、瑕疵があれば訂正審判で瑕疵を取り除く)、警告書の送付をすることによりライセンス交渉が開始します。
警告書が送付されると、相手企業から反論書が提出されます。通常、反論は、①技術的範囲に属さない、②特許権は無効理由を有する、③先使用権がある、ことの主張がされます。その後、①~③について書面または口頭で技術的な論争がなされ、和解交渉に進みます。
現在、私が担当しているライセンス交渉企業は5社で、先日、その内の1社について交渉を行ってきました。この企業との交渉は、警告書送付から6ヶ月、3回の技術論争を行い、和解交渉に進んでいます。6ヶ月で和解交渉に進むことは、かなり早いケースです。
和解交渉は、特許権者側からライセンス許諾条件を提示し、その後、相手企業から和解条件(ライセンスを望まない場合があるため、このように表現します)が提示され、交渉に入ります。
今回の交渉は、すでにライセンス許諾条件を提示してあり、先日、相手企業の和解条件が提示されることになっていました。ライセンス交渉では、相手企業から和解条件の提示がされるときが一番ドキドキします。なぜなら、ライセンス許諾を望ず、特許無効理由の存在を他者に知らせないことを旨とする和解条件もあるからです。この条件では、特許権者側のメリットはなく、実質的には特許権者の敗北です。
先日の和解交渉で相手企業が提示したのはA4サイズ1枚の書面で、数行の文章です。いやな予感がしたのですが、意を決してその文章を読みました。すると、紛争解決金を支払うこと、その金額が明記されていました。正直、ホットしました。金額が提示されれば、後は、金額の交渉と、契約文言(相手企業の知財部門に不利にならないような表現を考える)の検討です。
ライセンス交渉は、特許権侵害・抗弁等についての技術的論争を担当する者と、ライセンス交渉スケジュール・契約書作成等を担当する者のチームで活動する場合が一般的だと思います。私は、主に技術的論争を担当しています。したがって、相手企業から金額提示がされた時点で、私の役割の大半は終了し、あとは契約文言の内容について法律的観点から問題があるか否かのコメントをすることです。
1社とのライセンス交渉が終結に近づいたので、今後は、残りの4社との交渉に取り組んでいくことになります。
4社との交渉経過については、ある程度進展した段階でお話ししていくことにします。