常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

啓翁桜

2022年02月13日 | 日記
もう南から梅の便りが聞こえてくる。雪国では、花の咲く春は遠い。雪国には春を先取りする花の文化がある。温室で育てた花芽のついた枝を、温かい室内におけば雪の季節に春を楽しむことができる。春を待つ雪国ならではの文化だが、桜の花を一足先に楽しめるので、国内はもとより海外にも出荷される人気ぶりだ。啓翁桜の栽培はいまや全国一の出荷量を誇る。

二もとのむめに遅速を愛すかな 蕪村

雪国ではこんな花の楽しみかたは桜ばかりではない。雪の中で辛夷やマンサクの花芽のついた小枝をそっと一本手折ってきて、玄関先に挿しておく。暖かい室内では、これらの小枝にも、ひと足早く花が咲く。春を待ちきれない人々の生活の知恵といってもよさそうだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする