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蔵王の樹氷といえば世界的にも名高い。この景色を見るために、海を越えてこの地を訪れる人も多い。もう何年も前から、樹氷をしっかりとこの目に焼きつけておきたいと思っていた。コロナ禍に加え、樹氷が着くアオモリトドマツの虫害による大量の枯死。もう冬のこの時期に後何年、自分の脚でこの地に立つことができるか。それらが合わさって、自分の願望は年を追うごとに強くなっていた。樹氷の見ごろの2月になって、家から見る蔵王の山は殆ど雲に被われ雪に見舞われている。しっかりと樹氷を見る条件、先ず第一に晴天である。空気が乾燥して、青空が広がること。青空のなかでこそ、この白い妖精は輝きを増す。
「熊野岳の天くらは金曜日Aクラスです。三連休で人では多いと思いますが、樹氷見に行きませんか」仲間から待っていたラインが入った。我慢強い仲間の天くらウォッチが今日の感激を実現してくれた。何故、ここ蔵王に世界に名高い樹氷ができるのか。日本海側の雪の降り方に注目して欲しい。今行われている北京オリンピック。ジャンプ台の雪は、人工雪が使われている。緯度も高く、気温が低いにも関わらず、雪が降らないのだ。大陸から伸びる寒気が日本海の水蒸気を充填して、日本に上陸して雪を落す。海から供給される水分を含んだ風が、高い山の針葉樹にぶつかって凍る。さらに吹雪でその氷の隙間に雪が入り込む。雪がつき、その樹氷は風上の方に向かって成長する。
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家かスキー場の駐車場まで1時間足らず。リフトも30ほどで、樹氷地帯に着く。こんなに近いところで、かくも見事な樹氷をみることができる。しかし、ここまで足を運ぶのは、一人ではなかなか行くことはできない。この日、スキー場の駐車場は三つある大きな駐車場に車が溢れた。3連休、樹氷の見ごろ、晴天と人が出る条件が揃った。同行した仲間は7名、口々に、今日の景色を堪能し、しっかりと樹氷を目に焼きつけた幸運を語った。