常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

六月に思う

2022年06月01日 | 日記
新しい月がやってきた。梅雨を迎え、サクランボの出荷が始まる月だ。5月は、夏と春が行きつ戻りつ、安定しない気候であった。五月晴れもあったが長続きはせず、沖縄では線状降水帯による大雨であった。あと5年以内に、地球の温度が年間平均で1.5℃上昇するという予測が出ている。関東地方が九州や沖縄のような気候になり、農作物、水産物の収穫が大きく変動する。地球の危機は、もう幾ばくも無い余命しかない者の心を暗くする。

六月の瀬田を眩しむゆきかへり 葭葉悦子

喜びや生きがいについて考えたい。神谷美恵子の『生きがいについて』という本が本棚にあった。ページを繰ると、昭和35年に文化勲章を受けた数学者の新聞記事になった手記が紹介されている。

「小学生の5年のころ、ある日、山へ昆虫採集に行って、美しいチョウをを見つけ、とうとう夕方まで、そのチョウを追いかけたことがあった。その時、もうかくれてかくれて見えないだろうと思っていたチョウを、谷間の杉の木で見つけたときの、強く鋭い喜びは、いまも心のなかに鮮明に残っているが、これこそ発見の純粋な喜びで、私が研究の中で求めている純粋な喜びに通じるものがある。」

真の喜びは、少年のころ、また高齢になってから、変わるものでないことを教えてくれる。年老いてなお、喜びで心を満たすことは、これからの残された日々の過し方でもある。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする