![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/e0/716de2692935291fff19b532d2a5ee51.jpg)
今日、夏至。一年で一番昼のが長い日になる。真夏日が増えてきたが、これから梅雨末期の大雨の季節だ。すでに、九州では雨雲が湧き出て、50㎜以上の雨が予報されている。歳時記を開けば、晴れた夏至はめったにないらしい。午後になって雲が垂れこめてきた。
古沼を抱へて夏至の深曇り 菅裸馬
こんな日は漢詩の夏を読むのも一興だ。高駢は晩唐の詩人。渤海の王にまでなったが時代に波にもまれた詩人であった。その高雅な暮らしが偲ばれる。
山亭の夏日 高駢
緑樹の陰濃くして夏日長し
楼台は影を倒にして池塘に入る
水精の簾は動いて微風起こり
一架の薔薇満院に香し
緑したたる樹々は、その陰を濃く池におとし、陽射しのつよい夏の一日は長い。高楼はその陰をさかさまにして、池の水面に映している。水晶の簾は、そよ風が吹きおこると、音をたてて動く。すると棚一面に咲きこぼれる薔薇の花の庭いっぱいにひろがってきた。