常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

不忘山

2021年02月08日 | 登山
高齢者にとって冬山は手ごわい。楽しみは、雪のなかで雪景色と足元の雪の感触である。不忘山は里山と違って日本百名山、蔵王山の一郭である。この度は、白石スキー場の駐車場に車をとめ、リフトを乗り継いで、標高1150m地点から1700mの頂上を目指す。昨日降った雪が40㌢ほどか、標高を稼ぐほどに深くなっていく。雪の感触は、やや重い。スノーパウダーとはいえず、ラッセルがキツイ。仙台からの若者が、トレースを着けて先行してくれたが、疲労の色がりあり。我々のチームからの提案で、ラッセルを交代ですることに。

彼を含めて10名、ラッセル女性5分、男性10分。わがチームの男性は3名。時折り強風が来て、雪を吹き上げる。もし樹林帯で木々に着雪していれば、吹雪きになる。スキー場の辺りは晴れていたが、山中では雲が出て、風が吹き抜けていく。期待していた雪景色の眺望は、雲と時折りの風雪で消されてしまう。後ろをふり返れば、うっすらと街並みとその先の山が見えている。木の丈が低くなるにつれ、積雪が増え、風が更に強まってくる。1360mの地点でリーダーから声がかかる。「11時半まで、行けるところまで行きましょう。」夏道のルートを登る別パーティの姿が見えてきた。彼等も集団になって、ゆっくりと登っていく。ラッセルはさらにきつくなる。1400mの地点まできた。標高で頂上まで300mの地点だ。時計を見ると、11時半。リーダーからの声。「予定通り進まない。申し訳ないがここで退却しましょう。この先は風が強く眺望も得られません。」

トレースを辿りながら下山。1時間足らずで、スキー場に下る。木の間から陽がさし始める。灰色だった空が、次第に青空へと変わっていく。スキー場でカンジキからアイゼンに履き替える。後ろの方からボーダーが、脇をすり抜けていく。ゲレンデは、スポーツ少年団のスキー教室が行われていた。小学校の低学年の子どもたちが、笑顔でボーゲンにの練習に励んでいた。わずか400mほどの標高の違いでこうも、気象条件は変わるのか。振り返ると、上の山はなおガスに包まれたままだ。

下山しての楽しみである温泉や特産品の販売所へ寄るのも、コロナを注意して中止となった。駐車場には1時30分到着。コンディションの悪い中での山行であったが、ラッセルの疲れのもなんのその、メンバーの表情は明るい。こうした条件のなかでも、山に親しむことに満足している。明日からの活力が得られた。

雪嶺のとらえへがたけれ雲湧きつぎ 成田千空
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 春一番 | トップ | 春の雪 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿