鞍馬街道沿い、市原に本社を置く「川島織物セルコン」。天保14年〈1843)創業の日本を代表するファブリックメーカーです。カーテンなどのインテリアファブリックを生産すると共に、創業以来、伝統の織物製作に取り込んできたことでも知られます。
周囲を山に囲まれた自然豊かな市原に、京都の町中から移転したのは、昭和39年、東京オリンピックの年です。
「広いね~」約58300㎡という広大な敷地には、先ほど見学した「織物文化館」、「川島テキスタイルスクール」などもあります。でも敷地内で最も面積を占めるのは、2つの大きな工場です。
ミモロは、この日、広報担当の有賀友紀さんにお願いして、特別に工場を見学させていただくことに。
「ミモロ、工場見学大好き~」と、ウキウキしているミモロです。
「今日はいつもより作業している人が少ないんですが、どんな作業をしているか、わかっていただけると思います」と有賀さん。「はい、楽しみ~」と、ミモロは、トコトコと敷地内を移動します。
「ホント、広々とした工場・・・なんか空気もいいね~」とミモロ。
「あの~なんで、市原に工場作ったんですか?」とミモロ。
京都にある大きな会社の工場は、五条通から南の場所に多いのです。それは大阪や東京への交通の便の良さなども考慮されたもの。ここ市原は、山間にあるエリアで、岩倉の北、鞍馬や貴船に近い、町の北に位置します。
「それはね~ここがいい水がある場所だからなんです。貴船は、水の神様がいらっしゃり、豊富な水がある場所で、それに近いこのエリアも、とてもいい水が豊かなんです。そういうエリアに工場があるのは、織物にとって大切なこと」と。「なるほど~こういう素晴らしい自然環境の中で作られたものって、それだけでありがたい気がする~」とミモロ。祇園祭の幕や舞台を彩る緞帳など、清らかな気や水がある場所で作るのは、確かにふさわしいことなのでは・・・。
「うわ~すご~い」と、ミモロは、工場に入るなり大きな声をあげました。
まるで体育館のような広いスペースに、大きな機が置かれています。
ここで作るのは、舞台の緞帳などサイズの大きな織物です。「わ~こうやって作るんだ~すごすぎる~」とそのスケールの大きさにビックリ。
10メートルを超える幅の緞帳は、その幅に経糸が何万本もセットされ、その下にセットされた下絵にそって、緯糸を渡し、織ってゆきます。10人以上の職人さんが一列に並び、自分の担当する範囲を織ってゆくのです。
織りは、目に見える部分は、完成品の裏側で、表は、縦糸の下になります。したがって下書きは、原画を裏返したものとして描かれるのだそう。職人さんたちは、手鏡などで織りの具合を確認しながら、少しづつ丁寧に作業してゆきます。緞帳で製作時間は、少なくとも1~2か月かかるそう。
「だれかお休みしたら、作業遅れちゃうね~。体気を付けないとね~」と、また変なことが気になるミモロです。
熟練した職人さんたちが、精魂込めて織りあげる大きな緞帳。「この作業を見ると、緞帳を見る目が変わるね~」とひたすら感心するミモロでした。
大きな緞帳などの糸は、強さとボリュームのあるものが使われます。
「そうだよね~緞帳って大きいからすごく重くなるはず…上から吊るして耐えられる糸じゃないとね~」
客席の遠くからも映える絵柄・・・そして美しい織りの技術が求められます。
「織った作品を移動するのも大変そう…。広い場所がないとできない作業だね~」とミモロ。
「工場なのに静か~」と耳をピクピクさせるミモロ。ここは、手織りの工場なので、機械の音がありません。
全国各地の劇場やホール、会議場などさまざまな場所に、作品を納める「川島織物セルコン」。
きっと知らずに目にしている場所も多いはず…。
「次は、帯などを織るの小さな機のある場所をご案内します」と有賀さん。
「失礼します~」とミモロは、音を立てないように静かに作業場へ入ります。
「わ~細かい作業・・・糸も物凄く細い~」
老眼の人なら見えないかも知れない、細い経糸。そこにこれまたきわめて細い緯糸を図柄に沿って渡します。
ミモロは、近くで見せていただくことに・・・。
「あの~1日でどれくらい織れるんですか?」と質問。「そうですね~1センチくらいかな~」と。
「え~すごく時間かかるんだ~。そうだよね~本当に細かい作業だもの~」
ミモロは、優れた職人の技をそばでじっと見つめていました。
日本の織りの高い技術を示す、雅な帯・・・本当に素晴らしい芸術品です。
「川島織物セルコン」は、「伝統の美術織物も多数手掛け、「祇園祭」の幕などの製作もしています。
「今年の祇園祭は、もっと幕のことよく見よう~」とミモロ。
「ここにも機がいろいろある~」
こちらにも、袋帯、裂地などを織る機が並びます。
「ミモロもよくお着物着るの~。帯もいろいろ持ってるの~こういうところで織られた帯いいなぁ~」と、ミモロ。
う~ミモロの帯は、幅がすごく狭いから、こういう機にはかからないの…。「そうか~」とちょっと残念そう。
以前、ミモロは、西陣の機屋さんなどを見学したことがあります。でも、ここは規模が違います。
極めて細かい織りから、何メートルもある緞帳まで・・・「小さなものから、大きなものまでだね~」とミモロ。
それらに対応できる技術力があるということ。
若い職人さんの育成などにも力を注ぎ、将来への技術の伝承も、行われているのです。
「ありがとうございました~」工場見学を終えたミモロ。
「「川島織物セルコン」って、日本の伝統工芸から、現代の暮らしまで、いろいろなものを作ってるんだね~」と、改めて感激しました。
「今度は、カーテンなんか作ってるところも見学したいで~す」とミモロ。またいずれお邪魔しましょう。
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