ある日ミモロが訪れたのは、堀川通と今出川通の交差点のそばにある「西陣織会館」です。
交差点にひと際目立つ、立派な建物で、ここは京都を代表する産品の西陣織の工房や職人さんたちが加盟する「西陣織工業組合」の建物です。
そもそも西陣織というのは、京都で生産される先染めの紋織物の総称だそう。「西陣」というは、応仁の乱で山名宗全が率いる西軍の陣地が置かれたことに由来します。その戦いの後に、以前から織物の町として栄えていたこの一帯に離散していた職人たちが再び戻り、織物生産を始めたころから「西陣」と呼ばれるようになったのだとか。
「ということは、応仁の乱の前には、『西陣織』はなかったの?」とミモロ。もちろん京都で織物が始まったのは、平安遷都以前のことで、平安京が築かれ、いっそう発展してゆくことに。特に、高い技術を要する綾や錦などの高級織物の生産が得意で、神社仏閣の装飾をはじめ、雅な装いを愛する都人などの購入先にも恵まれ、京都の一大産業となってゆきます。
「西陣織工業組合」のホームページによると…
実は、「西陣」という行政区域はないのだそう。西陣織の業者や職人がいるのは、上京区や北区を中心に、京都各所に広く分布してるそうです。
さらに「西陣」というのは、「西陣織工業組合」の登録商標と。
「え~西陣って、登録商標なんだ~知らなかった~」と驚くミモロです。
西陣織の普及および史料保存などを推進する役割を担うために、できたのがこの「西陣織会館」。
館内には、西陣織の歴史的資料の展示などの企画展
西陣織のできるまでを学べるコーナーなど
西陣織に関係するさまざまな分野のことが集まっていて、ここに来れば、西陣織のことが全部わかる場所なのです。
西陣の着物の美しさを広く使えるために、毎日「きものショー」が開催され、さらに着付け教室なども行われ、外国人観光客や修学旅行生には、大人気の場所。ミモロも、「あそこ、すごく混雑してるから…」と遠慮して行ったことがなかったのでした。
ところがコロナの感染拡大で、外国人観光客は消え、修学旅行生も激減…今や訪れる人がほとんどいないという厳しい状況になっています。
この日も見学者は、ミモロとよく訪れるらしい近所のおばあさんだけ…。
「まぁ、ゆっくり見られていいけど…」と、スタッフの人の方が多い今なのでした。
さて、西陣織会館では、伝統工芸士さんが、交代で実演をしていて、いろいろな伝統工芸ができる様子を見学できます。
この日は、ガランとした館内の一角で「京鹿の子絞」特に、高い技術が必要とされる「本疋田絞」の実演が行われていました。
「わ~すごく細かい…これどうやって絞るの?」と興味津々のミモロ。疋田絞は、生地に刷り込まれた小さなゴマ粒ほどの水玉をひとつひとつ指で摘まんで、糸でくくってゆく作業です。
糸でくくった生地を染める絞染めです。この本疋田絞での総りの着物ができるには、1年はかかると言われます。
実演されていたのは、親子三代でその技を受けついだという高橋さん。
お母様が、そのお母様から教わった技で、三代目となるのだそう。「母の技はすごいです…」とおっしゃる高橋さん。現在、お嬢様もこの技を受け継ぐために修業なさっているそう。今や本疋田絞ができる人は、わずかしかいないのです。
「あの~近くで見てもいいですか?」とミモロは、高橋さんの膝のそばへ。
絞りをするのに使うのは、なんと指だけ。生地の小さな水玉を指先で摘まんで、糸をクルクルと回します。
「よく見えない~」とミモロがいうほど、細かい作業。そして根気がいる作業です。
その作業にただただ感激するミモロでした。
「ミモロも総絞りのお着物もってるけど、本疋田絞じゃないね、きっと…」。そう絞り染めと言っても、その技法は日本では100種類以上あるのだとか。特に本疋田絞りは、その目の細かさから別格と言えます。
「いいもの見せていただいちゃった~」とミモロ。「こちらこそ、楽しかった…見学者と話するの3日ぶりですから…」と高橋さん。
う~そこまで見学者が激減してるんだ~。
また、今回「西陣織会館」では、2月14日まで、「京もの認定工芸士 響」の職人さんたちのセレクション展も行わています。
「ミモロちゃん、来てくれたんだ~」とミモロが振袖づくりでお世話になった金彩の上仲昭浩さん。
「久しぶりに会えたね~」と再会を喜ぶ二人です。
「響」の職人さんたちの作品が並ぶコーナー。「いろいろ素敵なものがある~」とひとつひとつ見てゆくミモロです。
*「西陣織会館」の詳しい情報はホームページで
キャラクターの「にしじんくん」
ここでは、西陣織以外の京都の産品やおみやげ物も種類豊富に揃っています。
<ブログを見たら 金魚をクリックしてね ミモロより
人気ブログランキング
ミモロの通販ショップ「ミモロショップ」はこちら
ミモロへのお問い合わせ・ご要望は、mimoro1888@gmail.comまで