ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

間もなく始まる茶摘み。京都宇治茶房「山本甚次郎」のほんず栽培の茶園で茶摘みを学ぶ

2020-04-29 | 京都

コロナ感染の収束のため、外出自粛が全国的に要請されているGW。
実は、この時期、日本を代表する産物にとって、大切な時期を迎えます。
それは、米と茶。全国各地では、田植えが行われ、また茶葉の産地では、茶摘みのシーズンを迎えます。コロナ感染が収束しない現在ですが、農作物は、待ってはくれません。
この時期を外しては、農家にとっては取り返しがつかない事態に陥ってしまうのです。

ミモロは、茶摘みの本格的開始の前に、日本屈指の高級茶葉の産地、宇治で抹茶の茶葉を育てる「山本甚次郎」の茶園を訪れました。

宇治川沿いに茶畑で、土手の上から見ると、藁の屋根で覆われています。「なんか前に行った、茶畑と違う~」と思うミモロ。
以前も、ミモロはお茶摘み体験をしたことがあり、その時は、山の斜面に茶の木が、ずらりと並んでいる感じでした。

「ミモロちゃん、こんにちは~久しぶり~」と、茶園で迎えて下さったのは、「山本甚次郎」の六代目の山本さん。

百年以上続く茶生産農家で、工場は、大正時代に建てられ文化財にも指定されています。
以前に工場にはお邪魔したことがあります。

「さすが、ミモロちゃん、今日もやる気充分ですね~」と山本さん。茶摘みと聞くと、茶摘み娘の装束で決めたいミモロ。


さっそくここの茶葉のお話を伺います。
「ここの茶畑って、屋根付きなんですね~」と、茶畑全体を葦簀(よしず)と藁でできた屋根で覆われています。
 

「これは16世紀ごろから宇治で行われている本簀(ほんず)栽培というんです」と山本さん。
ここ「山本甚次郎」の茶園は、高級抹茶の原料になる「碾茶」という蒸した後、揉まずに乾燥させるお茶を作っています。
高級抹茶の独特の豊かな香りと旨味などを持つ、最高級の茶葉と言えます。

抹茶を生産するところは多いのですが、400年以上前に伝わったほんず栽培という伝統の栽培方法を今も行っているのは、全国でここだけとも…。

「え~どうしてそんなにほんず栽培する農家少ないんですか?」とミモロ。
「それは、すごく手間がかかるからなんです~」と山本さん。

そもそも碾茶になる茶葉の栽培は、茶葉に当たる日照時間を覆いで調整し、テアニンというアミノ酸の一種など茶独特の旨味成分などを多くします。
でも、多くの茶農家は、日照時間のコントロールには、黒いカバーを使いますが、ここ「山本甚次郎」では、ほんず栽培という宇治の伝統の技を頑なに守っているのです。

茶園を覆う本簀(ほんず)は、琵琶湖畔の葦と地元の水田の藁を使います。
 
それを、鉄のフレームの上に乗って、まず葦簀を茶園全体に覆い、その上に藁束を置いてゆきます。
「今は、鉄のフレームですが、以前は竹で組んでました~」とのこと。細いフレームの上を歩きながら、葦簀を広げる作業は、「ネコでも歩くのむずかしそう~」と思うミモロでした。

新芽が芽吹き始めるの3月下旬に用意し、約40日間、天気と新芽の状況に合わせ、屋根を覆う藁の量を調整するのだそう。

ミモロが訪れた時期は、まだ光が茶園いっぱいに・・・でも、本格的に茶摘みが始まる5月上旬には、もっと暗くなるんだそう。

「なんで、そんな大変なほんず栽培するんですか?」とミモロ。
「やはり伝統の栽培方法には、それなりの良さがたくさんあるんです。たとえば、藁の置き方で、微妙な日照調整ができたり、第一、自然なものを通る風の方が気持ちいいでしょ?」と山本さん。「うん、気持ちいい~茶葉もミモロと同じだね~きっと…」

茶摘みが終わると、ほんずは外され、茶園のそばにある覆い小屋に納められ、次の時期まで出番を待つことに。
 

さぁ、次は茶摘み・・・茶園に戻りましょう。



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