ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

お座敷で体験するヨガレッスン。「パーフェクト ポーション」のオーガニックアロマが誘う癒しの時間

2013-02-18 | 体験

「最近、運動不足…それに寒さのせいか、体がコチコチになっちゃったー」というミモロ。ある日、京都の町中、楊馬場通を歩いていた時、一軒のお店に立ち止まりました。

「パーフェクト ポーション」と書かれた看板。「ナチュラルコスメとオーガニックアロマ」などを扱うお店です。
「なんか癒されるものがありそう…」よほど疲れを感じているのか、ミモロは、吸い寄せられるように店内へ。

お店に一歩入ると、ホワーっといい香りが、ミモロの鼻をくすぐります。
「わー清々しい香りー。なんかホッとしちゃう…」

この「パーフェクト ポーション」は、オーストラリア生まれのナチュラルコスメで、日本での展開は、京都から始まりました。現在、西日本を中心に店舗が作られ、3月からは東京店もオープンするそう。

「なんか最近スゴーク体が硬い感じ…リラックスできるものありますか?」と悩みを相談するミモロです。

「アロマの香りをお部屋でのんびり楽しんだり、バスオイルを入れて、ゆっくりお風呂にはいったりするのは、いかがですか?オーガニック認定の体にも、そして地球にもやさしい製品がいろいろ揃っているんですよ…」とお店の方。

お店の中をあれこれ見て廻っていたミモロ、「あれ?アロマヨガだって…」
<オーガニックなアロマの香りに包まれながら、ココロとカラダをすっきり、のびのびさせましょう>と書いてあります。「これ、いいかも…」と、ミモロは、さっそく参加してみることに。
「はじめてでもいいんだってー」と、ヨガ教室の開かれる金曜日の夜に再びお店を訪れることに。

待ちに待った金曜日の夜…ミモロは、楽しみにお店へ。
「はい、3階でヨガのお教室をしますから、上がってください…」とお店の方に言われ、ビルの階段を3階へ。
「ここかな?」と襖を開けると、そこは畳敷きのお座敷。「あれ?ここ?」ちょっと戸惑うミモロです。
想像していたのは、フローリングで大きな鏡がある、スポーツジムのようなスタジオ。
「京都って、ヨガスタジオも和室のお座敷なんだー。前に行った英会話のお教室もお寺のお座敷だったー」と、密かに納得。
確かに、文化講座、展示会など、人が集まるイベントなどは、お座敷が会場になることが多い京都。それは、和室の数が、断然東京より多く、また広々した多様性のあるスペースとして、お座敷が一番適しているからでしょう。もちろんフローリングのモダンなスペースもありますが、文化講座などは、お寺や町家での開催が人気。京都に暮らして、和室がすごく身近になり、またその魅力を再認識しました。

お座敷の奥から、
「いらっしゃいませ…初めての方ですね。どうぞ着替えて、ヨガマットの上に座ってください」と、笑顔で迎えてくださったのは、インストラクターの村井麻保先生。


お座敷の片隅で着替えたミモロは、ヨガマットの上に座ります。

この日の生徒は、ミモロだけ。「わープライベートレッスンになっちゃったー」と。
障子と床の間のお座敷という環境でのヨガは初めて…。
「でも、なんかいい感じ…。落ち着く…。それに畳だから、お尻や足にやさしい感じ…」
部屋には、オーガニックアロマの爽やかな香りが立ち込め、深呼吸をするたびに癒されてゆくよう…。

「では、ゆっくり呼吸をしながら、体を伸ばしてゆきます」。まほ先生の穏やかな声が耳にやさしく響きます。
「はい、体の脇をよーくのばして…無理しないで、自分のできるところまででいいですよー」

「うー」ミモロも先生のマネをしながら、ゆっくり体を伸ばします。
「こんな感じかなー?」
「なかなかいいですねー。呼吸を止めないようにねー」

「ハイ、視線は、少し上の方を見るように…」
ボキボキ…日頃使っていない筋肉を伸ばすと、骨が音を…。「うーかなり体、硬かったんだー」
ミモロは、一生懸命ヨガのポーズを習います。

「では、少し腰を廻して、足の裏側を伸ばしましょう…」

ミモロの額には、うっすら汗がにじみます。

いろいろなポーズをゆっくりと…。
次は、横になって足と背中を伸ばします。
「背中をマットから浮かせないように…」

「うー」と言いながら、足を上に…。「ミモロちゃん、体、柔らかいですねー」「そ、そうですかー」

いろいろなポーズを30分ほど続け、最後は、マットに仰向けに横になってリラックス。
まほ先生が、毛布を掛けてくださいました。

「あーいい気持ち…ムチャムチャ…」先生の声を子守唄に、目を閉じると深い眠りに落ちて行きます。
ウトウトした何とも心地よい時間…。
「ではゆっくり、目を開けて…最後に胸の前で手を合わせて終わります」と。


「ありがとうございました…」お礼をいう言葉がすごく眠そう…。ミモロはまだ夢の中にいるみたい…。

「わーさっぱりしたー。すごくいい気持ち、頭もすっきり、体が内側から温かくなってきたー」とヨガを終えたミモロは、嬉しそう…。

実は、このお教室は、2月の中旬でおしまい。お店が三条烏丸の京都店と一緒になるため移転します。

「わー毎週通いたかったのに…」とミモロはがっかり。また、どこかでなほ先生のお教室に参加したいと…。

「お座敷のヨガって、フローリングのスタジオより、すごくやさしい感じ。横になって背中を付いても、痛くないし…。またお座敷のヨガ教室があったらいいなぁー」
すっかりお座敷ヨガの魅力にはまったミモロでした。

*「パーフェクト ポーション」に関する情報は、ホームページで。オンラインでお買い物も可能です。


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中国の明朝様式による伽藍配置の「黄檗山 萬福寺」。日本に多くのものをもたらした隠元禅師の功績。

2013-02-17 | 寺社仏閣

都七福神まいりの布袋様に詣でるために訪れた、宇治の「黄檗山 萬福寺」。

臨済宗、曹洞宗、黄檗宗という日本の禅宗のひとつ黄檗宗の大本山です。中国から江戸時代に渡来した隠元禅師により開創された寺院はすべて明朝様式。伽藍、建物、法具など、至る所に中国風の趣が漂っています。

萬福寺の主要な建造物23棟などは、国の重要文化財で、それらを回廊などが結びます。


伽藍最大の建造物、本堂の「大雄宝殿(だいおうほうでん)」は、日本唯一のチーク材による歴史的建造物。
堂々とした風格漂う建物です。

ご本尊は、釈迦牟尼仏。その両側には、十八羅漢像がズラリと並び、ご本尊をお守りしています。

禅の修業を行う場所のお寺では、本堂をはじめ、全体に凛として空気が…。
ここでの儀式作法は、明朝時代の仏教儀礼に基づいたもの。毎日のお経も、黄檗唐韻という中国語の発音で読まれまるのだそう。


ミモロは、本堂でお線香をあげ、参拝を。
建物の窓や長寿を司る桃の彫りものなど、ミモロがステキと思うものもいろいろ見つけました。


お寺の回廊を歩くと、珍しいものが次々にミモロの前に現れます。

「これ鐘だよねー」
「あ、叩くものがあるー」ミモロ、叩いちゃダメ!危ない、危ない…

「わー大きなお魚…」
ミモロが、一口で飲み込まれそうな大きさです。
これは、時を告げるために使われる法具で、木魚の原形の「開版(かいばん)」というもの。
「原形ということは、これがお魚の形しているから、他の形をしても、今、木魚っていわれるのかな?」なかなか鋭いミモロです。


説法を行う「法堂(はっとう)」の勾欄(こうらん)は、卍や卍くずしの文様

そもそも卍は、洋の東西を問わず古くから吉祥文様として用いられています。
卍くずしは、卍をくずした形を連続させた文様。法隆寺の建造物にも見ることができます。


さて、回廊をぐるりとめぐり、スタート地点の三門のそばに、「開山堂」が。

ここは、隠元禅師をお祀りするお堂。隠元禅師は、後水尾法皇や四代将軍徳川家綱から崇敬された高僧で、承応3年(1654)に日本に来られた時は、63歳。20名の弟子と共に、3年ほどの滞在のつもりでいらしたそう。

隠元禅師が、日本にもたらしたものは、数多く、印刷技術、煎茶、普茶料理、インゲンマメ、スイカ、蓮根、木魚、孟宗竹など、今の私たちの生活に馴染みのものばかりです。


萬福寺の中でも、「普茶料理」という中国風精進料理が味わえます(要予約)。

「開山堂」のそばには、隠元禅師がもたらしたという隠元やぶが…。

「美味しいタケノコや大好物のスイカが食べられるのも、食後に煎茶が飲めるのも、隠元さまの御蔭だねー。ホント、はるばる来てくださって、ありがたい…」と、食いしん坊のミモロは感謝しきり。

食べ物だけでなく、隠元禅師の功績は、建築、美術、学問の分野でも、日本に大きな影響を与えました。

当初、短期間の滞在の予定が、日本側の懇願により、長きにわたり、ついに日本に骨を埋めることに。

「隠元禅師って、すごい方なんだねー。今度来るときは、功績をより体感するために、事前に普茶料理予約して来よう…」
やはり食べ物に心惹かれるミモロでした。


*「黄檗山 萬福寺」の詳しい情報は、ホームページで。

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ミモロの都七福神まいり。富貴繁栄を司る福々しい姿の布袋様。「黄檗山 萬福寺」

2013-02-16 | 寺社仏閣

ミモロの都七福神まいりも、いよいよ大詰め。「布袋様にお詣りすれば、わー七福神全員だよー!」と、ついにフィナーレを迎えることに。

布袋様がいらっしゃるのは、宇治にある「黄檗山萬福寺」です。ここは、中国から渡来した隠元禅師が、寛文元年(1661)に開創した、禅の黄檗宗の総本山です。

入口には、創建当時に建立された、屋根に段差のある中国風の「総門」が聳えています。
「あ、屋根に鯱(しゃちほこ)?でも…」

よく見ると、ヒレではなく足をもつ、「摩伽羅」という想像上の動物。東南アジアの仏教寺院では、入口に魔除けの意味で飾られることが多いそう。

総門から進むと、拝観受付のある三門へ。
「えーっと布袋様がいらっしゃるのは、どこだろ?」萬福寺は、中国の明朝様式を取り入れた伽藍配置の大きなお寺。今も、開創当時の面影を留める貴重な寺院です。

「あ、ここだー!都七福神のノボリが立ってるー」
ここは、天王殿。
「あの中に布袋様がいらっしゃるんだねー」とミモロは、イソイソと階段を上がり中へ。

さて、布袋様は、布袋尊と呼ばれ、七福神の中で唯一、実在の人間をモデルにした神様です。中国の唐時代末期の契比という名の、背が低く、たっぷりとしたお腹、そしていつも笑みを浮かべながら、大きな袋を背負って歩いていた禅僧の姿だとか。また、優れた予知能力を備えていたいわれます。その温厚な人柄から、人徳・福徳、また予知能力から商売繁盛、富貴福徳の神さまとして、多くの人の信仰を集めることに。さらに弥勒菩薩の化身とも言われます。

天王殿の中央には、ドーンという感じで大きな金色の布袋様が鎮座。
「わー迫力あるー!」
ミモロは、他の七福神とは感じが異なる布袋様にちょっとビックリ。
「大きなお腹ーうーかなりメタボだね…」シーッ!ミモロ、失礼よ…。

横顔を拝見すると、どこか異国風のお顔立ち。

「たくさん食べすぎると、ミモロのお腹もあんな風になっちゃうのかな?」と、心配そうな顔に。

ともかく、深々と参拝し、「都七福神まいり」は、無事終わりました。

布袋像のすぐそばの台に、カラフルな小さな袋が…。

「これ、なんだろ?」と見ると、それはお願い事を書いて祈願する絵馬のようなもの。

さっそくミモロもお願い事を書いて納めることに。

黄色は、金運、赤は恋愛運、白は念願成就、緑は健康運など、お願いする内容別に、袋の色を選びます。
ミモロは、白を…なにか叶えたいことがあるの?「うん、でもヒミツ…」願い事を紙に書くと、クルクル丸めて、袋の中へ入れ、口を紐で縛って出来上がり。

奉納する場所に吊るし、また熱心にお願いするミモロです。


さて、金色の布袋像の後ろ側に回ると、そこには、勇ましい姿の韋駄天さま。

韋駄天は、伽藍を守る神様で、仏舎利が奪われた時に、追いかけて取り戻したことから、足の速い神様と思われ、その話より、足の速い人をイダテンと呼ぶようになったとか。子供の病気除け、盗難除けの神さまとしても知られます。

ちなみに、「御馳走(ごちそう)」という言葉は、韋駄天が釈迦のために走り回って食べ物を集めたと言われることに由来したとか。


「うーなるほど、食事の後にいう言葉なのに、食べ物っぽい字が使われてなくて不思議だったー」とミモロ。
ミモロも、食べる前に走ったら…。「えーそんなーお腹空いちゃう・・」

都七福神まいり…全部廻ったミモロには、一体どんな幸運が訪れることか…楽しみにするミモロです。

*「黄檗山 萬福寺」の詳しい情報は、ホームぺージで。


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寺町二条の装身具と布の店「ADORN(アドーン)」。カシミール地方などアジアの布や装飾品が豊富。

2013-02-15 | お気に入りの品

ミモロのお気に入りの散策エリアのひとつが、寺町二条周辺です。御池通から丸太町通までの寺町通は、大人の趣味の通り。アンティークショップ、画廊、墨や紙の老舗をはじめ、大人が興味を抱きそうなしっかりとした品々を扱うお店が多数そろっています。

この日、ミモロが立ち寄ったのは、装身具と布の「ADORN アドーン」というお店です。
「アドーン」とは、美しいものをさらに美しく飾るという意味。

店先のウィンドーには、刺繍の布を使った小さな額や、美しいリボンが飾られています。

「あ、こういうのミモロのお洋服に付けたいなぁー」と、ミモロは、美しい色の刺繍が施されたリボンを見つめます。さぁ、店内に入りましょう。


店の壁一面には、刺繍などの施された布のリボンがズラリ。よくチロリアンテープといわれる装飾用のテープです。


「わーどれもすごくキレイ…どこ製のもの?」とミモロ。
「それは、インドや中国、アフガンなどのものですよー」と、オーナーの石田としみさん。


このお店を始めて4年ほど。以前は、西洋美術を勉強していたそうで、ご自身も油絵を描いていたのだと。
「西洋美術、とくにイタリアのものを学んでいる内に、ヨーロッパの芸術家が、北アジアの文化に大きく影響されていることを知ったんです。そこで、アジア、特にカシミール地方やアフガンなどの文化に触れはじめたら、すっかりその魅力にはまってしまいました。ここでは、インド、中国、アフリカ、中東諸国の布や装身具を扱っているんですよ」。年に何回か、現地に向かい、さまざまな品を仕入れるそう。

「うん、わかる気がする…本当にどれも素敵な色と幾何学模様など素晴らしい…」と、棚のリボンにすっかり魅力されてしまったミモロです。

イスラム文化は、偶像崇拝を禁止。それゆえ、モスクなどを飾る装飾は、永遠を象徴する幾何学模様や植物などが用いられます。その色彩の美しさは、つい見惚れてしまうほど。


「わーいろんな布があるー」
カシミール地方のカシミアで作られた布。「すごくなめらかで、柔らかくて気持ちいいー」「じゃ、ちょっと着てみたら…」
石田さんがミモロにインド風に布を巻きつけてくれました。
「あら、よく似合う…」
パシュミナを巻いたら、なんかすごくエレガントな雰囲気に。

「これも似合うと思う…。ねぇ、どう?」
幅広のリボンを使ったシュシュ。
ミモロ得意のシュシュの帽子です。

自分の姿にウットリと…

店には、布のほかに、いろいろな雑貨も。

布に模様をつける木製のスタンプ。緻密な模様が彫り込まれています。
「これを紙に押すと、すてきな便箋やメモになりますよ」

「キャー小さな器…」
ミモロサイズのお茶碗?薬味などを入れるとステキな中国製の小さな器です。

「わーキレイなアクセサリーもいろいろあるー」

「ねぇ、似合う?」
女の子のミモロは、おしゃれが大好き。天然石を連ねたブレスレットです。

すっかりこのお店が気に入ったミモロ。アジア雑貨と一口に言っても、そのレベルはさまざま。ここに揃っているのは、石田さんのセンスで選んだ、アートを感じさせる品ばかり。チープな感じがしないのが魅力です。

「これ買ってもいい?」
はい、どうぞ…リボンは、1メートル200円~3000円ほどまで、種類も豊富に。

お店の品々を見たり、触れたりしていたら、すっかり夜に…。
さぁ、もう帰りましょ!「また、来まーす」と、石田さんと約束して、店を後にするミモロです


*「ADORN(アドーン)」京都市中京区寺町二条西側妙満寺町447-3 電話075-255-5118 11:00~19:00 火曜休み(2月中は、仕入れのためカシミール地方へ。お店は、3月から平常営業に)交通/地下鉄東西線「京都市役所前」駅から寺町通を北に。二条通の交差点の西側です。

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「東映太秦映画村」が、よくわかる「おもしろ散策ツアー」。俳優さんがご案内

2013-02-14 | 京都

「東映太秦映画村」の江戸の町並や忍者ショー、ちゃんぱら指南、大道芸のがまの油売りを楽しんだミモロ。
さて、最後に参加したのは、映画村がよーくわかる「おもしろ散策ツアー」。俳優さんが映画村の中を解説しながら案内してくれます。


その日の集合時間に、ミモロは、集合場所へ、ハリキッテ出かけます。ミモロは、一番乗り。案内役の俳優さんの宮崎智弘さんといっしょに、他の人が来るのを待つことに。
「なんか、なかなか来ませんねー」とミモロは、心配そう。「うーん、今日は、参加はひとりかな?」「あのーミモロだけでもいいんですか?」「はい、あ、ミモロちゃんっていうんですね。では、さっそくご案内しましょ」と、この日は、特別寒かったせいもあり、この時間の参加者は、ミモロだけ。「わー、宮崎さん独占しちゃうもんねー」と、まるでプライベートツアーのよう。うれしそうに、宮崎さんのあとに続きます。


まず案内されたのは四角いプールのような場所。
「ここは、撮影では、港町になったり、川になったり、水が登場する場面に使われます。よく悪者が、やっつけられて川に落ちる場面があるでしょ、あれは、なかなかむずかしいショットなんです。ともかく失敗が許されない。失敗したら、着物が濡れてしまうし、一番大変なのがカツラなんです。失敗できない撮影なので、ベテランの切られ役の上手な俳優さんが担当することが多いんですよ」「悪者が切られて、ドボンと川に落ちる場面でしょ。むずかしいんだー」。「ちょっとカツラに触ってみますか?」

「わーカチカチ…」「カツラの中には、薄い金属板が入っているんですよー。カツラを濡らすと大変なんです。また使うのに手間と時間がかかって…」

「あ、池から、なんか出てきたー」「そう、池の主の恐竜です…」
「うー江戸の町に怪獣だー。太秦のウッシー?」

「ミモロ、時代劇大好きなんですー。例えば、『八丁堀の七人』なんか好きでした」「それは、ここで撮影したんですよ。そう、じゃ、いろいろ案内しますね」

すっかり時代劇の話で盛り上がったふたりは、楽しそうに江戸の町を歩きます。

「はい、ここの家が、セットの中でひとつのポイントです。この家は、簡単に移動できるんですよ。他に場所に移動すれば、ここは大通りになります」

「ちょっと後ろに回って見て下さい」「あれ、お家がない…」
そう、この家は、表だけで、裏はなんにもありません。「でも、表から見ると、本当のお家に見える…」

映画村のセットは、看板、暖簾、建具など、建物の一部を変更するだけで、別の町に早変わり。スゴイ!

「これ持ってみてー」とミモロに渡された大きな石。
「えー無理無理…」とミモロ。躊躇していると腕に乗せられました。「あれ?軽い…」その石は、作りもの。でも、本物のように見えるから不思議…・
例えば、大きな甕も、作りもののことが多いそう。でもその中にいくつか本物を入れておくと、全体が本物に見えるんだとか。墓石、庭石なども作りものが…。大道具さんの技術の高さが光ります。

ミモロ、気を付けて…井戸に落ちるわよ…。長屋のおばさんたちが、よく井戸端でおしゃべりするシーンなどに登場するセット。
「大丈夫だよー…お水ないもの…」そう、この井戸もセットなので、地面に井戸の枠を置いているだけ。
「よく井戸から水を汲みだすシーンは、あらかじめ桶に水を入れておいて、それを持ち上げるんですよ」
「なるほどー」「でも、本物の井戸なら、縄の部分が、濡れていますが、セットだと濡れてないことが…。そこを見ると、あ、セットだーってわかります」

ふたりは、さらに江戸の町を歩きます。


「あのーさっきちゃんばら指南で、習ったのー。また、やってもいい?」とミモロ。
「では…」と、またミモロは、ちゃんばらを。
「なかなかやりますなー」と宮崎さん。
「時代劇の切りあいの場面で、大切なのは、切られ方。主役の俳優さんが、いかにカッコよく見せられるかは、切られる人の演技次第。ただ、倒れるだけじゃだめ、一回転したり、のけぞったり、そこに切られる人の演技があるわけ…。主役の俳優さんによっては、切られ役の俳優さんを指名する人もいるんですよ」と。
「あのー切られた人、踏まれちゃったりしないの?」とミモロ。
「はい、上手に画面から消えて、大勢の浪人や家来が必要な場合は、一度切られた人が、もう一度、切りかかることも。だから、切られる人の衣装は、みんな似たような感じにしてあるんです」
「いつまでも、切られて横になってちゃ、いけないんだー」「そう、邪魔です」

最後に連れて行ってくださったのは、撮影の様子が一目でわかるパノラマ。

「こういうところで、撮影するんだー」とミモロは、興味津々。

時代劇の撮影は、映画村の中だけでなく、京都の町でも。よく登場するのが、映画村から近い、嵯峨の大覚寺の周辺、そして東山の南禅寺付近なども登場します。また、ミモロが何度か訪れた滋賀県の近江八幡も、ロケ地になる場所のひとつです。

時代劇の場合、ロケ地には、電柱がないこと、近くに景色を損なう近代的な建物がないことなどは、必須条件。
だから、よく時代劇を見ている人ならわかりますが、地名が違っていても、景色が同じことはたびたび。
「江戸が舞台の時代劇でも、景色は京都なんだー」。

でも、今の時代劇の多くは、こういう撮影所で行われます。照明の変化などで夜や朝のシーン、雨も自在に降らせることが可能ですから。


「この建物は、なあに?」「それは、楽屋などがある建物。主役クラスの大物俳優さんは、自分の個室をもっているんですよ。僕らは、大勢で一緒の大部屋で、建物の上に方にあるんです。大物俳優さんの部屋のある下の階には、行けないんです。通るのは、階段だけ…」「へー厳しい世界なんだねー」

時代劇が大好きという俳優の宮崎智弘さん。
笑顔がステキな俳優さんです。「今度、時代劇見るときは、エンディンロールまで、よーく見ます」と、ミモロ。

「今日は、ミモロのためだけに案内してくださって、ありがとうございました。」
「いえ、なんのなんの…楽しゅうござった…」と握手でお別れ。


映画村を出る前に、うどんやさんへ。
「あれ?割り箸の袋がミモロの刀といっしょだー」

なかなか凝った演出。
大好きなきつねうどんをお腹いっぱい食べました。

「わー楽しかったー。今度は、『お化け屋敷』や『からくり忍者屋敷』にも行きたいなぁー」


西の山に、そろそろ陽が傾き始めた江戸の町に別れを告げるミモロ。その後ろ姿には、大きな満足感と幾分かの疲れが漂っていました。(完)


*「東映太秦映画村」のくわしい情報はホームページで。

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