友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

リーダーの役割

2007年07月13日 23時56分34秒 | Weblog
 お世話になっている社長さんに「ご忠告ありがとうございました」と言われ、一瞬戸惑った。私がブログに書いた『事業を支えるのは従業員だが』と題した記事を読んでくださっていたのだ。私は恩義があり、ぜひとも大きく成長して欲しい事業所である。以前、社長が「私の思いを汲んでやってくれる従業員がいない」とこぼしてみえた。私が見る限りでは、社長は自分の思いやビジョンを従業員と膝を交えて話していない。話さなければ伝わらない。「わかるだろう」ではわからないのだ。

 谷川俊太郎の作品に「アイザック・ニュートン」がある。万有引力の法則を発見したイギリスの科学者だ。谷川さんは独自のユーモアで、ニュートンといいなずけのエリザベスの会話を作品にしている。二人がリンゴ園を仲良く腕を組んで歩いていた時に、一個のリンゴが足元に落ちてきたことから、交わす会話を書き上げた作品である。そのおもしろさは読んでいただいた方がよくわかるので省くが、この作品からも、人というものは誠に難儀なものであることが確かだとわかる。

 恋人同士でお互いによくわかっているつもりであっても、意外にもわかっていないというよりも、わかることと同調することとは違うということなのだろう。理解することは即受け入れるということではないし、同じ意見同じ考えになることではない。そうわかっているのに、それは理解しているが、やはり同じ意見同じ考え同じ感性になって欲しいと人間は求めるもののようだ。別々であるからこそ、互いの存在を認められる、違っているからこそ、お互いが必要としている、こういう関係を私はヨシとしたい。

 7家族12人でアメリカ旅行をした時、最年長者が私を「この旅行の総責任者」と決めた。もちろん私はそのつもりでいたが、彼は私がその役目を充分に果たしていなかったと感じていたようだった。彼は、修学旅行の引率教員のように、その場その場で点呼をとり、注意を与え、引っ張っていくことを期待していた。しかし、私たちのグループの中にはその役目にピッタリの人がいたし、見事にやってのけてくれていたので彼に任せていた。私は目立つだけがリーダーとは思っていない。みんなが信頼して、働いてくれる雰囲気を作り上げておくことがリーダーの役目だと思っている。仲間の和が崩れそうになったり、みんなの前に立つ人が落ち込んだり、そんな時こそがリーダーが力を発揮する時である。

 わが身を犠牲にできないような人はリーダーにはなれない。仲間のために、尽くすことができなくてはリーダーにはなれない。私はそう信じてきた。
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