友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

参院選挙の結果は当然だ

2010年07月12日 22時02分56秒 | Weblog
 菅直人首相はかなりショックを受けているようだ。消費税問題を前面に出し、そうすることで普天間も献金疑惑も吹っ飛んだ。そこまでは読んでいたかも知れないが、まさかこれほどまでの敗北になるとは思ってもいなかったのだろう。あわよくば、引き続いた政権で、消費税問題にも取り掛かろうと描いていたのかもしれない。「策士、策に溺れる」とはよく言ったものだ。民主党はこの惨敗をどうやって乗り越えるのだろうか。少なくとも誰か、安住か枝野か、重量級をいけにえにしなければ収拾はつかないだろう。

 民主党の惨敗の原因はハッキリしている。民主党に代わって票を得た「みんなの党」のスローガンに集約されている。「消費税を言う前にやるべきことがあるだろう!」。誰もがそう思った。菅さんが消費税に触れた時、「どうして消費税なのだ。もっとやるべきことがあるだろう。民主党はそう言ってきたのではないか」と思ったはずだ。事業仕分けは思ったほどの財源は生まなかったかもしれないが、これぞ政権交代の賜物だとみんなが思った。事業仕分けだけでなく、公務員のあり方や給与についても、メスを入れたならば、国民は納得できた。それも行なわずに、いきなり消費税を云々されたのでは不信感しか生まれないのは当たり前だ。

 選挙期間中でも、民主党の候補者の中には、「消費税の値上げには反対だ」と言う人もいた。菅首相は先走ったけれど、どうやら民主党の内部で十分な議論がされていないことが明白だ。党内討論が保障されないような政党は、民主的な政党とは言えない。民主党はダメだなと思った。公明党や共産党はもともと中央集権的な政党で、上意下達がハッキリしている。ところが民主党も小沢一郎前幹事長の意向の強さが党内の自由な議論を妨げてきたようだ。みんなが自由に自分の意見が言える、そういう政党でなければならない。

 選挙の結果を見ると、民主党へ投票していた無党派の人たちの多くが「みんなの党」に流れたが、それ以外にはそんなに大きな変化はないように思う。確かに共産党も社民党も支持が伸びない。公明党は横ばいで、議席は減らしてしまっている。「国民新党」や「立ちあがれ日本」や「新党改革」も立ち枯れ状態だ。こういう政党に国民は大きな期待を寄せていないということなのだろう。「みんなの党」の主張は分かり易く、だからこそ票を伸ばせたのだと思う。

 いずれにしてもこれからの政治はますます現実路線に向かうだろう。理想主義者の私にすれば、嫌な時代になりつつあるわけだけれど、「理想に向かって何が悪い」と言えるパワーと根拠が希薄になってきている。私は政治の目的は「理想に向かう」ことにあると思っている。健康でお金があれば自分でやっていける。けれども、それができない人を手助けすることは政治の役割である。だから政治にかかわる人は正義感が強く清貧に甘んじることができなければならない。

 中国の古い時代から、政治家の使命は論じられてきた。民主党をはじめとする政治家の皆さんにもう一度政治の役割について真摯に議論を重ねて欲しい。
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