友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

映画『世界の果ての通学路』

2016年03月07日 18時01分41秒 | Weblog

 昨日、とらいあんぐるフェスタの目玉事業である映画『世界の果ての通学路』を結城愛さんと一緒に観た。昨年は福山雅治主演の『そして父になる』だったが、今年の映画はそれほど知られていないから果たして人が集まるかと心配されたが、まあまあの入りだったように思う。映画を何にするかを決める時、私はどうしても男女共同参画とのかかわりを考えてしまうが、「人が集まらなければ意味がない」と考える人もいて、理想よりも現実が優先されてしまう。

 映画『世界の果ての通学路』は4カ国の子どもが学校へ通学する様子を捉えたドキュメンタリーだ。ケニアの兄妹は野生動物が生息するサバンナを走っていく。モロッコの女の子は山奥の村から石がゴロゴロある山道をどういうわけか鶏を1匹袋に入れて学校へ向かう。途中で同じ学校の女の子と合流するが、余りに険しい山道なのでひとりの女の子が足を痛めてしまう。チリの山奥から馬で学校へと向かう兄妹も、落ちたら命がない絶壁の道を馬上で揺られていく。馬でなければ無理な通学路だ。

 インドでは3人兄弟が学校へ向かうのだが、長男は未熟児で生まれて手足がマヒしている。手製の車いすに長男を乗せ、次男が引っ張り、3男が押していく。近道だからと川を渡る場面では車輪が埋まってしまい、観客席からも「ヨイショ」と声が出る。余りにも過酷な通学だ。ボロボロの車いすは途中でタイヤが外れてしまう。それでも次男と3男は大好きな兄を学校へと連れていく。空想の話をしたり、歌を歌ったり、観ている私たちまで励まされる思いだ。

 世界には4時間もかけて、それも命がけで学校へ行く子どもたちがいる。親は自分たちの頃は学校へ行けなかったので、何としても通わせてやりたい。ケニアの子はパイロットになって空から世界を見てみたい、インドの長男は医者になって自分のような子を救いたい、モロッコの女の子も医者か先生になる、チリの子は山に残って牧畜をする、それぞれが夢を描いて学校へ通っている。

「こういう映画は学校で、子どもたちにぜひ見てもらいたい」。そんな声を聞く。結城愛さんの講演に続いて、また涙を流してしまった。

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