朝9時から、名古屋ウィメンズマラソンをテレビで見た。マラソンは先頭集団にいることが大事と言われるが、注目の野口みずき選手は先頭集団に留まることが出来なかった。その差は開くばかりだったから、逆転は難しく思われた。ペースメーカーのすぐ後ろに優勝候補と目されているバーレーンのキルワ選手がいた。身体がとても美しい。優勝のインタビューを見ると顔立ちも美しかった。
解説の瀬古さんが「マラソンは35キロからが勝負ですから」と言っていたが、30キロでペースメーカーが集団から離れると、キルワ選手が一気に前に出た。これを追って小原玲選手がスピードを上げた。さらに田中智美選手も前に出た。この二人が最後まで並走し、どっちが前に出るのだろうとテレビを見ていた人はドキドキしていたに違いない。
ゴールのあるナゴヤドームへの曲がり角で、身体半分ほど田中選手が前にいた。小原選手は田中選手よりも身体が大きいので、最後のスタミナはあるのかも知れないと思ったが、残り100メートルない直線でも田中選手のスピードは落ちなかった。二人の差はわずか1秒だった。このマラソンはリオデジャネイロ・オリンピックの最後の選考大会という。1秒でも2位ではだめなのだろうか。
野口選手は最後まで走り切った。順位は23位。昔の切れはなかったが、途中棄権することもなくよく頑張ったと思う。元オリンピック選手であるから、結果は悔しいだろうが、沿道で応援する人たちに手を振り、「自分の走りが出来た」とコメントしていたから、彼女としては完走できたことに満足感があるのだろう。みっともないからと棄権したくなるところなのに、凄いなと感心した。
ただ、ひたすら走るだけの競技だが、2時間30分も見続け、ゴールした時は自分まで涙を流している。この後のNHKのど自慢でも、どういう訳か何度も涙を流してしまった。