今朝、中学校の教頭から電話が入った。まずはお礼があり、続いて、「実は水が出ないのです」と言われる。えっ、昨日はあんなに出ていたのにもう出ないとはどういうことなのか、しばらく考えて思いついた。中学校へ行き、手押しポンプを見る。確かにポンプには水がない。私は急いで手洗いのホースを引っ張って来て、手押しポンプに水を注ぎながら柄を上下してみる。水は勢いよく流れ出た。
そこへ教頭・校長・校務主任がやって来た。「先生、やってみてください」と教頭に声をかける。「出ますね。朝、やった時は全くダメだったんですが‥」と教頭。「すみません。私がもう少していねいにお話すればよかったのですが」と謝り、「この手押しポンプは昔の型なので、ピストンをプラスチックに換えてもポンプの中の水が落ちてしまいます。その時は上から水を流しながら柄を上下してください。それで水は出ると思います」と説明する。
私がそうではないかと思いついたのは、昨夜、今度小学校へ入学する孫娘が遊びに来て、「なぞなぞしよう。問題出して」と言ったことがきっかけだ。カミさんが「子どもの頃よくやったのはね、上は大水、下は大火事、さてなーんだ」と言う。大学生の孫娘も「えっ、それ何?」と考え込む。そこで校長にこの話をして、「なんだと思いますか?」と聞いてみた。校長も考えていたが分からない。答えは「お風呂」なのだが、6歳の孫娘は「シャワーの?」と聞き直すくらいだ。
見たことも体験したこともないものは思いつかない。私たちは子どもの頃、風呂は木の桶でマキを焚いて入ったからこのなぞなぞに答えられるが、そんな風呂はもう無い。手押しポンプも写真では見たことがあっても使ったことがないから、呼び水をすることなど思いつかなかったのだ。生活のスタイルが変わってしまい、忘れられたことも多い。
和式トイレは小便と大便に分けられているが、洋式は区別がない。男子は便座を上げて立って用をするが、最近では「周りが汚れるから座って用をして」と女性に注意されるので座ってする男性が多いそうだ。さて、この中学校の手押しポンプ、夏の高温に耐えられるかと心配である。