日差しは温かいのに空気は冷たい。パンジーや山スミレに肥料を与え、たっぷりと水を撒く。チューリップは本当によく伸びてきた。バラも赤い芽が大きく育ってきた。1鉢1鉢、眺めながら水やりをしていたら寒さで鼻水が落ちてきた。今年は桜の開花が早いと言う。どんな春になるのか、期待は大きく膨らんでいるのだが‥。
中学からの友だちがブログで、「男が不倫をするには経済力と健康がなければ成立しない」と書いていた。彼は17年間も付き合ってきた「友だち以上恋人未満」の女性がいたが、最近はとんと登場しない。「誰も理解できないだろうが、そういう関係で満足」と言い、「デートはするがそれ以上は望まない」と断言していた。
それを聞いて他の4人の同級生は「ウソだろう」とか「満足できないよ」とか言った。彼のブログにも「抱きしめたかった」素振りが行間から見える。恋多き男で、すぐに熱を上げるが、1歩踏み出せば成就するというところで止めてしまう。追いかける自分の恋が好きなのだろうが、1歩踏み出した結果、そこに何があるのか察知できるから止めてしまうと思う。
恋多き人でいながらどこまでも健全に生きている。それとは対照的な友だちもいる。求道者のようにひたすら「愛」を掘り下げようとする。彼に愛された女性は、当然だが重荷に耐えられなくなってしまう。にもかかわらず彼は自分の愛し方に問題があるとは気付いていない。自分の欲望に誠実であることがなぜダメなのかと思っている。
もう一人、実に真面目に生きている友だちがいる。与えられたものを愛おしく大切にし、決してそれ以上のものを望まない。道徳に反することを毛嫌いし、誠実であることに生きがいさえも感じているのではないかと思う時もある。「無理はしない。無理をすれば結局、何かを失う」と知ったようなことを言う時もある。
3人の男の3様の生き方を小説で表せたらいいのにと思う。ブログを書き続けている友だちは高校の時は文芸部で小説家希望だった。彼なら物語に出来るのではないだろうか。先日観た映画『それでも恋するバルセロナ』で、「成就しない恋だけがロマンチック」(?)というセリフがあった。ドンファンの口説き文句だがなかなかしゃれている。