ロサンゼルスで行われたWBCの準決勝戦で、日本はアメリカに負けた。投手も打者もそれほど大きな差はなかったように見えたが、やっぱり打撃力の違いが出てしまった。「パワーでは対抗しても勝てないから、日本らしい守備からのリズムで勝機をつまむ」としていたが、これまで超人的なプレーで堅い守りを誇ってきた菊池選手にミスが生まれ、松田選手にも伝染し、これが命取りになってしまった。
春の甲子園大会も熱戦が続き、観戦する側は辛いものがある。大会開始直後の至学館の試合は延長戦までもつれたが、この大会は既に延長戦となった試合がいくつかある。今日の中日新聞の『中日春秋』は21世紀枠で出場した多治見高校の奮闘に触れていた。21点という超大差で敗れたが、取られた8つの三振は全て空振りであって、見逃しの三振は1つもないと称えた。「バットは振らなきゃ当たらない」、そこに「選手の信じる心と明日を見る」とあった。
筆者の視点に思わず嬉しくなってしまった。「スポーツは全力を尽くして戦う。だから見る方も感動するし、楽しい」とスポーツ好きは言う。試合をしているのは自分ではないし、自分と何も関係がないのに、見ていてハラハラドキドキしてしまうばかりか、時には涙さえ流れてしまう。それでもスポーツは勝者と敗者を生むので、私は熱中出来ないというか、熱中しないようにしている。あんなに頑張ったのにと思うと悔しくて可愛そうでたまらなくなる。
木村拓哉さんが主演したテレビドラマ『A LIFE』で、ライバル(?)の浅野忠信さんが「俺がどんな気持ちか、分かるか!」と怒鳴った時は何も答えられなかった木村さんが、「分からない。人の気持ちまでは分からない」と言う場面があった。人はよく自分の気持ちを理解して欲しいと願うが、自分ですら自分の本当の気持ちなど分からないのだから、推察は出来ても本当のところは分からないだろう。
人は、他人は分からない。だからこそ理解しようとする。全く自分と関係が無ければ理解しようとは思わない。人は他人に近づくために努力する。侍ジャパンの小久保監督が辞任する。ご苦労様でした。ホンの少し、何かがそうさせただけ。例えば、野外球場だったこと、雨が降っていたこと、いろんなことがあるが、それが試合。明日は孫娘の大学の卒業式だ。