雪降る街 カムイラピットの楽園 こな雪 ぼた雪 あられ雪

けっぱれラピット、どろ亀さんに負けるな。ウサギとカメとの競走です。随想、旅行記、日記など、雪の降る街からのお便りです。

冬眠から醒めた熊 フキノトウ ミズバショウ

2012-04-20 17:26:14 | 生物
もう随分昔の話ですが、著名な植物随筆家のAさんが、ミズバショウのことを本の中に書いていました。
問題とするところは「ミズバショウは食べれます」という内容のものでした。この本に目を通す中で「これは間違いだ、連絡しなければいけない」と思い筆を取りました。「ミズバショウは毒性で誰も食べません。ただしヒグマはこの植物を食べています」とお便りをしたのでした。
早速Aさんから返事があって、「勘違いして書いてしまいました。」とあり、訂正されています。ところでヒグマは何故ミズバショウを冬眠明けに食べるのでしょうか。NHKのテレビ放送で、ヒグマが熱心にミズバショウを食べている姿を映し出していましたのでこの植物は食べることは実証されています。
それは、熊が冬眠から目覚めた時、身体には毒素がたまっており、毒素分を身体からはきだす(流す)ために毒性のミズバショウを食べるのだと言われていました。
このごろ、NHK総合テレビ昼の番組に「勝ち抜きクイズ」があり、その中で、熊が冬眠から覚めたら最初に何をたべるのでしょうかと質問がありました、私はとっさにミズバショウと思いました。わからない時は、手助けの答えを何点か出されます。解答者も答えは分からず、2択のヒントをもらいました。「それではイタドリでしょうか、フキノとうでしょうか」なのですが、私の知る答えではなく、フキノトウが正解でした。フキノトウも苦味があって、一般向きではないのですが、熊にとっては苦味のあるフキノとトウが毒素抜きのための食べ物にもなってもいるのでしょう。

エゾシカの食害 知床で甚大

2012-04-17 17:08:30 | 生物
今年は例年にない大雪で、山には雪がまだまだ残っています。雪解けが遅いという事ではたいした問題はないと思うのですが、これが今知床では大問題となっています。雪の為にシカが食べる草、笹などが地表に現れず、シカは食べる物もなく、樹木の皮を剥いで食べたり、小枝も片っ端から食します。皮を食べられた木は養分を吸い上げることができなくなり、しまいには木は枯れてしまいます。どの木の皮も食べるものではなく、センの木や、カツラ、イタヤカエデ などの木が中心です。このごろでは、ヤニのある針葉樹の枝を食べるとさえ言います。不思議な事にシラカバの木はシカも苦いためなのか樹木の皮は食べません。
シカの食害は、このままだと大半の木が枯れてしまい、自然破壊につながります。全道各地で、シカの害がうんぬんされて、エゾシカ駆除が各地で行われるようになりました。
世界自然遺産・知床半島でも大きな被害に遭い、エゾシカ駆除にやむなくのりだしました。
知床に出向いた時にヒグマや、エゾシカを見つけると、自然の中に自分がすっぽり入った気持ちとなり、知床にやってきたと良い気持ちで楽しめますが、多すぎても自然破壊につながっているとなるとどうしようもありません。
雪が多いためにシカは道路にまで入り、車とぶつかる事故も絶えないのです。やむなく知床でも今年から駆除に乗り出したのです。
今までに「流し猟式シャープテシュティング(SS)」で362頭の駆除をしたと報じられました。(道新24・4・17)。
SSとは餌でおびきよせたエゾシカをトラックで移動しながらシカを撃つ新たな方法ですが、効率が良いとの事です。
斜里町幌別ー岩尾別地区では、冬期間通行止めとなっている道道と町道の延長約4.6㎞で実施、1月は餌付けせずに実施一日平均11頭でしたが、3~4月には餌付け(牧草をまくなど)して行い、一日平均27頭の駆除が出来たといいます。
一方羅臼側では、羅臼ルサー相泊地区の道道約4㎞では、雪が多くてシカが思うように移動できなかった様で、10回のSSで、53頭の駆除にとどまったとのことです。
全道各地でシカ駆除の動きがありますが、動物愛護の問題もあり、駆除で無駄死にさせている現状を何とかしなければならないと思うのです。

カラス何故鳴くの 何んて鳴くの!

2012-04-12 18:34:50 | 生物
野口雨情作詩の童謡「烏なぜ啼くの」は多くの人に知られています。
「烏なぜ啼くの 烏は山に 七つの子があるからよ 可愛可愛と 烏は啼くの 可愛可愛と 啼くんだよ」この聞きなれた歌はふる里を思い出す歌です。七つの子をいつくしみ可愛可愛となくカラスの鳴き声は愛情に溢れています。後半の「可愛可愛」は烏の鳴き声と見られます。
このごろ、そういえば私の家の回りに、カラスもスズメも少なくなりました。スズメにいたっては目覚めの時のスズメのちゅんちゅんという鳴き声も聞こえなくなり、さみしい限りです。どういたのでしょうか。
一番お馴染みは「カラス」なので、カラスの鳴き声から考えてみます。カラスにはハシブトガラス(烏)とハシボソガラス(鴉)の二種類がいるのはよく知られています。前者のハシブトカラスは「カー、カー」と鳴きますが、後者のハシボソカラスは「ガー、ガー」と鳴くと言います。時に応じてカラスもいろいろと鳴き方を変えて声を出しています。近所で不幸があった場合、カラスの鳴き声は気持ち悪い思いをします。
研究者によれば、よく聞くとカールカールとか、カーラカーラとなるのではないか(武沢和義氏)と言います。
では、スズメはなんと鳴くのでしょうか。清水かつら作詞の「すずめの学校」ではスズメは「ちいちいぱっぱ ちいぱっぱ」中略「生徒の雀は輪になって お口をそろえて ちいぱっぱ」と唄います。この歌のなかの「チイチイ」は雀の鳴き声で、「ぱっぱ」は羽音でないかと考えている人がいます。今では雀は「ちゅんちゅん」と聞こえますが、時代とともに鳥の鳴き声も変わって表現されていくもののようです。

カラスは知恵者 物覚え抜群

2012-03-20 14:51:53 | 生物
夏の後半郊外にドライブに出ると牧草ロールが風景の一つとして目に入ります。
牧草ロールは雨の降る前にビニールで包みますが、このごろはみな白のビニールです。何年か前には黒ビニールで巻いていたのにどうして白になったのかと思ったことがあります。これはカラスによる被害対策の色だったのです。
むかしは札幌でもごみ投げは無料でした。この時ごみ袋は黒と決まっていました。カラスが餌(ごみ袋の中の残飯)を得ようと、袋を破り餌をあさりちらかすのですが、これが黒い袋には餌があるものとカラスが記憶してしまい、黒のロール袋をみれば袋を破りちらかすのでした。これが牧草ロールにまで害が及びました。そこで黒のビニールロール袋はやめて、牧草ロールは黒ビニールからみな白にしたのでした。このことからして、カラスは物覚えが良いのだと関心します。
かつての勤め先の昼の時間に何気なく校庭を見ていましたら、カラスがクルミを咥えては飛びあがり、そこから地面にクルミを落していました。もちろん地面に落してクルミを割ろうとしていたのでしたが、まだこのカラスは充分経験を積んでいなかったと見えて、クルミは芝生の上に落ちて一度も割れませんでした。物覚え、物まねはすぐ出来るのですが、最後の応用は出来ず、知恵者にまでなっていない場合が多いのでした。
もう14年も前になりますか、羅臼市街から知床半島のセセキ温泉までドライブしたことがあります。この時道路に貝殻がずうっと落ちていました。どうしてだろうと不思議に思ったのですが、後で気づいたことですが、カラスが磯浜から貝をせしめて、アスファルトの上に落し、貝を割り食を得ていた姿だっのです。
今日NHKの動画サイトの番組で、カラスが瓶の蓋に乗って屋根で滑って遊んでいる姿がありましたが、ここまで知恵が付いたカラスがいるのかと関心しました。公園の水飲み場の蛇口を回すカラスや、新幹線のレールの上に石を載せるカラスなど、カラスの話をしていると時間を忘れてしまいます。

猫の島 藍島 田代島

2012-03-09 17:11:22 | 生物
カムイラピットは高校時代まる一年かけて「猫の研究」をしていました。住んでいた町(オホーツク管内・生田原町)の多くの家庭を回り、個別に猫のことを聞きとり調査、一とおりの文章もまとめあげました。残念なことに長年経つうちにその原稿もどこかに紛失、今では一つの雑誌に掲載した文章(論文)だけが残っています。
研究していただけあって、私は猫好きですが、昔と違い離し飼も出来ず家には飼っておりません。都会(札幌)の猫は見知らぬ人のところには全く近寄ってきません。「ニャーニャー」と猫なで声で招くのですがすぐに逃げられてしまいます。人はきがいをあたえるものと思っているのでしょう。
ところで、日本に「猫の島」があるのでしようか。実はあるのです。通称「猫の島」というのが日本の中に二つある(?)のです。どちらもNHKテレビ放送の番組を見ることができました。一つは宮城県石巻市の「田代島」(ひょっこりひ。ょうたん島のモデルになった島)で、もうひとつは北九州市小倉北区の藍島(あいのしま)です。
ここでは、一部藍島の「猫の島」についてのみ紹介します。
少し前になりますが、NHKで「猫の島」を取材したものを放送しておりました。猫好きな人にはたまらない放送だったと思います。放送で分かりましたがこの島の猫を研究題材にしている人もいるのですね(私も研究していたひとりですので、驚く事ではないのですが)。
この島の猫は誰にも迫害されないと見え、人が近付いても逃げ隠れしません。猫はのんびりと生活しています。
ここは北九州市小倉北区から船で北西に13キロ響灘にあり、市営渡船で約40分のところの周囲13㌔、面積0.68平方キロメートルの小島です。島民の人数とほぼ同じ300匹程度の野良猫がいるとされています。この猫の島を見ようと島に訪れる人が多く、これは島の活性化につながると島民は歓迎しています。島の9割の人が漁業に従事しています。  
迫害されず、冬も越しやすく、餌も野良でありながらもらえる島の猫の生活は幸福な暮らしと言えましょう。

猫の島(二つの島のみが「猫の島」とされていると思っていましたが、他にも猫の島と言われている島がありました。まとめて「猫の島」を紹介します。西日本に多いようですが、越冬に良い温暖な気候がそうさせていると思われます)
○ 福岡県  藍島
○ 宮城県  田代島
○ 佐賀県  加唐島
○ 沖縄県  竹富島
○ 山口県  祝島
○ 愛媛県  睦月島
○ 香川県  佐柳島
○ 滋賀県  沖島
○ 静岡県  初島
○ 神奈川県 江の島
○ 岡山県  真鍋島