「ユク、ユックの付く地名は、むかしエゾシカの獲れた土地」
昨夜(12月15日)はアイヌ語地名研究会の「札幌のアイヌ語地名を探査する部会」に出席しておりました。
アイヌ語地名の解説をする藤村会長
その中で札幌の屯田の中の山鼻屯田の土地は、アイヌ時代エゾシカの多い土地を意味する「ユㇰニクリ」の名で呼ばれた土地であったことが話題となりました。ユㇰニクリとはアイヌ語の「鹿・林」を言います。
話は「そうか、山鼻の土地は林の中に・鹿が群れる土地であったのかぁ!」ではすまなくなり、草地でないとしたら「そこに当時多く生えていた木(林)は何であったろうか」とまで話が進みました。
ある会員から「今でもこの地区にかしわ亭と言う店もあるので、開拓当時は柏(かしわ)の木が生えていたのであろうと話が進み、現在も藻岩下近くの公園近くにかしわ公園と言う公園もあることが見つかりました。
新十津川町開拓記念館の展示物から 左から二匹目、角のある鹿が蝦夷鹿
私が卒業した大学の後輩も、山鼻地区に「かしわ亭」という飲食店を開業していたこと(5・6年前閉店)もあり、裏付けのかしわ林の存在を知ることができます。この後輩は現在仲間とともに山鼻屯田博物館の世話人をしておられる方なのです。
地名にあまり関係ない方からすると、何の木が生えていようと関心ないことですが、研究者としてはついつい調べたくなります。柏も生き延びると大木となりますが、生え始めの時はかしわの疎林を作っていたのでしょう。
当時の鹿も肉はアイヌの重要な食糧であったようです。
最後は、現在の蝦夷鹿肉の話となり、多くの会員が食べる機会がないと話していましたが、カムイラビットは襟裳岬への花撮影旅行の泊まるホテルにてふんだんに蝦夷鹿肉を御馳走になっています。年々狩猟後の血抜きの技術が進み、鹿肉が美味しくいただけるようになっています。「この頃は美味しくなったね」と写真仲間には評判が良いのです。
鹿の頭数が増えすぎて、その食害が問題となっているので、鹿の駆除が進められているのです。