美深町の「トント」に行って来ました
幌加内のソバ屋「まさ一(まさいち)」でそばを食べました。幌加内市街には、いま三軒のソバ屋があるのみだそうで、その一軒のソバ屋です。前のテーブルで「北見の東相内で木工教室に通っていた」と声高に(?)話す女の方が正面の席にいます。何か身内の事が話されている様な気がして、ついつい割り込んで話に加わってしまいました。 「その木工教室は私の兄がやっていた所ではないかと思うんですけれど」と切りだすと、話がぴったり合い、まさしく兄の三好木工教室に通っていた人でした。三好節は実家の兄です。「節先生はお元気ですか」と聞かれ、数年前に亡くなりましたと答えました。いろいろ話す中に「今日はトントに泊まりに行く途中なの、トントを知っていますか」と聞きますと、「トントは知ってますよ、泊まりました。」といいます。世間は狭いものですね。 兄を知っている人、トントを知っている人に幌加内のソバ屋さんでお会いするなんて、偶然にして驚きです。
新鮮で最高のジンギスカン
泊まる施設で夕飯はジンギスカンを出すと聞いていたのが「トントという宿泊施設」です。カムイラビット夫婦は22日(5月)に念願がかない「トント」に泊まったのです。トントの雰囲気は私たち夫婦の満足のゆく雰囲気の宿泊施設でした。「何もありません」とママが話します。「ここに来る人は何も無いところが最高なんですと言ってくださいます。」と話します。
トントとは北欧の童話のキャラクターの名とか、始めは聞きなれない名と思っていましたが、トント・トントと何度も繰り返している内に、トントは私の脳裏に焼き付いてトントは離れなくなりました。夕食はジンギスカンですが、飼っている羊の肉が出されるらしく新鮮で、筋も無く、脂身もありません。これほどまでに高級なジンギスカンを食べた事はいままでにありません。「半生(はんなま)の内に食べても大丈夫ですよ」と言われるくらい新鮮なのです。


トントのベランダから見える牧場と雪が残る山並み、視野が広く違う世界に来た感じがします。
「旅館の仕事は朝早く夜は遅くまで大変ですね」とお聞きしましたら「夕食はジンギスカンなので(手間がはぶけて)大変ではありまん」といいます。
「どうして美深のこの場所(奥まった仁宇布の地に)を選びましたか」とお聞きしますと、「ここの景色が気に入り「トント」を建てました。来年で20年になります」と言います。ママの話もトントのおもてなしになっておりました。夜は10時近くまで付き合って下さいました。この地の話は心が癒されます。そしてベランダの窓の全面は広大な羊の放牧地、放牧は6月1日からだそうで、今回は見る事ができませんでした。その先の風景は白い雪が解け切らない山がひろがっています。この地はようやく春を迎えたばかりで、サクラが終わり、ミズバショウも終わりを告げたばかりでした。

今年生まれたばかりの子ヒツジ、みなこちらを向いてくれました。6月には牧場で草を食べます。
心をいやしてくれるであろうトントには、行くだけの価値があるとラビ妻は言い、来年も来たいと望んでます。5月中は一人一泊7000円、6月からは8000円になるそうです。トントはお勧めスポットです。是非トントまで足を運んでみてください。
近くある仁宇布小学校には山村入学で来ている生徒がいるとか、都会から来て学習している親子や子供が居るそうですが、心をいやしてくれる自然が満杯の地での生活は楽しいことでしょう。
※近くには高層湿原の松山湿原があり、その一角には「雨霧の滝」があります。この近くにクマが出ているという話に、雨霧の滝にはラビ妻は行く気にならず、やむなくトロッコ王国のトロッコに乗る(一人1500円)ことになりました。トロッコもなかなか気持ちが良いものです。この日10時発のトロッコはカムイラビット夫婦のみでした。

札幌を朝8時に出て、トントに着いたのが夕方5時過ぎ、「9時間かかってたどり着きました」と話すと「かかり過ぎ!」と、ママのひとトーン高い声で驚きの声が返ってきました。

信奉しているH先生のブログに「幌加内を過ぎるとエゾエンゴサクが満開です」とあり、「それほど見事とならば見なければ損をする」とばかりに今回の旅行になりました。行く道道、野の花を撮影しながらドライブしている内に9時間かかっていたのです。写真撮影しながらの旅は満足のドライブでした。