雪降る街 カムイラピットの楽園 こな雪 ぼた雪 あられ雪

けっぱれラピット、どろ亀さんに負けるな。ウサギとカメとの競走です。随想、旅行記、日記など、雪の降る街からのお便りです。

イヌサフランの咲く秋

2021-09-22 14:22:22 | 山野草

カムイラビットの 「北海道の山草木散策 (6)」

「イヌサフラン 葉は花見ず 花は葉を見ず」

イヌサフランは野生では見られません。園芸種として植えている家があります。

野生には見られないイヌサフランは 私の「北海道山草木散策」の題から外れてしまいます。

しかし、近頃はアイヌネギを花壇に植える家が多くなったと見えて、新芽の時はイヌサフランと間違えて食し 毒に当たることがあります。毒性が強いので死に至る人さえ出ています。

庭には「アイヌネギ(ギョウジャニンニク)」と「イヌサフラン」を混植しないようにしなければなりません。家族に周知しておくとよいでしょう。

新芽の時は素人に区別がつきにくい姿をしています。

イヌサフランは変わった姿で我々の目に入いります。春早々に光沢のある緑色の芽が出てきます。季節は春、緑を待っていた北海道人に元気を与えてくれます。

この時の姿がギョウジャニンニクと似ている(?)と勘違いする人が居るらしいのです。

春が過ぎるとだらしなく葉を伸ばし、7月には葉は消えてしまいます。その存在を忘れたころの9月、10月に葉の付けない花芽が伸びて来てピンク色の花が咲きます。北海道のお彼岸ころに咲きますので、北海道の彼岸花とさえ言えそうです。

草としては変わり種の習性で、春と秋に楽しませてくれる花です。

この花は「コルチカム」という名がありますが、北海道の人にはなじみが薄く、「イヌサフラン」の名の方が通っています。

 

 


エゾウワミズザクラ 北海道特有の桜

2021-09-20 16:10:17 | 山野草

カムイラビット 北海道の山野草(5) 「エゾノウワミズザクラ」

「エゾウワミズザクラのアイヌ語が地名に・・・ 木禽岳(キキンダケ)」

オホーツク管内の津別町に「木禽岳」という山があります。

津別に住んでいた当時、白松茸が採れると聞いて「木禽岳」に行きました。頂上まで車で行くことが出来ます。

この木禽岳の地名の起源は アイヌ語のエゾノウワミズザクラの「キキン」から付けられた地名なのです。

エゾノウワミズザクラやシュリザクラはバラ科の木で、いくつもの層状花序の白い花を咲かせます。その中のエゾノウワミズサクラはアイヌ語で「キキン」と言います。

枝を折ると特有の嫌な臭いを発するので、アイヌは魔よけとして家の入口に立てたといいます。

「キキンにつながる地名は津別町や美幌町、女満別(大空)町」に見られます。

美幌町には木禽川、美禽が。女満別町にはキキン原野の地名がありました。

津別町には特異な地名があります。「本岐」と「恩根」です。本岐はポン・キキン二・ウシ(小さい方のエゾウワミズサクラのある所(川))から、恩根はオンネ・キキン二・ウシ(大きいほうのエゾウワミズサクラのある所(川)から付けられた地名です。

本岐は北見管内で良く知られるチミケッブ湖への入り口にあたる地名です。

エゾノウワミズザクラを説明している内に地名の話になってしまいましたが、木の名が地名になっているのは道内であまり見られません。

この木は大きな木に成長し、用材に使われています。

北海道医療大学の里山の谷向に白い花を付ける木がありますが、これはシュリザクラで、エゾノウワミズザクラに間近い種です。

北大の植物園に春に出向くとこれらの木の咲いている所を見ることが出来ます。

札幌市の「百合が原公園」には似かよった木が花を咲かせ、実を付けます。木の説明の文をみますと「ウワミズザクラ」とあり、道南にある木とありました。

 

 

 

 


湿原の王子様 「バイケイソウ」

2021-09-11 15:46:10 | 山野草

カムイラビットの

北海道の山草木散策(4) 「魅力のバイケイソウの花」

湿原の女王はミズバショウ、王子様はバイケイソウ この様に表現すると笑われるかもしれません。

湿原に春競って生えだすのは、エゾノリュウキンカであり、ミズバショウであり そしてバイケイソウです。

前者二つの植物は早々に花を咲かせるのですが、季節をづらせてバイケイソウも花を咲かせます。

独自にバイケイソウだけが生えている所もありますが、ミズバショウの咲く湿地帯にもバイケイソウの群落があります。

春先に バイケイソウが芽をもたげて出てくる様は可愛さが満杯です。

ある人はこの様子を「ホットドックのような太くて力強い」と書いていますが、面白い表現です。

その後の成長は早く大きくなり、花咲くバイケイソウの姿が想像できません。

ミズバショウを言ったのかバイケイソウを言ったのか忘れましたが、二つの植物の生えている所はヘビが出る、「ヘビの枕」などと言って、子供たちはこの湿地に入りませんでした。

バイケイソウは白い花を咲かせるオオバナノエンレイソウの咲く頃に丈を大きく伸ばしますが、まだ花を咲かせません。

6月中旬頃になると棒状の茎の先に花が咲き、花の部分だけをカメラに納めると 形の整ったまことに美しい花なのです。

薄緑がかった花の中にピンクの雄蕊が花の姿をととのえています。

札幌郊外の当別町太美の防風林下はバイケイソウの大群落地なのですが、花が咲くか咲かないうちに防風林保護のためにすべて刈り取られ、花を十分見せずして一年を終わります。これが毎年繰り返されています。

 

 

 


秋の知らせか 「エゾミソハギ」の花

2021-09-07 19:06:49 | 山野草

カムイラビットの 北海道の山草木散策(3)

『秋の序章 紫の花「エゾミソハギ」』

8月中ごろから草原の草地の中に 赤紫の花をもたげる草花が「エゾミソハギ」です。目立って穂先を天に向けて咲いているのは勢いのある初出のエゾミソハギの花です。

9月なると昨日までそこに生えてなかったところに 他の草と競って1輪・2輪と咲き出し、場所によっては ここが我らの領地とばかり10株ほどの花が咲き出すこともあります。

我が菜園に行く途中の農家さんの畑の排水溝沿いに エゾミソハギが見事なまでに列状に沢山生えていましたが、今年は畑も起こさず荒れ地と化し、不思議に排水溝沿いに除草剤がまかれ、エゾミソハギは全滅していました。

自然は はかなく弱いもので、人の手が入ると生きていけないのです。除草剤を散布するのは困りものです。

その農家さん 家に車があり車の場所も動いているので、住んでいるらしいのですが、広い農地は荒れ野になってしまっています。

今年も期待していたエゾミソハギでしたが非常にがっかりしたのでした。

赤紫の花には魅力を感じます。

草花は湿地を特に好むようです。百合が原公園(札幌市北区)では池の縁に大きく育っていて、水面とエゾミソハギの花がマッチしていて見事な姿でした。

私とエゾミソハギとの出会いは幼少のころからあったのでしょうが、特に記憶に残っているのが、襟裳岬への花撮影に堀田清主催の花撮影会

時でした。他の花はあまりなく、この花だけがわれわれを迎えてくれたのです。

カメラデビュウのラビ妻が カメラの雨に弱いのを知らず 雨にぬらしカメラを壊したのはエゾミソハギの花の撮影の時だったのです。

 

 


雑草と言われて「スベリヒユ」食べてみますか

2021-09-03 16:35:41 | 山野草

カムイラビットの
「北海道の山草木散策(2)」

「スベリヒユ」 食べてみますか?

スベリヒユの草の名をご存知ですか?  秋の畑の雑草の主役となっているほどにはびこっています。

目立つ花を咲かせるでもなく、有用でもないこともあって、多くの人にスベリヒユの名は知られていないと思います。

私でさえ名を忘れないように草を取りながら繰り返し名を言いながら除草しています。

花壇に時おり植えられている「花スベリヒユ」と種はおなじで、肉厚の葉がそういえば同じなので理解が進みます。

ハナスベリヒユは「ツメクサ」と言っていたと記憶しています。土に刺して根がつくので昔から関心がありました。いろいろな花色を咲かせるので皆から好まれていますが、正式な名は「ハナスベリヒユ」です。

畑の草(雑草)、そのスベリヒユが野菜市の棚にならべられ、確かに食べれると分かったのは昨年の夏でした。以前から戦時中に食べたとの話は聞いてはいたのですが、今年こそは食べてみることにしたのです。

食べ方はいろいろあるようですが、ラビ妻が試みに「酢和え」にしました。・・・・ なかなかいける(美味しい)ではないですか・・・。

そこで、ラビ妻がボランテア先の友達に、「食べる人は居ますか?」とスベリヒユを持って行ってさそいをかけたところ、

明らかに返事が2分されました。「たべたことがないので、食べません」「本当に食べれるの? と疑問符をもって、食べない」という方と、「珍しいから料理をしてみるわ」

と二つです。我が家であれば、人の話を聞いてすぐ実行する派の挑戦型です。

「あの人は私の家と同じだねえ」と感想がもれます。

何度も食べて健康に害があってはならないので、スベリヒユの他の作り方はこれからになります。

 

 

 


「ウンラン」との出会い 海辺の蘭から名付いたとか

2020-10-01 10:27:28 | 山野草

「海辺の魅力の花「ウンラン」」

「ウンラン」は石狩灯台近くに在るというのですが、石狩灯台浜の近くではまだ私は見つけていません。

石狩浜の植物愛好家たちが発行しているパンフレットにウンランの写真が載せられていて、この花は海(浜辺)の蘭から名付いたと説明がありました。

その後、石狩浜から北上して厚田近くの浜で私は初めて実物のウンランの花に出遇えました。その時の個体数は一株。すぐ植物の名前が言えました。

あるところには群生するのであろうと想像するのです。

もう何年も前になりますが、襟裳岬へ行った帰り道、何処の場所(浜)であったかもさだかではなくなりましたが、浜に降り立ち浜の小屋の砂利地に驚くほどの数のウンランの花を見つけました。黄色の花の一部に橙色が付いていて上品な花姿です。

そして後日(先日)海辺にあるはずのこの花が当別の道の駅へ向かう横道脇で群生するウンランがあるではありませんか。かつてここらも浜の砂利地であったのではないかなどと頭をめぐらすのでした。

 

 


夏の貴婦人 「オオウバユリ」

2020-09-13 14:54:52 | 山野草

「オオウバユリ」

なぜこの花(オオウバユリ)に、姥(うば)の名が付けられたのでしょう。

7月にクリーム色の大きな花を咲かせる姿は美しく、花の色姿から野の貴婦人とでも言えます。

ユリの仲間ですが、葉形や葉の枚数、葉脈はユリとは違い別属として扱われています。

林道の脇や防風林のまわりや沢地に良く見られます。花の咲いている時季には採取して持ち帰りたいと思う大きさでなく自然に生きぶいています。

9月になると花は緑の実となり10~20個ほどのものが付きます。

更に秋が進むと実は茶色になり、茎と実はドライフラワーとして好色家によって持ち去られます。

実は上向きに付き、種子は長い事そこに存在しますが、野生の動物がそばを通り触れたり、人に採取される時に辺りに散り落ち、散らばった地に次の生命を生むのです。

風によっても種子は舞い散ります。これを「風散布」といいます。種子の数は数えたことはありませんが、子供も大人も種子吹雪として頭からかけっこして秋を興じます。

オオウバユリは花を付けた年で生命は終わりで、次世代はこぼれ落ちた種子が命をつなぎます。

これを「一稔草」または「一回繁殖型多年草」といいます。

今年花が咲いていた季節に郊村に車を走らせていた時、オオウバユリの花を見つけ、匂いを嗅ぎましたが、素晴らしい匂いを持っているのに気づきました。

この時、ふと私はコロナにかかっていないと思ったのでした。コロナに感染すると、味も匂いも感じなくなるというではありませんか。

 


厚別川(札幌市)の堤防 ノラニンジンの花盛り

2020-08-24 20:16:09 | 山野草

「咲いた咲いたよ ノラニンジン」

オホーツク管内や十勝管内では見たことの無いニンジンの花ような白い花、襟裳岬へ行く道路脇に一面に咲いていました。綺麗な白花は刈り取られることなく旅情をかき立ててくれています。

この野の花がノラニンジンという名の植物です。

季節は8月、札幌に戻り、ふと野の植物に目をやると、札幌にもノラニンが結構多いのに驚いています。

可愛げな野の花なので、毎年住む領域を広げています。

多くの野の花には素敵な名がついているのに、この花だけは「ノラニンジン」と野良の名が付けられていて、考えようによっては可哀想な名だなあ!と思う事さえあります。

毎年通る厚別川の堤防に、それは一面にノラニンジンが咲いているのです。この白い花の片隅に紫色のエゾミソハギが咲いていました。

 


「葛(クズ)の花」 見たことありますか

2020-08-06 19:56:48 | 山野草

「葛の花 札幌では今が満開」

8月3日 札幌の大倉山ジャンプスキー場に出向きました。人の集まるコロナを避けて札幌の行楽地「大倉山ジャンプスキー場」に行ったのです。

この8月中は、GO TOキャンペーンとかで札幌市内の施設が無料開放されていて、大倉山ジャンプ場のリフト代金も無料となっています。

人も制限され、コロナ対策もされているというので、幼児連れの親子が多く見られました。

札幌の街を眺めるには最高です。素晴らしい眺めを堪能しました。

人が混んでいなかったのでコロナの心配がなく最高でした。

駐車場からエスカレーターまでの道脇にこの時期一面に弦を伸ばしている植物が見られます。

一目見て これは「クズ」だ。とわかりました。それもこの時がクズの花の盛りの季節だったのです。

花は紫色、マメ科の植物らしく三枚葉と豆科らしい花に特徴が出ています。

体調に異変を感じ、風邪の症状を和らげようと飲む「葛湯」はこのクズの根から取る澱粉なのです。数が少ないので貴重で高価です。

 

四国では3月末徳島県大歩危(おおぼけ)の峡谷を見下ろす高みの道路脇にある花を付けた「葛」を見つけました。四国では3月末に、札幌では8月初旬に花が咲くのですね。

 クズの花

弦を長く伸ばすので、邪魔扱いされて道内ではなかなか見つけられませんが新冠の判官館の岬で見たことがあります。

 

★札幌の理科センターの先生が、地域巡検の案内を引き受けていただき、葛について「これはウルシなので触らないように」と話しましたが、私にはウルシと葛は区別がつきますので、分かっていないことを間違って説明してはならんよ と葛を見る度にその時の事を思う事しきりです。

 

 

 

 

 


橙色 好きな色の花 札幌の路地にも  コウリンタンポポ

2020-06-10 20:56:47 | 山野草

「コウリンタンポポ 札幌の路地にまでも侵出!」

「コウリンタンポ」は外来種、帰化植物です。

急に数が多くなりました。私の住む札幌のはずれにも今年は多く見られる様になりました。

牧野植物図鑑を見ていて、俗称があるのが分かりました。「悪魔の絵筆」とあります。

 この黄色い花も コウリンタンポポです。

繁殖力が旺盛なので、悪魔の名が付けられたと言います。石北峠でも見かけたり、美深町でも、道立滝野すずらん公園でも見かけたので、その繁殖力が旺盛なのに関心(脅威)します。

札幌市にあるモエレ沼公園にも無数に咲いています。

そして昨日気が付いたのですが、買い物途中で車を走らせながら、橙色の植物を発見し、もしかしてコウリンタンポポではないかと今日はカメラを抱えておりたったのです。まぎれもなくコウリンタンポポだったのです。

この花はなかなかこぎれいで、憎めない色の花を付けているので、雑草扱いをする植物ではないのです。

ヘラオオバコが結構花を付けて目立っていますが、その中に交じって、また群生して生えだしていました。

タンポポモドキも黄色の花を咲かせていますが、何か同じように見えるのはこれも黄色の花のコウリンタンポポなのです。

 黄色の花はタンポポモドキで、遠くから見ると黄色のコウリンタンポポとよく似ています。

橙色の花と黄色の花を付けるコウリンタンポポがあるのです。橙色の方が花の華やかさがあり見栄えがあります。