「頭を下げて咲く紫花 釣鐘人参! 襟裳岬の7月の主」
襟裳岬に行って見ないかい。行って見ましょうよ。
岬の岩壁・岬の先端に伸びる巌・岩の風景も見応えあります。朝日、夕日も見応えあって、カメラマンには魅力の地なのです。
コンブ漁最盛期には浜も活気があって襟裳岬の漁師の生活の様子を見ることができます。
なかなか行って見ようにも気持ちが付いて行かない遠い岬。

すぐに行けるよ、すぐに行くよと思っていても遠い岬、よけいに行って見たいのが襟裳岬です。
襟裳岬の風景もさることながら、襟裳岬の駐車場近くのお花ばたけも、高山植物(花)好きな人にはまたとない風景、季節によって花は違いますが、7月はツリガネニンジンの紫色、ハマナデシコのピンクの花で覆われます。

朝早くには、霧のしずくがツリガネニンジンの花について、微妙に珍しい雰囲気の写真が撮れたりします。
いつも大勢で、花などの撮影をするのですが、白花のツリガネニンジンを見つけて驚いたり、釣鐘って下向きなのに、上向きの花を付けているツリガネニンジン見つけて一喜一憂している人もいます。



花は釣鐘状、根は朝鮮ニンジンの根に似ているので、「釣鐘人参」の名が付けられています。
別名はいろいろあり、トトキ、トドキ、トトキニンジン、ツリガネソウ、ヌノバ、ワカナ、チチナ、チチクサなどがありますが、初めて聞く呼び名ばかりです。
チチナ、チチクサとは、茎を折ると白い乳液が出るところから呼ばれた名です。
野山で見るツリガネニンジンはすらっとした形ですが、襟裳岬ではこの植物の体形はがっちりしている様に思えます。
※ 昔から、「秋ナスは嫁に食わすな」という言葉がありますが、トトキにも同じような言葉があるのです。「トトキ(ツリガネニンジン)は嫁にやるのもおしょうござる」という言葉があるのです。
ツリガネニンジンは可愛い花を咲かせるので、紹介はほどほどにしますが、
山菜として別品で、おひたし、卵とじ、天ぷら、油いためにも良いのです。
アイヌはこの根を煮たり焼いたりして食べたと言います。民間では、乾燥したものを「沙参」と呼び、1日5~8gを煎じて飲み痰切り(たんきり)などに使われました。