アポイ岳は楽しめる 楽な山 しかし油断は出来ぬ。
いろいろな固有種の花が咲くアポイ岳、たやすく登れて多くの高山植物が楽しめると聞いていました。カムイラピットは今までに登った事がありません。
手稲の「花族会議」(会員登録している)の面々は何度か登っているらしく、花の写真を沢山撮ってきている様子です。、集まるたびにアポイ岳登山の話が出てきます。私の家は手稲から少し距離があり、連絡漏れで登山の機会を逸しておりました。
6月7日(土)、えりも大好き花撮影隊の襟裳岬の集合時間に制約がありませんでしたので、カムイラピットはこの日思い切ってアポイ岳に登る事にしました。話では気楽な登山と聞いておりましたので、ハイキングの様な気持で登りはじめました。
なだらかな林間の登山路を登って行きます。ジオパークだけあって、看板も一合目から五合目まで説明があって学習に値する心遣いと感心させられます。11時頃からの登山で、登るのに3・4時間、下山には1時間30分ほどと説明を受けて、十分時間もあるし楽しめると周りを見ながら(楽しみながら)進みます。
一合目から二合目、この間も結構な距離に思われました。でもなだらかな路だからと気楽です。降りて来る人を見ますと皆がストックを持っています。これくらいの登山でストックなどを持ってと思っていたのですが・・・、
山小屋のある5合目から上は石の坂道の急な登りとなっています。やれやれ、これがストックを必要としていたのだと分ったのでした。5合目過ぎてから花が見え出しました。監察員の方に7合目ですれ違い、お聞きしますと「今年は高温で、乾燥がひどいためでしょうかね、花の数がさっぱりなのです。」と言います。花の写真を撮りに来たのに残念な話です。「あそこが、馬の背で頂上ではありません。向こうの高い山がアポイ岳の頂上です。」「せっかくですから頂上まで登られた方がよいですよ」とアドバイスを受けました。
まだまだ距離がありそうです。810m程の山だから、足に自信のあるカムイラビットでしたからゆうゆう更に上に登り始めます。
いろいろ花を探し楽しみながら、花を撮影していきます。
八合目を過ぎてからあとは急な上り坂です。ここからは頂上は手に取る様です。上から下りてきた旅行業者企画のグループとすれ違いました、この時、急に私の足は大腿筋が張って、おかしい状態になってしまいました。「大丈夫ですか」と声をかけてもくれましたが、すぐには痛みが取れません。手で触って見ると筋肉が張り痛みがあります。これでは先に進めないではないですか。登山の途中で登れなくなったのははじめてです。
齢のせいだからと片付けたくはありませんが、小時間休むと張りが無くなりました。まずは一安心、しかし下山の事も考えなくてはならず、休んだら何とかなるだあろうと、ここで昼食のおにぎりにぱくつきました。登山にはおにぎりに限ります。天気もよく周りの眺めは最高です。頂上からの眺めは更によかろうと思いながら、ここからの下山も仕方がなく少しの時間ここで楽しんだ後、やむなく下山し出しました。
登山道路で人の足でカンラン石が磨かれて緑濃黒の色になっていました。全山がカンラン石でできているとか。
アポイ岳はカンラン石のかたまりで出来ている山で、それでも薄い土が表面にあり、そこに木々が生えています。根が表土に沿ってのみのびられませんので、強い風が吹くとひとたまりも無く倒れてしまいます。
この時、自然保護の研究をされているご高名な北海学園大の佐藤謙先生ら三人とすれ違い、最後の下山路では御一緒させて頂きました。先生は結構植物の名前を知ってらっしゃる方で、この植物はジンヨウイチヤクソウ゛などと説明していきます。アポイ岳の植物に精通されておられるようでした。カムイラピットも同じ大学の非常勤講師を8年間していた事があり、先生と話が合って「またあいましょう」とお別れしたのでした。
アポイ岳にはクマは出ないという事でしたが、近くの山にクマが出ているので、「鈴は持っていますか」などと聞かれたり、登山道に5個ほどもの鐘がぶら下げたりしてあって、登山にクマ対策がなされていたのには感心しました。
この鐘はよく響いて鳴らすのが恥ずかしくなるらいです。下山者たちは誰一人として鐘を鳴らしませんが、カムイラピットは鳴らすのを楽しんで、鐘を見付ける度に鳴らしたのでした。
それでは、アポイ岳8合目からの風景をお見せします。
17時30分無事下山。